あ そうそう
馬鹿男スペック
顔は普通
とくに悪くもない
やせ
身長俺より低い 俺185
バツイチ
特徴 優柔不断
とりあえず
この馬鹿はいま調子乗ってる
俺が何にも言えない小羊だと思ってる
あわよくば無傷で人妻ゲットできると思ってる
と敏感な俺は察知したのでおしゃべりしてみた
ここに来るまで包丁持って行くか寸前まで迷っていたし
コンビニ着いたとき車でひき殺そうかと思った
だけどお前みたいな馬鹿のために刑務所行くのはごめんだ
じゃぁどうすると思う? これから俺が
お前の会社はもうバレてんだよ そしてお前んちの実家も
逃げられないよね? ね?
で人妻に手出したっつーことはそれなりの慰謝料払わせるし
お前んとこの会社乗り込んで仕事クビにさせる
だって取引先の職員に手出してんだから
もちろん嫁にも制裁加える お前と同等に
嫌だったら裁判でも起こすか?この場合俺が100%勝つよ
(知識ゼロだけど言ってみた)
で 借金まみれ 職もない
それでも幸せにできんでしょ?
馬鹿男が小さい声で言った
マイナスからのスタートですが
頑張ります・・
あらあら
この子 脳みそ腐ってる
つづき
相手がめんどーな男だと悟った賢い俺は、とにかく諦めさせる作戦に出た
一応突っ込んでおくけど
・男なら愛する人の幸せを望むべきじゃないですか?
・別れてあげるのが彼女にとって幸せだと思います
これってさ
この状況で俺に言う事じゃないよね
なんかドラマっぽいセリフだけど ぶっちゃけ綺麗ごとでしょ
なにその抽象的な安い言葉は 具体的に言ってよ
慰謝料いくら出そうと思ってンの?
それと身内な事だけど 今うちの実家って改築工事してる真っ最中なんだけど
施工業者ってさ 嫁の親父なわけ
どー思う? 娘が他の男つくったなんての知ったらさ
もし離婚してお前と嫁が一緒になっても、確実に嫁の親は幸せじゃないだろ
これは現実だし、お前じゃ責任なんて取れない 絶対
それでも嫁と一緒になりたいなら最後は俺を殺せばいい
包丁で刺すだけで一緒になれるよ
お前には絶対譲らないし その必要もない 欲しければ俺を殺せばいい
俺はそんぐらい嫁のことが好きだ
って感じでおしゃべりしてみた
権力的な事やころせとか極端なことで脅した感じで諦めさせるようなこと並べてみた
必死だったなとにかく だが確実にダメージを与えた
馬鹿男はしばらくだまり込み どうしようか考えていたんだろうか
すると、これはちょっとアブないと気づいた馬鹿男は方向性を変えてきた
彼女のこと好きなんですね
んーわかりました
僕諦めます
幸せにして下さい
僕に任せて下さい のセリフから約10分~20分の出来事
キングオブ優柔不断
つづき書きたいが家だと嫁が勘ぐるからきびしー
仕事の合間がベストだな
嫁が寝れば書けるが・・
ま どーせ大した内容でもないから放置してくれ
つづき
キングは嫁を諦めてくれた
この変わり身のスピードにはあきれた
キレるつーより話がまとまりそうだったから少し安心できた
今思い出すとこいつのあほ加減は笑える
彼女とは深い関係にはなっていません 手は出してません だと
聞いちゃいないのに自分から言ってきた 早速逃げの体制入ってるなこの馬鹿
こいつと会う前に嫁からも せくろすはやってない と聞いていたが
ハッキリ言ってどーでもよかった
実際証拠もないし二人で口裏合わせればなんとでも言える
問題なのは心の方だ
俺の中では 浮気心で魔が差してやってしまった のほうが数倍良かった気がする
心が移ってしまうのは、想像以上に辛かった
で とりあえず夜遅いのでこの場はひとまず解散
帰りの車中で、キングとの会話の大まかな事を伝えた
キングと別れたくないと言い 嫁は号泣していた
それ言われた俺が泣きたいわぼけ!
翌日に嫁上司にこの件の話をするってことで、嫁職場に乗り込むことになった
事実関係を把握したいのと、嫁の会社の取引先が関わってるから事情聴取したかった
嫁もそれを了承した
朝 ふたりとも一睡もできなかった
朝飯ぐらいは食おうと思ってパンを食ってみた 即吐いた
食欲がまったくない
とりあえず俺の会社には急用で休むと連絡
嫁の職場へふたりで向かうことにした
職場の上司は目まるくしてた、朝っぱらから嫁の旦那が乗り込んできたら誰でもびびる
とりあえず昨晩の事等を説明した
上司はキングに対して超キレてた
そして監督不足でしたと俺に頭を下げた 嫁はうつむいてる
嫁上司は即効でキングを呼び出し話し合いをもつことにした
キング到着してから嫁だけをはずし 嫁上司、俺、キングで これからどうするか話を進めた
意外にもスムーズに決まった
キングは仕事や借金(こいつすでに借金があったらしい よく慰謝料払うとか言えたな馬鹿)のことがあるので
もう嫁とは一切連絡を取らないと約束 上司も嫁の動向をちゃんと俺に報告すると協力してくれた
あと問題は嫁のみ
追い込まれた嫁の精神は限界近くまで達していた
つづき
嫁に話し合いの結果を報告した かなり信じられないと言った感じ
そりゃそうだろう 思い切って男が居ることを俺にバラしてしまい
アテにしていた不倫相手が その晩であっさり諦めちゃったんだから
四面楚歌とはこういう状態なのだろう
俺にとって幸いだったのは 不倫相手が馬鹿だったことだ
嫁上司の指示でキングの携帯番号をゲットしていた これは大きかった
嫁はひとりぼっちになってしまった
誰にも相談できない
唯一 バレンタインの時に飲んだ女友達には打ち明けていたらしい
当然大反対 つーか元々は俺の友達だし 俺側につくのは当たり前
鬱になってる嫁に俺が出来ること
それは話を聞いてやることだった
死ぬほど聞きたくない馬鹿男の話を客観的に淡々と聞いてあげた
今や相談できる人間は俺以外にいないからだ
嫁も想いを外にはき出したかったのだろう
俺を赤の他人だとでも思っていたのだろう
キングの話を その想いを俺に話した
彼の良いところはここだ あそこで手をつないでデートした 彼は真剣に話を聞いてくれた等々
一切反論せず冷静に聞いていた が
心はズタボロだった そりゃノーガードでボコられたら誰でも死にかける
何回も何十回も心を串刺しにされても攻撃しなかったのは
嫁の心のほうが瀕死の状態だとわかっていたからだ
実際限界だった
不倫の告白から2日後 嫁はリストカットした
けど幸い深く切ることもできず血がにじんだ程度だった
意外とそれ見てもびびらない俺がいた
なぜなら俺自身 自殺サイトで死に方の勉強していたからな
リストカットぐらいじゃ死ねないと知っていた
二人とも追い込まれていたな あの時期は