Google AdSense
お知らせ*2018年5月1日よりサイトを引っ越しました、今後は「NEOまとめ革命」にまとめ記事を投稿して行きます。

Google AdSense

523: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:47:13 ID:Lkq

数日後、Aさんから動画を打ち合わせ通りアップしたというメールが送られてきた。
正直、人を貶める事に慣れていない俺は激しく動揺した。
せっかく安穏の日々を手に入れた矢先に、あえて再び心がささくれ立つ事をする必要があるのかと自問自答した。
返ってけして消えることのない心の傷を負ってしうような気さえした。

三日後に妹から連絡が入った。
元嫁が血相変えて妹のところに駆け込んできたそうだ。
途方もない損害賠償を課せられることになりそうだから、居所を教えて欲くれないかと、掴みかからんばかりの勢いで言ってきたらしい。
妹は、例え連絡先を知っていたとしても、全てを失った今の兄にそれは何の脅しにもならないだろうと応えたそうだ。
親権まで奪わなければ兄もそこまでしなかったはずだという言葉で、嫁は諦めて帰って行ったらしい。

案の定、一発目の動画はすぐに削除された。
Aさんが直後に二発目の動画を発射しましたとメールを送ってきた。

 

524: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:47:29 ID:Lkq

数週間後、Aさんから連絡が来て、社長夫婦が離婚訴訟沙汰になっていると聞かされた。
会社の経営も思わしくないらしい。
Aさんの調査によると、嫁の会社は増益を見込んで銀行から相当な資金を借り入れ、設備投資をしていたそうだ。
例の動画が知れ渡った事が原因なのかは不明だが、かなり契約社員の足切りが行われている様だと教えてくれた。
ほぼ同時期に妹からも嫁の手紙を預かっていると連絡が来た。
動画を目の当たりにして自分がしてきた事の罪深さを痛感しているということ。
自分が報いを受けるのは当然だということ。
しかし子供たちに罪はないということ。
今、学校で動画が明るみに出て、子供たちが学校に行けないでいるということ。
どうかこれ以上、子供たちを苦しませることは止めて欲しいという内容を妹が口頭で読み上げてくれた。
スッキリしたくて行動したはずが、何故か心は晴れなかった。
きっと人を呪わば 穴二つとはこの事を言うのだろう。

Aさんは動画が削除される度にアカウントを変え、執拗にアップロードを繰り返した。
走り出した以上、もう止めたところで仕方がないと思い、Aさんのするに任せた。
数ヵ月後に妹からまた連絡が入った。
いよいよ会社が倒産するらしいとの事。
小額ながら不渡りを出したらしい。
役員に昇格していた嫁も借り入れの保証人になっているらしく、かなり窮地に立たされていた様だ。
子供は嫁の実家に預けたらしいと教えてくれた。

 

525: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:47:52 ID:Lkq

暫くして社長夫人が物凄く俺に会いたがっていると妹から連絡が来た。
どういう経路で妹の居場所を突き止めたかは不明だが、突然尋ねて来たらしい。
社長が会社の屋上から飛び降りたそうだ。
しかし妹が言うには夫人は怒ってはおらず、むしろ俺のことを戦友だと思っているとの事だった。
そこまで会いたがっているのならと思い、会ってみることにした。

Google AdSense

元夫人は思いのほか元気そうだった。
会うなり彼女は「ザマーミロよね!」と言ってガッツポーズをしながら、実に清々しい笑顔を見せた。
例の映像を見て離婚を決めたらしい。
「本当よくやってくれたわ、有難う!」って言いながら俺の両手を掴んで何度も礼を言われた。
彼女の笑顔を見て少し報われた気がした。
「あの人(社長)は今更人の下に付いて働くなんて、プライドが許さなかったのね」
と彼女はつぶやいた。
そして(死へ)逃げたのよと付け加えた。
その点、元嫁は地方で地味に働いていて偉いと思うと言われ、はじめて元嫁が何処かに働きに出ていることを知った。
地方ショッピングモールの衣料量販店で働いているらしい。
元夫人は悪戯そうな目つきで「行ってみない?」と言った。
「どこに?」と聞くと「決まってるじゃない」と、いかにも楽しそうに笑った。
元夫人は俺の返事を待たずに俺の腕を取ると、そのまま彼女の軽自動車に乗せられた。
元社長夫人とはいえ、慎ましい生活を余儀無くされている状況が車種からも見てとれた。

 

526: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:48:13 ID:Lkq

三時間近く車に乗っていたが、終止元夫人は鼻歌交じりの上機嫌だった。
きっとかなり旦那(社長)には苦しまされてきたんだろうという事が窺い知れた。
車を駐車場につけると元夫人はすかさず俺に腕を絡めてきた。
ドキドキしながらそのまま店に入ったが、店員に嫁の姿は見当たらなかった。
「時間が違うのかな?」と俺が言うと、元夫人が奥を見てという風に顎で試着室の方を指した。
視線だけそっちに送ると、嫁と目が合った。
合った途端に嫁が慌ててばつが悪そうに視線を逸らした。
制服がそれなりに似合っていると思った。
元々スタイルはそこそこ良かったから、歳がいっていてもそれほど違和感はなかった。

元夫人はヨレヨレになった俺のジャンパーの袖を摘まみながら、新しいの買った方が良いわねと意味深な目付きで俺を見た。
そして適当な物を見繕い手に取ると、買ってあげるから試着してみなさいよと俺にそれを手渡した。
俺が躊躇していると、ホラと俺の背中を押した。

俺が近づくと元嫁は怯えた表情を見せ、狼狽えた様に後退りした。
その仕草で彼女がどれだけ精神的ダメージを負ったのかよく分かった。
いざ試着してみると一回り小さく、もう1サイズ大きいものを頼もうとしたら、元嫁が既に用意して待っていた。
そういえば、俺の服は彼女が殆ど買っていたのを思い出した。
嫌味の一言でも言ってやろうと思っていたが、彼女と共に過ごした長い年月を思うとその気持ちも萎えた。
レジで会計をを済ませると、元夫人がわざとらしく再び腕を絡めてきた。
そしてそのまま背中に元嫁の視線を感じながら店を出た。
彼女がどういう表情をしているのか気になったが、最後まで振り返る事は出来なかった。
ショッピングモールを出ると元夫人が「あ~スッキリした~!」と言って天を仰いだ。
空は雲一つ無い晴天だったけど、全然心は晴れなくて
「俺はあんまり」という言葉が自然と口から出た。
元夫人に「人がいいのねぇ」と呆れられた。

 

527: ◆Y9U3ssULxo 2014/11/30(日)18:48:43 ID:Lkq
彼女と別れてから帰りの新幹線の中でよく考えてみた。
冷静に考えてみれは、別に元嫁や子供をあそこまで地獄に落とさなくても、俺は俺で会社なんか辞めずに慰謝料貰って、そこからもう一度再出発してれば良かったんじゃないかって。
相手を貶めても得られるスッキリ感はほんの一瞬、別に自分が浮かばれる訳じゃない。
まぁ、これからは親友に借りた金を少しづつ返済しながら生きていくつもりだ。

転載元

Google AdSense

http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1413653252/#

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう