119: : 2012/01/01(日) 01:16:33.75 ID: ID:owUsB8VW0
病院着。
嫁には子どもの心音と、お腹のはりを
見るためのモニターが付けられている。
子どもの心拍数が早い。
通常150位のところ、170オーバー
お腹のはりのグラフも、10分間隔くらいで山になっている。
産科主治医
「先ほど血液検査をしたら、感染
の兆候がでています。
おそらく感染の始まりで赤ちゃんも
苦しがっているんでしょう。
大きい方の子はこれだけのグラム数、
週数ですから、ほぼ問題なく育って
くれるはずです。
小さい方の子は肺が開くことを祈って
もう出してあげましょう。
このままだとお子さん達に本格的な
感染が始まってしまいます。」
そこからはどのような手術をするか、
麻酔のリスクの説明や色々な同意書を書いている間に嫁は帝王切開の準備完了。
嫁には子どもの心音と、お腹のはりを
見るためのモニターが付けられている。
子どもの心拍数が早い。
通常150位のところ、170オーバー
お腹のはりのグラフも、10分間隔くらいで山になっている。
産科主治医
「先ほど血液検査をしたら、感染
の兆候がでています。
おそらく感染の始まりで赤ちゃんも
苦しがっているんでしょう。
大きい方の子はこれだけのグラム数、
週数ですから、ほぼ問題なく育って
くれるはずです。
小さい方の子は肺が開くことを祈って
もう出してあげましょう。
このままだとお子さん達に本格的な
感染が始まってしまいます。」
そこからはどのような手術をするか、
麻酔のリスクの説明や色々な同意書を書いている間に嫁は帝王切開の準備完了。
123: : 2012/01/01(日) 01:24:14.75 ID: ID:owUsB8VW0
あれよあれよという間に嫁は
手術室へ。
ものすごく不安な顔をして。
おれは嫁の手を握るしかできなかった。
手術室の外で待たされる
看護師さんがくる
「あと30分もしないうちに取り出して
すぐにNICUに搬送するのでNICUの入口でお待ちください。
そこで赤ちゃんに少し会えますから」
このあとの30分
気の遠くなるような時間だった
手術室へ。
ものすごく不安な顔をして。
おれは嫁の手を握るしかできなかった。
手術室の外で待たされる
看護師さんがくる
「あと30分もしないうちに取り出して
すぐにNICUに搬送するのでNICUの入口でお待ちください。
そこで赤ちゃんに少し会えますから」
このあとの30分
気の遠くなるような時間だった
127: : 2012/01/01(日) 01:35:57.62 ID: ID:owUsB8VW0
40分ほどして
まずは大きい方の子どもが運ばれてきた
小さい。頭がおれの拳より小さい。
口にはチューブ。
先生が空気を手動で送っている
俺
「大丈夫なんでしょうか?」
医者
「やはり未熟児というだけあり、
ひとりでは産声をあげられず
今は肺に挿管しています。
空気を送ってあげたらひとまず
落ち着きましたので、
すぐに保育器に入れて処置をします
後程お呼びしますのでお待ちください
まずはおめでとうございます」
あんなに苦しそうにしてるのに
なにがおめでとうだと一瞬思った
でも生きている!容態も落ち着いてると
いう言葉を信じて二人目を待つ。
まずは大きい方の子どもが運ばれてきた
小さい。頭がおれの拳より小さい。
口にはチューブ。
先生が空気を手動で送っている
俺
「大丈夫なんでしょうか?」
医者
「やはり未熟児というだけあり、
ひとりでは産声をあげられず
今は肺に挿管しています。
空気を送ってあげたらひとまず
落ち着きましたので、
すぐに保育器に入れて処置をします
後程お呼びしますのでお待ちください
まずはおめでとうございます」
あんなに苦しそうにしてるのに
なにがおめでとうだと一瞬思った
でも生きている!容態も落ち着いてると
いう言葉を信じて二人目を待つ。
129: : 2012/01/01(日) 02:04:01.69 ID: ID:owUsB8VW0
それから更に20分位あと
二人目が来た
肺がどうなっているか
見るからに体色が悪い。 黒い。
もうね、どす黒いの。一人目と違うって
直感的にわかってしまった。
新生児科主治医
「お父さん…
非常に厳しい。恐らく機能的と器質的の中間。
というよりも限りなく器質的に近い
グレーゾーンだ。
ブルブルに耐えられなかった…
肺が破れて気胸になってしまったから、もう肺の下から管刺させてもらって空気を抜いてます。
本来はお父さんの同意が必要だけど、
待ってる余裕がなかった…
今から全身管理するから、後程お呼びします。しばらく待ってて下さい」
何も考えられなかった。
代われるものなら代わってやりたかった。
おれが死んであいつが助かるなら
喜んで命を差し出したと思う。
二人目が来た
肺がどうなっているか
見るからに体色が悪い。 黒い。
もうね、どす黒いの。一人目と違うって
直感的にわかってしまった。
新生児科主治医
「お父さん…
非常に厳しい。恐らく機能的と器質的の中間。
というよりも限りなく器質的に近い
グレーゾーンだ。
ブルブルに耐えられなかった…
肺が破れて気胸になってしまったから、もう肺の下から管刺させてもらって空気を抜いてます。
本来はお父さんの同意が必要だけど、
待ってる余裕がなかった…
今から全身管理するから、後程お呼びします。しばらく待ってて下さい」
何も考えられなかった。
代われるものなら代わってやりたかった。
おれが死んであいつが助かるなら
喜んで命を差し出したと思う。
131: : 2012/01/01(日) 02:11:41.63 ID: ID:owUsB8VW0
ありがと
あと少しがんばる
先に嫁が目を覚ましたからそっちへ
向かう
麻酔の影響でまだ意識がハッキリしない
嫁
「赤ちゃんは?」
俺
「今先生達必死で治療してくれてる。
一緒に祈ろう」
程なくNICUへ呼ばれる
あと少しがんばる
先に嫁が目を覚ましたからそっちへ
向かう
麻酔の影響でまだ意識がハッキリしない
嫁
「赤ちゃんは?」
俺
「今先生達必死で治療してくれてる。
一緒に祈ろう」
程なくNICUへ呼ばれる
134: : 2012/01/01(日) 02:18:48.47 ID: ID:owUsB8VW0
まず先に一人目の所へ
肌の色はいい感じ。
先生もひとまずの危険は無くなったと
言ってくれた。
安定してきたから酸素ではく我々と
同じ空気を送っているとの事。一安心。
続いて一番奥でものものしい機械に
囲まれている小さい子の方へ
肌の色はいい感じ。
先生もひとまずの危険は無くなったと
言ってくれた。
安定してきたから酸素ではく我々と
同じ空気を送っているとの事。一安心。
続いて一番奥でものものしい機械に
囲まれている小さい子の方へ
136: : 2012/01/01(日) 02:31:14.14 ID: ID:owUsB8VW0
やはり肌の色が悪い。
でもね、動いてるんだよ!
手のひらに乗るくらいの小さな体に
管を何本も刺されて…
ギリギリのラインで必死に闘ってんの!
名前決めてあったから、俺も必死で
声を掛ける。
そしたら、目を開けたんだよ!
クリクリしたかわいい目。
主治医
「お父さん…
やはりとても厳しい。
ブルブルと肺を開かせる薬一緒に
入れても開いてくれない…
というより、肺がほとんどないんだ
この子…
ただ1000g越えてるからここを
乗り切れば耐えるかもしれない。
これ以上の治療を継続するかは、
ご両親の判断です。
やれることすべてやるんであれば
あとは循環器系の管理になります。
それでもどうなるか…」
決断の時
でもね、動いてるんだよ!
手のひらに乗るくらいの小さな体に
管を何本も刺されて…
ギリギリのラインで必死に闘ってんの!
名前決めてあったから、俺も必死で
声を掛ける。
そしたら、目を開けたんだよ!
クリクリしたかわいい目。
主治医
「お父さん…
やはりとても厳しい。
ブルブルと肺を開かせる薬一緒に
入れても開いてくれない…
というより、肺がほとんどないんだ
この子…
ただ1000g越えてるからここを
乗り切れば耐えるかもしれない。
これ以上の治療を継続するかは、
ご両親の判断です。
やれることすべてやるんであれば
あとは循環器系の管理になります。
それでもどうなるか…」
決断の時
141: : 2012/01/01(日) 02:38:24.03 ID: ID:owUsB8VW0
ひとまず考えるだけの時間の
延命はできるとの事で
家族控え室で二人分の様々な
同意書や書類の説明を受ける。
そこへ看護師がくる
「お父さん、小さい子、心拍が下がってきました。すぐにNICUへ来れますか!?」
ダッシュで向かう
延命はできるとの事で
家族控え室で二人分の様々な
同意書や書類の説明を受ける。
そこへ看護師がくる
「お父さん、小さい子、心拍が下がってきました。すぐにNICUへ来れますか!?」
ダッシュで向かう