部屋の窓に1つだけ残っていた。
「意地を張るのはやめなさい」
母の手紙と実家までの飛行機のチケット
弱り目に祟り目。力なく手紙とチケットが手から滑り落ちる。
もうどうしようもないと思った時、
母の手紙が、ビリビリに引き裂かれた
嫁「夫は私の家に来ればいい!!こんなきたないやり方に負けちゃダメだよ!!」
今まで聞いたことがないほどの大声で妻が叫んで、泣き出した
泣きたいのは、俺や。
俺:「てか、無理だ。同棲は出来ん。」
嫁「何でよ!悔しくないの!こんなの…こんなの酷過ぎる!!」
俺「酷いが、同棲はできん!だいたい同棲ってのは好きな人とするもんだ!!」
嫁「好きだもん!!! 問題ないもん!! ずーっとずーっと好きだったんだから!!」
何もない部屋。
友達の目の前で
あの引っ込み思案の嫁が
絶叫告白!?
はぁ?夢だろ?!
この場に居合わせた全員、目が点になっていた
嫁「ウダウダ言わない!いいから来る!A君!車出して!先ずは駅!!」
A「あ…ああ。」
袖口を引っ張られたまま車に乗り込む俺。
駅で切符を払い戻し、そのままUNIQLO。
パジャマを含め衣服を数点購入。
その後、妻アパートへ。
もはや誰も何もいえない雰囲気。
嫁「パジャマはここー、パンツはここー」
楽しそうにしまって行く嫁。
A「おい、あいつ本気だぞ、いいのか?」
俺「いいも何も、今はむかったらヤバイ。Aの家はダメか?」
A「わりい。就職先四国なんだ。」
俺「1月か…。その間だけでも何とか」
A「嫁さ、夫のこと4年間好きだったんだから、わるいようにはしないとおもうぜ」
衝撃の発言
嫁「よしできた!夫、今日からここに住むこと。そしてちゃんと自分のかんがえをお母さんにいう事。自分のこともっとしっかり考えて、夫が出した決断で夫自身が納得した上で決めること!それまでは私の家にいなさい」
諭すように言われた。
ポチからケルベロスにランクアップした瞬間だった。
俺(どうしよう?!流されて変なことに)
俺は混乱してた。
が、かくして同棲が始まった。
みんなが帰って嫁アパートの始めて泊まる。
嫁「修学旅行みたいだね」
俺「お前さ、自分で何言ったかわかってんのか?信じらんね、明日には出てく。」
嫁「素直になりなよー」
俺「俺に大事にしてもらう価値とかねぇから…」
嫁「そんなことないよ。私はいいところ知ってるよー。夫よりたくさん夫のいいとこ知ってるよ。」
俺「…っ。いいかぁ…!!俺はなぁ!!」
あらん限りの自分のダメな所を話した。
親に縛られて成長したこと、結果他人を見下すようになった事、振られたこと、留年したこと、いじめを受けたこと、その反動でグレタこと、でもワルにはなりきれなかったこと、こんな無様な自分が大嫌いなこと…
全部を黙って聞いてた嫁は俺が話しおわったあと
「そんな辛いことがあっても今までいきていてくれたありがとう。今まで辛かったね、もう大丈夫だよ。」
と言って抱きしめてくれた。
俺は泣いた、過去ないほど泣いた。
まだ自分を必要としてくれる世界がある。
俺は生きててもいい
俺が生きていることを望んでいる人がいる
朝起きたら嫁と一緒に寝てた。
二人とも泣きつかれて眠ったみたいだった。
エッチなことはしてなかったので、俺は自分の道徳観を改めて誇りに思った。
それから、俺は自分のやりたいこと、なすべきことを再度考えた。
結論として「妻と対等になりたい。その為に大学を出たい」ということになった。
妻に話すと
妻「良かったね。結論が出て。今日はお祝いだね。」
と言ってくれた。
それから「夫両親激怒襲来事件」「妻両親爆笑襲来事件」「パンツくんくん事件」「妻弟サッカー事件」などを経て、俺は大学5年目に突入した。
学費を稼ぐためにバイトをしたが、新卒1年目の妻が学費を半額負担してくれたり、仕事が忙しい中お弁当を作ってくれたりと内助の功過ぎる位、面倒を見てくれた。
そんな頑張りを見るうちに、俺は妻に心惹かれて行った。
が、告白できずにいた
ひとえに、「一人前になってから告白したい」と思ってたからだ
妻や学長に支えられ、就職も大手に決まり無事に3月6日卒業式を迎えた。
卒業式では妻両親と妻に祝福されてとても幸せでした。
卒業式の日に妻を元俺のアパート(空室)に連れて行き
俺「付き合って下さい。今はダメな俺だけど、ちゃんと幸せにします」
と言った。顔は真っ赤っかだった。
妻「…はい。」
妻は一言そう言って泣いてしまった。
みんな「「「おめでとう!!」」」
告白が終わったタイミングで妻両親とか妻弟、妻いとこ、妻叔父、妻おば、大家さん、A君何かが一斉に部屋になだれ込んできた。
ちょwwwお前ら自重しるwwww
その日は宴会となり、妻とキスやエッチをしたのは次の日だった。
これで最後にしますね。
その後、就職するもブラック大手で辞め無職になったり
無職の間に妻が妊娠したり
かなりいろいろあって、現在に至る。
現在俺は、公務員。
市役所で働いていて
妻は育休中。
5月に息子が産まれて今6ヶ月。
妻が実家に帰っているから静岡まで高速バスの移動中。
俺は今幸せです。
この気持ちを忘れないように、今後とも妻と息子と歩いて行くつもりです。
気団板を見て、それぞれの家庭にそれぞれの愛があることがわかります。
私が妻を愛しているように、同じ気団の人々が奥様を愛していることを願って止みません。
お互いに、辛い時も病める時も愚痴りたいときもあると思います。
そんな時は、ここに来て互いに愚痴り、励ましあいながら妻と寄り添っていければと思います。
長々と長文駄文失礼したいました。