晴れて社会人になった僕は彼女と二人暮らしをはじめました。
順風満帆な社会人生活。そんな事を夢見てたけど想像してたようにはうまくは行かなかった。
原因は彼女がすごくヤキモチヤキだった事。
会社に入るとあれこれと仲良くなったりする人も現れ
業務連絡も兼ね女の子と些細なメールくらいもした。何一つやましい事もないので
「会社の女子社員とメールしてる」と言うと気に要らないらしく
キレ出した。「え?何考えてんの?そんなメールする必要あんの?すぐ辞めて」と言った
僕は言われるまま辞めた。平和主義ですから。
それが「男とメールするのも浮気の原因になるからダメ」
会社帰りの付き合いもダメと生活がダメダメ尽くしになって自由がなくなってた
「うん、わかったよ」って僕は言う事を聞いた
彼女は気に要らなかったら暴れるようになった。
ガラスが割れ戸が壊れ時にはカッターナイフを持って暴れ殴られもした
生傷が絶えない毎日になり一緒に暮らしているのに
こんなに心が通ってなかったから寂しかった。
こんな大変な毎日を送ってる時に菜穂は華の公務員生活か
ほんとロクでもない
【22歳社会人1年生の時】
休みをもらっても退屈なだけだった。メールする人もいない、じゃぁ友達もできない。
休みの日には一人ショピングモールや公園をプラプラして仕事の企画書ばかり書いていた
企画書はまず最初は自分が考える事を書いていいから仕事してる時だけが自由で楽しかった
職場の勤務時間だけは楽しくて終われば暗い顔して帰る。そんな毎日だった
彼女は相変わらず暴れた。僕は殴られはしたが殴り返す事はなかった
「女には優しくしろ」これが死んだ父ちゃんの遺言だったから
彼女には「殴り返す根性もないんだね」と馬鹿にされたけどそれでよかった
その頃、菜穂はいい子だから友達いっぱいできてただろう
ほんとロクでもない
だんだん疲れてきた。学生時代いつもヘラヘラするなと怒られて来た僕も
この頃になると家ではあまり笑わなくなってた。仕事の時だけ目一杯明るかった
彼女に1番勘弁して欲しい事があった。それは夜中に怒って大声で叫ぶ事
これをすれば近所からの苦情が不動産会社に行きそれが保証人の実家に行く
実際にそういう経路で実家に苦情が入り母ちゃんから
「女の人の叫び声がするって不動産屋さんから苦情の電話があったんだけど」って
僕に電話があった。でも「それ俺んちじゃないから心配いらないよ」と言った
母ちゃんに苦労掛けない為に出て来た俺が心配を掛けてどうする?
それを彼女に一生懸命説明したが聞いてはくれなかった
明日会社なのに彼女は深夜激怒してパジャマのまま出て行き
彼女になんかあってはイケないからと朝まで探してからヘトヘトで会社に行ったり
そんな相手の親には「彼女を大切にします」と約束したので
自分が我慢すればいいと思ったけど気付けば我慢ばかりで疲れてた
菜穂と暮らせればこうはならなかったのにね…会いたい。
何言ってんだかロクでもない
【23歳社会人2年生】
1年が経つ頃ついにこんな生活に疲れてしまい「別れよう」と切り出したが
「いや、別れるんだったら死ぬから」そう言われて何も返せなかった
その頃わずかながらになってしまった友人に連絡して一人の女の子と知り合った
俺と同じように彼氏と同棲して悩んでる子だった
ただ傷を舐め合うような腐った関係だったけどそれでよかった
浮気した。彼女にバレれてしまえばいいんだよ、そうやって別れればいい
そしてまた違う人と浮気した。もう僕は腐ってたんだ
どうすればいいのか?そうやって考える力もなくなってた。
そんな時、菜穂から一通のメールが来た。
それが実家を離れてから初めてのメールでした
こんな時にメール送ってくるなんてロクでもないヤツだ
菜穂からのメールはとてもとても短い文章だった
「頑張ってね…このメールは消しておくんだよ」
こんな短いメールは僕と菜穂にしかわからない内容だけど全てがわかった僕は
どんな長文のメールより心を打たれて涙が止まらなかった
菜穂は母ちゃんに苦情の話聞いて全て理解したんだろう
大ゲンカして僕が苦しがってるのも、どうしていいかわからなくなってる事も
メールして来ないのも彼女がヤキモチヤキだからってのも。大変だって事も
だから「忘れないようにメール消しておくんだよ」
と付けてまで僕を励ましたかった。菜穂はどこまで可愛いんだ
どこまで僕の事をわかってくれるんだ。すぐに「会いたい」って送りたかったけど
こんな腐ってしまった僕に返事を送る資格はないと思った
返信の言葉すらも思い浮かばずただ台所で一人体育座りで
「どうしてこんな風に…ごめんなさいごめんなさい菜穂ごめんなさい」って泣いていた
また泣き虫だって笑われるね
こんな可愛い女はたった一通のメールでもロクでもないくらい可愛いかった
【24歳】
あれこれと、こんがらがってしまった人間関係がうまく行くはずもなかった
あの人に別れを告げられた、そして違う人にも別れようとフラれた
俺が悪いんだしそれでよかった。ただ別れを受け入れて行くしかなく
また、一人減り二人減りまた寂しく彼女一人だけになった
そして「浮気なんてこりごりだ、寂しいだけだった
これからは真面目になるから、これから一緒にいよう」と言ったら
彼女「ううん、私も別れるよ、このままだともう二人にとってよくないよ」とフラれた
僕「はぁ、わかった」と彼女に次に暮らすだけのお金だけはもらってもらった
結構な額だった
俺は人に金払ってんのに自分の為にだけ金使ってるはずの菜穂はロクでもない