614:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)14:55:46 ID: ID:Vsk
個人的な体験。胸糞わるいし自分のことではないし、長くて取り留めのない文章だから、読み飛ばしてくれてもかまわない。
小学校の時、クラスメイトにA子とB子という二人の女の子がいた。
A子は勉強も運動もできる美少女だった。
明るくて優しいから常に同学年女子の中心にいて、でも男勝りで活動的なところもあって
時折男子と喧嘩することもあったけど概ね男子からも高評価を受けていた。
一方、B子は勉強も運動もぱっとしない大人しいやつだった。
気が弱くて、動作ものろくて、いつも俯きがちだった記憶がある。
そしてそんなA子とB子は常に一緒にいた。
616:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)14:59:42 ID: ID:Vsk
だから人見知りなB子はA子以外の友人をうまく作れなかったんだと思う。また、A子とB子は家が近くて二人の母親が非常に仲良だったらしい。
それが関係しているのかA子とB子は習い事も同じだった。
B子の家は共働きで、学校から家に帰っても誰もいない。
B子は学校から帰るとA子と一緒にA子の家に帰る。
習い事がある日はA子と一緒にA子母に送迎してもらう。
母親の仕事が終わるまでA子の家で過ごす…という日々を送っていたようだった。そういった環境だったためか、学校生活でも放課後でもA子の後ろには必ずB子がいた。
A子を何かに誘うとB子も必ず着いてくるのだ。
617:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)15:03:16 ID: ID:Vsk
当然、B子は男子からは馬鹿にされ、女子からは疎まれていた。
男子からは「うん子」「イソギンチャク」というあだ名で呼ばれからかわれた。
前者は金魚の糞から、後者は腰ぎんちゃくと、B子が癖毛であったことからついたあだ名だったと思う。
女子からはA子のいないところできついことを言われたり、時々物を隠されるなどの意地悪をされていた。
B子はたまに涙を流すことはあっても、基本的に俯きながら耐えていた。
A子はB子がいじめられているのを見つけたらいつも助けてあげていた。
いじめる男子には怒ったし、隠されたものも一緒になって探していた。
619:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)15:12:01 ID: ID:Vsk
しかし、A子とB子が本当に仲良しだったかというと少し違ったような気もする。
A子とB子は根本的に気が合わなかったように見えた。
俺はA子とB子と家の方向が同じだったから、二人が一緒に登下校する様子をよく見てた。
だから二人の会話が自然と耳に入ってくるのだけど、なんというか今一つ盛り上がってない様子。
A子がTVや芸能人の話題を振っても、B子は「え…そうなんだ」「知らなかったすごいね…」と歯切れが悪い。
逆にB子がぼそぼそと何か話題をふってもA子は「え、聞こえない、もう一度言って!!」
みたいな感じだったし。
放課後も「バレエ遅れちゃうから早くして!!」と帰り支度が遅いB子をA子が少し苛立ちながら急き立てるの何度も見てた。
620:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)15:23:06 ID: ID:Vsk
そんな二人の関係も学年が上がるにつれて少しずつ変わっていった。
自分の学校は1学年2クラスで、2年に一回クラス替えがある。
3年生になっても、俺とA子とB子は同じクラスのままだった。
クラスメートの面子が変わっても、A子は相変わらず男女双方から人気でクラスの中心にいた。
B子はなんとなく下に見られていて、男子も女子も時折思い出したようにB子をいじめていた。
しかし、B子が少しずつだけどA子から離れるようになっていったのだった。
621:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)15:30:03 ID: ID:Vsk
他の大人しい子と話したりするようになった。
放課後もA子とは別に1人で帰る姿をよく見るようになった。それを見てた他の女子は
「暗い」「やっとA子ちゃんから離れてくれたよ」「一人ぼっちで可哀そう」「習い事下手でやめちゃったからね」
等と陰口を叩いていた。
でも俺には前よりも心なしかB子が明るくなったように見えていた。ある日の帰り道、俺は前方をのろのろ1人で歩いているB子を見つけた。
今まで殆ど喋ったことはなかったけれど、俺も1人だったし、何となく話しかけてみた。
B子は話しかけられると思っていなかったらしく、困ったような顔をしていた。
あまり「うん」とか「ううん」とかそれくらいしか返事をしてくれなかった。
623:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)15:39:09 ID: ID:Vsk
すると、B子も警戒心が解けたのか、少しずつ話をしてくれるようになった。
多分俺が他の男子と違って、B子に意地悪をしなかったからだと思う(というか関心がなかった)
ある日「最近A子と一緒にいないよな」と聞いてみた。
B子はぽつりぽつりと自分の気持ちとか、今までのことを話してくれた。・A子ちゃんのことは好き。優しいし、強いから。でも、ずっと一緒にいるのは迷惑だとも思う。
A子ちゃんだって私がいない方が自由に遊べると思うし。・今までお母さんが帰ってくるまでずっとA子ちゃんの家にいたけど、それもよくないと思う。
A子ちゃんのお母さんは優しいしいから好きだけど、自分があの家にいるのはちょっと違うと感じた。・A子ちゃんと一緒にいると、いつもお母さんに比べられて辛い。「A子ちゃんはあんなにできるのに」と。
習い事も勉強も、普段の様子についても。比べてくるのはお母さんだけではない。
ピアノやバレエとか習い事の発表会(?)があると、女子たちが見に来る。お母さんがいる前では「B子ちゃん上手だね!」「頑張ったね」
と褒めてくれるけど、実際学校では「A子ちゃん真ん中で踊ってたね。B子ちゃん端っこw」「同じくらい習ってるんだよね?どうしてあんなに下手なの?」
とからかわれていた。そもそも習い事もそんなに好きではなかった。
・だから、ある日お母さんに上の事を全部正直に話してみた。
なにかあるごとに「A子ちゃんと仲良く。何かあったらA子ちゃんちに頼るように」と言っていたお母さんはとてもびっくりしていた。
でも正直に話したら納得してくれて、習い事も辞めさせてくれたし、放課後も自分の家で一人で過ごすことも認めてくれた。
・最近は休み時間も好きに過ごせて楽しい。放課後も自分の家にいるだけじゃなくて、隣のクラスの子の家とかに時々遊びに行っている。
俺はその話を聞いてびっくりした。なんかB子への印象が変わったというか。
うまく言えないけど人間って変われるんだなって。
624:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)15:53:02 ID: ID:Vsk
他にも
・A子ちゃんみたいにハムスターや文鳥を飼いたい。でもお母さんがダメというから青虫を飼ってる。
青虫を蝶々にして外に返すのが好き。でもこの間育てたのは蛾だった…。
・習い事、次に何かするなら絵を習いたい。お母さんに言ったら算数で100点取ったらいいと言われたので
勉強を頑張ってる
とか。
ある日俺とB子が一緒に歩きながら帰ってると、たまたま出先から帰ってくる途中のおふくろと遭遇した。
おふくろは俺とB子を見ると「スイカ買ってきたからB子ちゃんも食べていきな」と声をかけた。
B子は遠慮しまくってたけど、結局俺の家についてきた。
俺は家に女子が来たことなんて殆どなかったからどうしたらいいか分からなかった。
分からなかったけど、ただスイカを食べてるだけも気まずいからゲームを一緒にやらないか誘ってみた。
星のカービースーパーデラックスをやらせたのだが、予想外にB子は喜んだ。
もちろん彼女には2Pを任せたのだが、色んなキャラクターになれるのが面白くって仕方がないらしい。
夕方までカービーをやって、B子は笑顔で帰っていった。
B子が帰った後、おふくろは「噂で聞くよりしっかりしてるし、いい子じゃない」と言っていた。
B子が俺の家に来たのは後にも先にもこれっきりだった。