俺はいわゆるお坊っちゃんで
頼まなくても向こうから仲良くしたい人がやってくる身分だった
下は親に仲良くしとけと言われた同年代から
上は県会議員や国会議員までいたっけな
そういうのがぞろぞろやってくるっていう生活をしてたせいで
声をかけられない限りは仲良くしようとしない変な意味でのコミュ障だった
大学で関東に出た一年目は念願の静かな生活だったな
偉い人とかが年頃の男の子だからといって
野球用具やサッカーボールにゲーム機やそのソフトとかくれても
基本的に児童文学と動物文学読書するのが好きっていう本の虫だったので
挨拶程度の知り合いだけしかいなくったことを寂しく思うこともなく
好きにほっといてくれるのが最高に感じてた
二年になって校舎が首都圏郊外から都内に変わり
人が多すぎて臆病になってた頃にゆかりと出会った
ゆかりはしとやかなタイプで俺と読書の趣味が似てた
交際を考えて欲しいといわれた後も特にがっつかれず
行儀が良かったのでほわほわした気持ちになってきて
あらためてこちらから交際を申し込んだ
翌年のバレンタインに俺たちは俺の部屋でワインを飲みながら
のんびり映画を見ていた
ゆかりがやたらと携帯をいじっていた
しばらくしてドアがガンガン叩かれた
何かと思って出てみると
てめえよくも俺の女をと怒鳴るやつがいた
わけがわからないのはそいつが笑っていること
するとゆかりがやってきて問答無用に扉を閉めてチェーンを外した
男の仲間も押し入ってきた
「こいつ今日も何もしてこなかったよどうする?」
途端に困る押し入ってきた連中
「じゃー無理やりにでも撮るべ」
丸裸にされた後
ブラウスを自分で破ったゆかりの上にまたがれと
首に包丁押し当てられながら言われた
周りの連中がばしゃばしゃケータイで脅されてそうした俺の姿をとった
かくして長期美人局にやられた俺は最悪な脅迫材料を握られた
当時家賃は別にして親からの仕送りは三十万あった
アルバイトの口座と別にしていたのが幸いして
仕送りを毎月全額巻き上げられるだけで済んだ
俺はベランダで寝泊まりさせられる羽目になった
特に夜中は包丁でももっておんなじことやられたら困るからと
冬でも必ずベランダで暮らさせられた
生まれる家の運がよいことと頭の良さは別物
生活費の全額を稼ぐために必死でアルバイトした結果
二年は成績が追いつかずに留年する羽目になった
二回目の三年がはじまると
当時親に用意してもらっていた2LDKの高層マンションは
遊ぶ金欲しさに家を解約したゆかりとその彼氏のれっどがあがりこんできて乗っ取られた
俺はあの写真が出回ったら
勘当されてもおかしくないと思い込んでいて言うがままに
一緒に生活するはめになってばれたアルバイトの金まで巻き上げられて
毎日残飯だけ食うことを許されてどんどんガリガリになっていった
三年になったある日
一年上になってしまった昔のクラスメートのりかこと会った
「どーしたのよあんた!」
りかこに連れられてりかこの叔母の家だという下宿先につれていってくれた
金はないという俺にりかこは
「そんな病気みたいながりがり見てそのまあかえせないでしょ」
といって冷蔵庫から適当に出した食材で飯をつくってくれた
八ヶ月ぶりくらいに残飯じゃない飯を食った
食べ終わるのを待ってからりかこの追求がはじまった
途中から泣き出して何を言ったのかはおぼえてない
気が付くと家族総動員で俺を取り押さえていた
拳や腕が切れていた皿の破片なんかがあって
それでやっと暴れたことが理解できた
「もう大丈夫もう大丈夫」
手を傷だらけにしたりかこが笑っていた
警察を呼ぼうか救急車を呼ぼうかという話になっていたけれども
社会的に致命的な写真を握られてる俺がかわいそうだとりかこが止めてくれた
そのりかこが数日後俺の顔を見るなり逃げ去った
わけがわからずに必死になって数日追い回し
れっどに苦情を言いに行った後レイプされたと打ち明けさせた
家に帰るまでつきそっておちつくまで側にいた後
その翌日から拷問の歴史についてまなんだ
>>209 あたりでした
>>202と>>203の間とんでます
自分がされている分にはまだ恐怖だけで済んでたんだ
けど俺が怯えてるともっと被害が拡大するってわかったら
なんかもう恐怖とかどうでもよくなってきて
復讐心と正義感っていうのがないまぜのすっごい気持ち悪い感情が芽生えた
とにかくガラの悪い連中なので
レイプっていったらまず俺の時とおんなじで証拠写真とか撮ってるだろうし
それが流出しないようになんとかしなきゃという思いが募って来ると
臆病ですなんていってられない
なので最終手段に出た
ろくなもの食べてないから手足が必要だったし
実家に電話をかけるといつもどおり外出中の父
けど慣れた声を聞いて安心してなきじゃくっていたら
使用人が驚いて旦那様に連絡しますっていってくれて
電話きってから五分で父から電話
移動中らしくってなんども聞こえないって言われながら全部喋った
「留年したりするから荒れていると思ったばかりいたぞ
寄り道して間違いを間違いと知るのも勉強だなんて思ってたが悪いことした
声をかけてやるべきだったな あとは全部任せろ」
「いや、俺が頑張るよ
好きな人が出来たんだ
さっき言ったレイプされたっていう人
打ち明けたせいで巻き込んだ俺以外に
仇をとるべき者はいないって思う」
「ならお前の護衛に金を持たせて送るから
合流してあとは好きに料理しろ」