もう7年前の修羅場ですが。
私子・・・地方出身。アパート暮らし。
彼郎・・・私子の彼氏で友絵・女美とは高校からの同級生。アパート暮らし。
女美・・・彼郎・友絵の高校からの同級生。
男太・・・友介の親友で女美が好き
友介・・・私子のアパートの隣人
友絵・・・友介の彼女で私子の親友。彼郎とも仲がいい。
前提・・・全員(当時)20歳。大学が同じで、6人でスポーツサークルを作って仲良くしていた。
私は当時、週3~4日居酒屋のバイトを入れていて、その日も夜遅くに家に帰ってきた。
音で私の帰宅が分かったのだろう。5分も経たないうちに、隣人の友介がチャイムを鳴らした。
ドアを開けると、少し深刻そうな表情の友介。その後ろには同じような表情の男太、友絵。
とりあえず家に上げて何が起こったのかたずねると、友絵が少し遠慮がちに聞いてきた。
友絵「最近、彼郎とうまくやってる?」
唐突な質問だったので、「??」という感じだった。
私子「特に喧嘩もしてないし、いつもどおりだと思うけど・・・。どうしたの?」
そう聞くと、私以外の三人は顔を見合わせた。
友絵「実は・・・」
三人の話を要約すると、友介と友絵は今日皆で飲みに行こうと思い、友介が彼郎に・友絵が女美に
同時に電話をしたらしい。
すると、二人とも飲み会の誘いを断ってきて、且つ後ろから聞こえてきた音楽が同じものだったことが判明。
もしかしたら二人で一緒にいるのではないかと思ったが、そのときは友絵も友介も深く考えなかった。
そして、その後に連絡した男太になんとなくそのことを言うと、女美のことが好きな男太は気になって、
彼郎の家の近くにたまたまいたので、家まで様子を見に行ったらしい。
そしたら・・・
男太「言いにくいことだけど、間違いなくHしてたと思う・・・。声が聞こえてきたから」
一瞬彼が何を言ったか理解できず、私は友人たちを見回した。
男太の顔は真っ青だった。たぶん、それ以上に私の顔は真っ青だったに違いなかった。
私は信じられなかった。私たちの付き合いも、彼郎からかなり強引なアタックを受けて始まったもの。
付き合い始めてからも彼郎はやさしかったし、私のことも好きでいてくれていたはずなのに。
もちろん、私もだんだんと彼郎のことを好きになっていって、すごく幸せな時期だった。
私子「嘘・・・。信じられない。なんで彼郎と女美が?」
友絵「確かに女美は高校時代、彼郎のことが好きだったんだよね・・・。あのころはクラスも違ったし
あこがれで終わったみたいだけど、仲良くなって再熱したとか・・・」
友介「でも、彼郎には私子ちゃんがいるのに、なんでやっちゃってんの?! 女美だって、最近は男太に
良い顔してたじゃないか」
友介がかなりヒートアップしはじめ、それと同時に私と男太はかなり落ちていた。
その後の会話で、男太は最近女美に告白し、何回かデートをした。そのたびに女美に言われて高い
プレゼントを買ってあげていたことが判明。
男太は奨学金をもらい、自分で生活費を稼ぎながら大学に来ているのに。
そんな男太の事情を知っているのに高いものを買わせたと聞いて、私たちは愕然とした。
空しい会話が繰り返されていく中、私の電話が鳴った。彼郎からだった。
彼郎「バイトお疲れ様! 今友介たちと飲んでんだろ? 行けなくてごめんな。急な課題が出ちゃって、
明日までにやんなきゃいけないんだよ。まいったなー」
私子「・・・そう。その課題は終わったの?」
彼郎「まだなんだよー。だから、今日は俺んち来んなよ。お前が来たら集中できなくなるから」
私子「そうなんだ」
女美のことを聞こうかと思ったが、友絵が小声で「女美のことは言っちゃだめだよ!」と言ってきたので、
それに従い電話を切った。
私子「なんで言っちゃだめなの?」
友絵「だって、私たちが気づいていることを知られたら、女美に逃げられちゃうじゃない!」
私子「え?」
友絵「今から彼郎の家に行くよ! 友介が車を出してくれるから!」
私や男太は、友絵と友介に引っ張られるような形で友介の軽四に乗り込んだ。私の家から彼郎のアパートまで、
車を使えば5分ほどの距離だ。駐車場に車を止め、皆で忍び足でアパートの階段を上る。
彼郎の家の前まで行くと、彼郎の声に混じり明らかに女性の声・・・
詳しい会話の内容までは聞こえなかったけど、会話の合間にあえぎ声が・・・。
このあたり、いまだに思い出すとはらわたが煮えくり返る。一生のトラウマだ。
合鍵は持っていなかったが、彼郎はいつも外にある洗濯機のポケットにスペアキーを入れていることはみんな
知っていたので、友介がそれを使ってドアを開ける。
部屋は狭いので、すぐに彼郎と女美の姿が見えた。もちろん、真っ最中でした。
二人より先に真っ先に目に付いたのが、以前彼郎と二人でホームセンターへ行き、一緒に選んだシーツの柄。
薄いベージュのチェック柄でした。彼は紺が良いといったんだけど、濃い色のシーツは好みじゃないって言って、
ベージュにしてもらった。私もおそろいのシーツを買って、同じシーツで寝たら、一緒にいないときでも
お互いのことを思い出せるね、って彼郎が言ったんだ・・・。
呆然としていると、友介と男太の怒鳴り声が聞こえてきた。そして、それに混じって彼郎の声。
彼郎「違う! 私子、これは違うんだ!」
ほんと、お約束どおりなリアクションですね。当時修羅場スレを読んでいたら、このセリフを聴いた瞬間
噴出していたかもw
彼郎は、全てを女美のせいにしていた。
彼郎「こいつが誘ってきたんだ。うっとうしかったから、一回やればあきらめもつくかなと思って・・・」
彼郎「信じてくれ私子! 俺にはお前だけなんだ!」
それを聞いて、女美号泣。
女美「うそつき! 私子とはもう別れるって言ってたじゃん!」
女美「私より私子のほうがいいの?! ありえない! 私のほうがかわいいじゃん!」
私はいまだに、何も言うことができなかった。その代わりに、友介と友絵がどうしてこうなったのか聞いてくれた。
もちろん、彼郎と女美の主張は違っていたw
主張を要約するとこんな感じ。
彼郎「女美からずっとアプローチをかけられていたんだけど、俺は私子がいるから断り続けていた。
だけどあまりにもうっとうしいし、私子にも迷惑をかけるし、このままだと6人の友人関係にもひびが入ると思い、
苦汁を飲んで女美と一度だけせくろすすることにした。そうすることによって女美があきらめてくれると思った。
すべては私子のためなんだ!」
女美「確かに私から告ったけど、彼郎は私のことを好きだと言ってくれた。私子とは別れるとも言ってくれた。
二人で私子の悪口を言ったこともある! Hは今日が初めてじゃない。このまま私子と男太を騙し続けて、
高いものを買ってもらうのもいいかもって言ったら彼郎も同意した。女として私子より私のほうが魅力的なんだから、
私子なんかに負けるはずが無い」
もう皆あきれて、ものも言えなかった。私は気がついたら泣いていたらしく、友絵が肩を抱いてくれた。
なんで泣いたかと言うと、悲しいんでも悔しいんでもなく、あまりにも滑稽で泣いたのだと思う。
もう、一瞬で彼郎への思いがストンと抜け落ちて、目の前で裸の男女が口汚くののしり合いながら自己主張をしている
のが、気持ち悪く見え始めた。
男太もそうだったらしく、あんなにいつも熱っぽい目で女美を見ていたのに、今は顔面蒼白で、汚らわしいものを
見ているような視線だった。
もうどっちの主張が正しいのかどうでもよくて、早くこの場から去りたかった。
それは皆同じようで、二人を残して私たちは私の家に戻った。
戻ってから、家にあった酒を総動員して飲んだ。今まであんなに仲良くしていた恋人や友人が、一瞬にして
別のものに変わるなんて、想像だにできなかったことだった。
その後、彼郎はストーカーっぽくなり、私の家の前で何度も待ち伏せされた。深夜ドアを激しく叩かれることも
ざらだった。
女美はいやがらせをしてくるようになった。一番参ったのは、大学にありもしない噂を流されたこと。
誤解が解けるころにはもう卒業の年になっていた。
大学を卒業してから、私は故郷に帰って就職。友介と友絵は一昨年結婚。そのとき二人の話になったが、
誰も彼郎と女美のその後は知らなかった。男太は、今は素直そうな彼女がいて、来年結婚予定。
私だけは蚊帳の外w 彼郎の後、彼氏がずっとできずに困ってるw
以上です。
若いなぁ
乙。
まあ、なんだ、これからいい出会いがあるさ!
夜中にドア叩かれるって、怖すぎる。