私は少し間を置き、特にお会いしてお話しすることも、お伝えすることもありません。
これから予定が入っていると言って手紙を仕舞い、不適切かも知れませんが
私が弁護士に交渉される立場にも関わらず、円滑に離婚を進める為の適切な助言を戴いたお礼として
少し包んでお渡しし、以降の交渉は行わないことを告げました。
去り際、職務上信用に関わる問題があるので本人の許可が無い限り連絡先は教えないが気が変わればいつでも連絡して来ても構わないことと
美鈴本人が書いた手紙に必ず目を通すことを勧められ、私は一礼し事務所を後にしました。
階段を下り外へ出るとそよ風が吹き空は晴れ渡り、気持ちの良い天気で散歩でもして帰ろうと思い
当ても無く歩きました。休日を楽しむ人々が行き交う街中の喧騒は遠ざかり
河口沿いの整備された遊歩道を歩いていました。
公園を見つけ木陰のベンチに座ると、子供たちの声が聞こえ目を向けました。
幼い子供たちと夫婦が楽しそうにボール遊びをしている幸せな家族風景。
私が思い描いていた将来の夢だった風景を暫く眺めた後、手紙を取り出し開くと、
美鈴の筆跡で丁寧に隙間が無いほど埋め尽くされるように何枚も書かれていました。
遅くなってしまったが、海外勤務三年間の慰労と、たくさんお土産を用意してくれていたことへのお礼。
上位部署への配属と昇給したことのお祝いの言葉から始まり退院後の私の体調を気遣う言葉。
包み隠さず書いた弁護士が説明した内容に反省と後悔と謝罪。愛されたことへの感謝。
最後に、私と語り合っていた将来の夢の実現を手伝わせて欲しい。叶わぬのであれば
せめて繋がりだけは断ち切らないで欲しいとの言葉。そして美鈴の現在の住所と電話番号が書かれていました。
共に暮らし、私を愛し、私が愛した美鈴が居るような気がしました
電車の中で遠慮がちに声を掛けて来た美鈴、顔を真っ赤にしながら告白して来た美鈴、
砂浜で夕日に照らされた美鈴、夏祭りで花火を見つめる美鈴。
意を決したプロポーズで目に涙を一杯に溜めて私に抱き付いて来た美鈴。
ウエディングドレス姿の美鈴。何気ない日常の中の美鈴。
海外支社へ出発の日、空港で手を振りいつまでも私を見送ってくれた美鈴。
美鈴に戻って来て貰えるのであれば一からでもやり直そうと決意したあの日。
様々な思い出と記憶が、私の中を駆け巡り暗闇の中に小さな明かりが灯ったような気がしました。
しかし、その灯を燃え上らせる情熱は枯渇し、虚しく消え去り、再び訪れた暗闇の中には、忘却という寂しさがあるだけでした。
気が付くと心地良かったそよ風は強い風へと変わり木々は騒めき、幸せそうな家族の風景も
子供たちの笑い声も消え人気は無くなっていました。
私は吹き荒む風の中、手の力を緩めると手紙は風に乗り彼女の記憶と共に海原へと舞うように消えて行きました。
私は暫く目を閉じた後、ゆっくりと立ち上がり、歩けるところまで歩いて帰ろうと思い家路に就きました。
これは僅か二ヶ月と少しの間の出来事です。
人生一寸先は闇。何もかも崩れ去り、私の心も変わり果てていました。
海外赴任に妻をおいて3年行っていたら浮気された
離婚を迫られたので離婚したら元妻がジュリ化したがもう関わりたくない
一時帰国が何回か出来るので3年の月日は流れないかなw
何かイラつく文体だけどまだあるんなら書けよ
あんたは良くてもまだ続きあるんなら読みたいんだが
俺も>>659の続きが気になる一人なのだが……
どこかに【ネタも歓迎】スレよりも、ネタ色の強いスレって無いかな?
相談なり報告を、ネタと判っていながら生温くレスしてあげるような感じのヤツ。
>>659の話が事実を脚色(フェイク)したのだとしても、
自ら書いていても、あまりにネタ臭いのは判っているはずだろうし。
そんなところがあれば、そこに引っ越ししてみては?
その後の話は?
>>691 692 713 716
もどかしい思いをさせてしまい申し訳ない。手短にお話しします。
続きは有りません。あれ以来一度も会っていません。それまでの関係です。
ただ、離婚前後は、正直に申しまして、彼女を許そうとする気持ちへ傾く度にあのメモリーカードに記録された写真と会話が思い浮かび
許さないという感情に支配され、時間が経てばまた許そうと思い始めることの繰り返しでした。
あのメモリーカードに気付かないまま埃と一緒に処分していれば違った人生になっていたのかも知れない。
そのように思っていたと書きたかっただけです。
以上、失礼しました。