もう終わったことですが。
当時私には2年付き合った彼氏もいました。
けっこう長い間付き合っていたにもかかわらず、
毎日連絡をマメにとりあい(50通はメールしていました)、
自分で言うのもなんだけどかなりラブラブでした。
週末は欠かさず会っていたし、いろんなところに連れて行ってもらったり・・・。
かなりいい恋愛をしていると思っていました。私だけ。
お互い実家住まいで、彼の家は彼曰く「かなり汚くて狭い」らしかったので、
彼の家にいけないことが不満といえば不満でした。
でも欠かさず迎えに来てくれたし、わたしもマンションの彼の家に行くより
私の家(一軒家です)でまったりするほうが家族に気も使わないだろうと考え、
とくに深く考えもせず、彼の家に行きたいともあまり思いませんでした。
家の前(マンションの下)までは何回かいったこともありました。
前述のようにマメに連絡をくれる人だったので、浮気は疑ったこともなく、
私も浮気をする気はさらさらありませんでした。
彼氏には気の置けない友達がいて、私を含め3人でよく遊びました。
ところがこの友達が、ある時を境にしきりに私にアプローチをしてくるようになりました。
私は別にカワイイとかキレイとかそういうタイプではないのですが、
ある種男好きするらしく、ストーカーなどの被害に多々合うなどしてきたので、
また変なモンだしてたのかなあ~?(昔、「なんか出てる、それにひきつけられる」と言われたことがあったので)
と思い、彼氏の友達ですから無下に扱うわけにも行かず、メールの返信は1日置く、電話にはでないなどの対策をとり、
二人であうなどということは絶対にないように、などと対策しました。
それもこれも彼氏に余計な心配をかけさせたくなかったからです。
ところが友達の行動はだんだんエスカレートし、3人で会う時も私に必要以上に触ったり、
隣に座れば机の下で手を握り、向かいに座ればスカートを足でめくったりと、
目に余る行動をしてくるようになりました。
彼氏も「お前ら仲いいなぁ~w」などと言って来たので、これはダメだと判断し、
仕方がないので彼氏にこれからは二人きりで会いたいと伝え、
友達と一緒に、と彼氏が言ったときは用事を作ったりして、一緒にならないようにしました。
彼氏と友達の関係を壊したくなかったし、そういうこと(迫られたりなどということ)を言うのがイヤだった、というのも本音でした。
ところが電話は止むことはなかったし、着信拒否をする訳にもいかず、途方にくれたので、
一度呼び出してちゃんと話をしようと思い、友達を呼び出しました。
ファミレスで、私は
・彼氏が好きで、友達は友達としてしかみれない
・お互いの関係をこわしたくない
・彼氏を心配かけさせたくないので連絡はやめてくれ、
連絡するときは彼氏を通してくれ
と伝えました。
しかし友達は
・彼氏とは別れろ。
・これからも連絡する。
と言って来ました。
お互いの主張は平行線で、らちが明かないので、わたしは彼氏に話す決心をし、
こっそりとSOSメールを打ちました。
彼氏はすぐに駆けつけてきてくれました。あのときの安堵感は言い表せません。
出口の見えない口論は本当に辟易するものでした。
彼氏は友達に
・もう連絡するな
・これ以上迷惑をかけるなら縁を切る
といってくれました。私は最終的にこうなってしまったことをとても悲しく思いましたが、
彼氏がきっぱりいってくれて少しうれしかったのを覚えています。
とにかく強い口調で、わたしを庇ってくれました。
ところが友達は引かず、おまえこそ彼女と別れろ、縁を切れと言ってきます。
わたしはどこから突っ込んでいいかわからず、ただボーゼンとしました。
彼氏はますます大きな声でともだちをほぼ罵倒しだしました。
しかし友達もまったく引かず、お互いの醜い罵り合いがしばらく続きました。
すると業を煮やした友達が、
「今からオマエんち行くわ。」と言い出しました。
私はなぜ、家?と思いましたが、うるさくて迷惑だからかな、と思い、
反応を伺おうと横に座っている彼氏の顔を見ました。
すると彼氏はものすごく青ざめていて、なんのつもりだ?許すわけないだろうと
ものすごく焦りだしました。
私はおばちゃん(彼氏のおかあさん。同居していると聞かされていた)がいるのだろうか?
と思いましたが、それにしてはあせりすぎです。
饒舌なかれしがしどろもどろに、もぐもぐ口をうごかしているのをみるのは初めてでした。
友達は「別れろ。」と再度言いました。
彼氏は何も言いません。今度は私があせって、「イヤやって!」といいました。
しかし、こんどは彼氏が「別れよう。」と言ってきました。
私はもうなにがなんだか、なぜなにぼうや~という感じで、頭に沢山の?が浮かびましたが、
彼氏と友達の思いつめたような顔をみて、こいつら本気だ、と感じ、
その場でぼろぼろ涙をこぼし、「なんでなんで??」と嗚咽をあげだしてしまいました。
関係のないはずの友達に分かれろと言われ、抵抗していたはずなのに別れると言い出した彼氏。
イヤイヤと頭をふり、隣の彼氏に縋り付きましたが、彼氏は私を見ませんでした。
重苦しい雰囲気の中、彼氏は帰る、と言い出し、私と友達をおいて帰ってしまいました。
私は友達を責めて責めて責めまくりました。
その場で絶縁し、着信拒否をかましてファミレスをあとにしました。
その晩、彼氏からメールで、長い謝罪文が来ました。
メールには友達がいきなり家とかいいだすからびっくりした、オレはオマエを愛している、別れたくない・・・
などと書かれてありました。彼氏のことが大好きだった私は即座にメールを送り、
私もまだ好きだ、これからも付き合っていきたいという趣旨のメールを送りました。
着信拒否ができたことで、友達に悩まされることもなく、また二人でラブラブし始めました。
あの一件も、過ぎ去ってしまえば一種のスパイスになり、二人の仲をかえって深くさせました。
それから幾月か後、私の家に一通の封筒が届きました。
封筒の中身に私は驚愕しました。それは彼氏とどう贔屓目に見ても仲睦まじそうな女の人との隠し撮りでした。
それは二人がコンビニで手をつないで買い物をしているところから、彼氏のマンション、
ひいては部屋の中に入っていく様子までが何枚かの写真で綴られていました。
私は何のいたずらか?と、思いはしたものの、浮気という概念があたまからなさ過ぎて、
不気味に思うのみで、深く考えずに写真を捨ててしまいました。
彼氏には心配をかけたくないという理由で、伝えもしませんでした。
その2日後くらいに、だれかの家からの電話がかかってきました。
出ると、あの友達でした。彼は着信拒否されているので、わざわざ家からかけてきたのです。
わたしは写真のことを思い出し、あんな気持ち悪いことをするなんてどういうつもりだ、と問い詰めました。
友達は「まだ別れてなかったのか・・・」と言い出し、私もついに堪忍袋の緒が切れ、
これ以上つきまとうなら警察に言うよと怒鳴りました。
しかし友達はあせることなく、「写真はみたのか?」と聞いてきました。
以下会話、標準語に直します。
「見たけど・・・、きもいっす、何?」
「女と一緒に写ってたじゃん。」
「???」←よくわかっていない
「いや、だから彼氏、女とうつってたやろ?」
「?」←マジでわからない
「いや、だから、お前、浮気や。」
「え?」
「浮気!」
「?????」←何が?誰が?とか思っている
友達は馬鹿な私に辛抱強く語りかけ、彼氏と女が手をつないでいたこと、
買い物をしていたこと、そして私が入ったことがない彼氏の部屋に二人で入っていったことを教えました。
私はぼーっと聞いていました。夢っぽかったです。
友達は今から行く、といいました。
私は口では断りましたが、押し切られ、現に戻ってきたわたしの頭は彼を拒否しませんでした。
友達は来た足で私を彼氏のマンションまで連れて行きました。
私は入るのは初めてでしたが、ああ、写真とおんなじやー。とぼんやり考えました。
彼の部屋の前まで来て、友達は表札を見せました。彼の名前と、女の人の名前でした。
「うん、おばちゃんやろ?」
友達はおそらくこいつ死ね、と考えていたことでしょう。
インターホンを押すと、若い女の声がしました。友達は自分の名前を告げました。
すると「ちょっと待ってね~」という声の少し後に、写真で見た女が出てきました。
私の頭は真っ白でした。友達のうしろでぼーっと突っ立って、ただそこで見ていました。
友達は女に「○○(彼氏)いる?」と聞きました。女は「おらへん、いきなり来たん?w」と言いました。
友達は「サプライズで。んじゃぁ帰るわ、悪かったな、○○によろしく」と言い、
「こいつ見せたかってん。オレの彼女」と私のほうをくいっとあごでしゃくりました。
「そうなん?はじめまして、★★ですー」と女はいいました。
友達は「○○の奥さんや。」と私に言い、「ほんじゃまた」と
下を向いている私の肩を抱き来た廊下を戻り始めました。私は既に泣いていました。
彼は既婚者でした。