ま~、笑えない話ですが聞いてください。
去年の話です。
自分(M男)が20歳、彼女(A子)が21歳でした。
20歳の誕生日を迎えてそれまで一度も女性と付き合ったことが無かった自分は
「このまま死ぬまで童貞だったらどーしようかなー」などと考えていました。
数日後、バイト先の先輩だったA子にバイトが終わったとき
A子「M男、この前誕生日だったんでしょ?お祝いしてあげるからウチくる?」と言われました。
あまり女性と親しくするのが苦手だった自分ですが
彼女は自分から話しかけてきてくれてとても自然に親しくでき
自分も彼女にほのかな好意を寄せていました。
それまで女性の家に行ったことすら無かった自分です。
「家に誘われるということはセックルなのか!?セックルのお誘いなのか!?
俺、パンツどんなの履いてたっけ?童貞だってバレたらどうしよう
ブラジャーってどうやって外すんだ?上手く外せなかったら人生終わりだ!」
などと妄想が大爆発して脳内はパニック状態でした。
とりあえず、期待半分、不安半分で彼女の家に行くことに。
もう道中も心臓がクチから飛び出すんじゃないかというほど緊張しまくりです。
彼女の家に着く頃には脚が文字通りガクガクブルブルでした。
彼女の家に入ると女性の一人暮らしらしく良いにおいがしました。
妄想やらナニやらが入り乱れて自分の息子もどうしようもなく暴れん坊状態です。
落ち着こうにも落ち着けるわけもなく彼女の部屋をキョロキョロと見回してしまいました。
それから2人で飲み始め、とりとめのない会話をしました。
しかし頭の片隅ではずっと「いつ行くべきか?」というタイミングを計っていました。
彼女とはバイト先のことなどを話していたのですがいつしか恋の話に。
A子「M男は彼女居ないんだよね?好きな人は~?」
我ながら想像力豊かだと思いますが
「この質問はッ!『君が好きだ』と言って欲しいのか?言って欲しいんだな?」
「いや、もし言ってしまって『ハァ?ナニ言ってんの?』などと言われたら立ち直れない…」
と様々な妄想がアタマの中を駆け巡り
M男「好きな人は居ないけど気になる人は居るかな」
A子「へ~、どんな人~。教えて~」
M男「え~と、元気な人かな」
A子「意外~。M男って大人しい子が好きだと思った」
M男「う~ん、大人しい子も好きなんだけど、今はその元気な人が気になるかな」
A子「元気な人って私みたいに?」
M男「う…。」
経験豊富な男性なら気の利くセリフで答えるんでしょうが
いかんせんこっちは妄想が恋人の純粋童貞、彼女の問に口ごもってしまいました。
A子「もしかして私のことだったりして?」
M男「…。(コクリ」
A子「あ~、そうなんだ。そうじゃないかとは思ったんだ~」
M男「(見抜かれてた…。は、恥ずかしい…)」
A子「あんまり恐縮しないでよ~。私まで恥ずかしくなっちゃうじゃん」
彼女は必死に自分をフォローしてくれてこっちも何か話そうと思った矢先
彼女のケータイが鳴りました。
彼女が電話に出ると
A子「今?家に居るけど…、え?来るってウチに?ちょっと待って…」
A子「今は駄目。友達が着てるから。女の子に決まってるでしょ!」
というやり取りが聞こえてきて、当然のごとく嫌な予感が駆け巡ります。
この場に居ては確実に良くないことが起きると直感し
M男「俺、帰った方がよかったりする?」
A子「あ…そう。ごめんね~。また今度埋め合わせするから」
M男「じゃあ、またバイトでね…」
と言い、玄関先で彼女に別れを告げて帰ろうとすると背後に殺気を感じました。
振り返ると男が一人、今にも殺人を犯しそうなギラギラした目で立っていました。
歳の頃は25歳前後、スーツを着ていたのでサラリーマンだと思われます。
この男を仮にX太郎とします。
X太郎「ふー(深呼吸)、まずは二人とも家に入れ。お前(M男)もな」
と言われあまりの迫力に従うことに。
X太郎「どういうことだ?まずは言い訳を聞く。それから判断する」
A子「言い訳も何もバイト先の友達と飲んでただけだって。ね?」
M男「(無言でうなずく)」
X太郎「この状況でそれを信じられる奴が居ると思うか?」
M男「(居るわけねぇよな…、正直アンタには同情するよ。だからもう帰りたい…)」
という自分の心の声が届くはずも無く二人はケンカを始めてしまいました。
ケンカの内容を聞くとどうやら彼女の浮気(自分のは未遂ですが)は初めてではなく
彼にとってようやく前の浮気の傷が癒えた頃に今日の出来事が起きてしまったようです。
このままケンカを続けられても困るので
M男「ちょっと待ってください!」
X太郎「なんだ?やる気か!」
M男「いやいや。そうじゃなくてちょっと落ち着いて自分の話を聞いてください」
X太郎「…わかった」
ということで、自分がA子のバイト先の後輩であること、
誕生日に祝ってもらうという名目で呼ばれたこと、
彼女の家に入ったのはこれが初めてであることなどを説明し、
M男「A子さんに彼氏が居ることも聞かずにホイホイ付いてきた自分に非があります。
今年の誕生日は一人で過ごしたので祝ってくれると聞いて喜んでしまったんです。
誓って自分に下心はありませんでしたし、A子さんにもそんなつもりは無かったはずです」
自分でも惚れ惚れするほどの見事な言い訳です。
X太郎「本当なのか?」
A子「本当だってば。私を信じてよ」
X太郎「そうか…。わかった。今回はお前を信じることにする」
X太郎「M男くんだっけ?疑って済まない。もし良ければこのまま誕生会を続けよう」
M男「…ハァ?」
A子「そうよ。それがいいじゃん。せっかくだし3人で飲みなおしましょ」
M男「(何故そんな展開に…)」
必死に帰ろうとする自分をX太郎は強引に引きとめそのまま誕生会を継続することに。
目の前では仲直りした2人が仲睦まじく、肩を寄せ合ってイチャイチャしてます。
会話のほとんどは2人のやり取りで時おり思い出したように
X太郎「そういえばM男くんはどう思う?」などと適当に話を振られ
A子「M男くんはそういう話しないからね~」とA子が勝手に答えるという展開。
M男「(俺、居る意味ねぇじゃん…)」
時間にして2時間ほどでしょうか、自分にとっては永遠とも思えるほど苦痛でした。
ようやく夜も遅いからとお開きになり、X太郎は自分の帰り際にも謝ってくれました。
その後もA子はバイト先では変わらず接してきましたが
自分は先日のことがあるので距離を置くことに。
すると自分に飽きたのかどうかは知りませんがA子は他のバイトの人と親しくするようになりました。
それから1週間後です。
X太郎がバイト先に乗り込んできて「Y次郎ってのはいるか!」と騒ぎ出したのです。
どうやらA子はそのY次郎ってのと浮気したみたいです。
さすがにもう付き合ってられないので自分は何も見なかったことにしました。
それからすぐA子はバイトを辞め(させられた?)てしまいました。
今思うとX太郎も被害者だったんですよね…。
一歩間違うと自分がX太郎の立場になってたかもしれないですし。
しかし何もヤってないのに、妄想しただけでこの仕打ちはちと酷すぎませんかねぇ。
童貞は妄想するだけでも罪ということで罰が与えられたのでしょうか。
神様だか仏様よ。
完。
当然ながら今も自分は清い体です。
まぁX太郎がそこまでしたから
お前の気持ちが残らなかったと考えればいいじゃまいか?
結果的に被害者にならずに済んだと。
今思えば彼女を好きというより童貞特有の親しい女性に感じる情欲というか
「セックルしたい」という気持ちがA子に向いてただけかもしれませんね。
このままA子と付き合ってれば辛い思いをしたと思いますが
ただ、童貞を捨てられなかったのは実に無念です。
A子が好きで一度は浮気を許したもののそのせいで苦しんでるんだろうと思うと
X太郎は嫌いになれませんね。
自分が浮気されたらやっぱ許しちゃアカンなと決めました。
いい話聞かせてもらった!!
お前がいいやつだっていうのはよくわかったよ
ものごっついどーでも良い話ですが
のど乾いたんでコンビニに行った帰りに
自分ちのアパートの前に止めてあった車の中でカーセックルを目撃しました
丁度自分の部屋の窓から丸見えのポジションなのでこれから干渉します
みなさんありがとうございました