一軍二軍三軍、もしくは陽キャ陰キャ、リア充グループDQNグループオタクグループなど、さまざまな分別の仕方がある
その中で、三軍の陰キャのオタクグループ、つまりカースト底辺の女子高生の一年間の思い出を書いていきます
終わらせんといて!
4月
入学式やクラス替えにより新たな環境で生活がスタートする、希望の春
しかし底辺は浮かない顔である
何を隠そう底辺たちは大体軽度のコミュ障(場合によっては重度)を患っており、スムーズにみんなの輪の中に入ることは困難を極めるのだ
そして運良く話しかけられたとしても「え?」「うん」「デュフフww」など短文でしか返答できないため、相手が話しかけてくれることはもう二度とない
しかし何とか同じような匂いのする地味な仲間を見つけ出し、教室の隅でデュフデュフする束の間の安寧を手に入れるのである
リア充グループ、ギャルグループ、きれいどころ、真面目グループ、オタクグループというまとまりが編成され、特に何のマニアでもなくただ「大人しくて冴えない」というだけの女子がオタクグループにぶち込まれる悲劇は毎年繰り返されている
ID変わりまくってるけど>>1です
偏差値はふつうの学校だったけど人数多いからか結構ハッキリとしたカースト制度があった気がする
5月
ふつうならばすでにクラスに慣れ、大抵のクラスメイトの名前と顔を覚えている時期
しかし底辺はおはようからおやすみまで必要最低限の友人としか喋らない、いや喋れない日々を送っているためクラスメイトの9割と会話をしたこともなければ名前もあやふやである
もちろん相手も底辺の名前を覚えることなどなく、最悪の場合未だに担任からも「何だっけ…」と言われる始末
遠足や校外学習などのレクリエーション系の行事が入りやすい時期だが底辺にとっては地獄でしかなく、ランダムの班分けはトラウマ確定である
酉つけました
名前覚えられないのは普通なのか…
6月
クラスの結束が(底辺以外のみんなの間で)高まるタイミング、体育祭が開催されやすい時期
圧倒的にインドア派が多数を占める底辺にとって体育祭は最も忌むべき行事であり、またその練習も地獄である
大縄跳びやクラスリレー、30人31脚などの団体競技が強制参加の場合底辺は発狂し、学校を休んだりサボったりする日が増える、場合によっては体育祭本番さえも休む
失敗をした時のみんなからの「ドンマイドンマイ」が居たたまれなく、萎縮することにより更なる失敗を生む負のスパイラルとなり、時には女子であれども舌打ちが飛んでくる
クラス全員で円陣を組む場合、たいてい隣の男子に少し嫌そうにされるので底辺は怯えて時がすぎつのを待つしかない
夏休みが目前に迫り、行事もないテスト期間
底辺にとってのボーナスステージである
暗記だけは得意な底辺はここぞとばかりに前日徹夜作戦を駆使して高得点を叩き出す
先生の粋な計らいにより良成績者の発表などがされた場合、まばらな拍手と共に久々に脚光を浴びた底辺はご満悦である
満たされた気持ちで夏休みに突入出来るかと思いきや、周りをよく見ればカップルだらけである
気づけば皆高校生らしく恋人をつくり、楽しく恋愛している様子に底辺は呆然とする
高校生活ってこれでいいのか?思い描いていた理想とかけ離れた現実、SOS団も無ければ風早くんもいないこの生活
底辺はただ一人で家に帰り、何の予定もない夏休みを乙女ゲームとともに過ごすのであった
ぶっちゃけ女子の方が底辺は底辺でもマシだと思う
8月
部活、バイト、恋愛、遊び
学校は休みでもやるべきことはたくさんある時期だが帰宅部バイト無し彼氏なし友達も少ない底辺の予定は真っ白である
数少ない底辺友達とナンパされるかもしれないと期待に胸弾ませ浴衣で出かけた花火大会ではトルコアイス屋台の外国人にお釣りをちょろまかされただけに終わる
ろくに外に出ていないのでお肌は真っ白なまま夏を終える
誰もが長期休暇のあとは学校嫌だなーとなる時期だが底辺の場合は発狂するほど新学期は憂鬱である
また、この時期から早速文化祭準備に入ることが多く、体育祭に次いで底辺から不人気な行事である
特に準備の大変な食品の出店では、店の装飾などでリア充たちが大活躍するのをよそに、
チームワークのとれないコミュ障底辺はするべき仕事を見つけることもできず、ただウロウロするのみで非常に邪魔である
何もしないなら帰れば?と誰もが無言の圧を加える中、「みんな残ってるし一応残っておこう」などという考えだけでその場にとどまり続ける根性はアッパレとしか言いようがない
自由登校だから時間は自由です
10月
文化祭が開催されるほかには特に何もない時期である
しかし文化祭が底辺に与えるダメージは深刻で、今後のモチベーションにも大きく影響を与える
クラスの出し物はクラスメイトたち全員に底辺の無能っぷりを披露する舞台と化し、 特に、バイト経験のない底辺はあたふたオロオロするしかない
自由時間も他のクラスに友人などおらず、他のクラスの出し物を適当に底辺仲間たちとぶらつくも、雑な接客をされたり、「オタク集団きたw」という含み笑いをされたりと楽しい思い出などできはしない
長い戦いが終わり、底辺に束の間の休息の時期
マラソン大会が開催されるため運動音痴の底辺は浮かない顔、と思いきや意外とへっちゃらである
どれだけ鈍足だろうが体力皆無だろうが個人競技ならお構い無しなのだ
底辺仲間と楽しくおしゃべりしながらゴールイン
それ以外の行事もないので特にこれといった思い出はなく、ただひたすら少数の底辺仲間と息を殺すようにして日々を送る
誰も口にはしないが底辺仲間はいわば余り物の寄せ集めのため誰もが「早くクラス替えしないかな」と思っているが、クラスを替えたところで楽しい高校生活を送れるのかといえば疑問である
長期休暇を誰よりも楽しみにしている底辺たちは定期テストで大活躍する
世間はクリスマスムード一色だが、当然彼氏のいない底辺には全く関係がない
仲間同士でパーティーをしようという話題も一切上がらず、いつも通りよそよそしく冬休みに突入する
家ではやたらと活発な底辺たちは家路につくや否や別人のように元気になり、ニコニコ動画を見たり乙女ゲームをしたりと思い思いの休暇を楽しむ
親に「クリスマスどっか行かないの?」と聞かれたら急に元気がなくなるのは底辺の共通事項である
楽しいお正月も一瞬で過ぎ去り、憂鬱な3学期の幕開けである
底辺たちは夢から醒め、死んだような顔で登校してくる(重症の者は休み明けしばらく勝手に冬休みを続ける)
また、寒さは気分を重くさせ、もともと静かな底辺たちの気性を更に重苦しく静かなものに変える
年末にクラスで忘年会があったという事実を今さら知る羽目になり、大きなショックを受ける
もちろん呼ばれても参加しないが、呼ばれないのもそれはそれで嫌だという底辺の繊細な心を理解できるものは居らず、悲しい一年のスタートを切る
>>1は3年です
2月
もうこの学年も終わりだな、という焦りと期待でソワソワする時期
世間がバレンタインデーで忙しいが、これも底辺にはまったく関係のない話である
クラスの女子ほとんどに友チョコを配っているリア充から自分だけチョコを貰えないなどのハプニングの他には何もなく、お情けで頂いたチョコを齧りながら帰宅する
なぜ自分には恋人はおろか好きな人さえ居ないのか?という素朴な疑問が湧いて出るが、そもそも異性と関わることがないのだから好きになる以前の問題であるとすぐに解決し、自分が共学に通う女子高生だという現実から目を背けざるをえない
3月
やっとこの地獄のようなクラスからおさらばだと晴れがましい気持ちでいっぱいの季節
ただよく考えて欲しいのはそのような生活を送る羽目になったのは紛れもない自分自身のせいだということである、そこに思い至らない底辺は同じ過ちを繰り返すとも知らず、新しいクラスへの期待と不安に満ち溢れている
一年間一緒にいてくれた底辺友達への感謝も忘れ、さっさと家に帰り大好きな長期休暇を満喫するのであった
その頃クラスでは打ち上げが開かれ、最後の親睦を深め合っていることを底辺はまだ知らない
終わり
長々とすいませんでした見てくれた人ありがとう