ある休日、午前中に練習をしていると、おっさんが話しかけてきた。
小太りの眼鏡のおっさんだった。
「君は凄いね!空手家かなんか?」
俺はあまりの節穴に呆れた。
そして、キレのある蹴りを木に見舞った。
おっさんは拍手した。
俺は気分が良くなり、何発も見舞った。
いつの間にか仲良くなり、こうなった経緯を話した。
するとおっさんは怒り狂い、
「なんて奴だそいつは!必ず倒してくれよ!」
俺は約束した。
次の週からおっさんも飛び蹴りの練習に付き合ってくれた。
格闘技の本とかを熟読してきたらしく、俺にうんちくを垂れてきた。
その日から俺とおっさんの特訓が始まった。
もともと試験で0点だったのにお前に蹴られたせいだって言ったってこと?それって皮肉なのか?
違う違う
0点とるぐらい俺にはどうでもいい事だったんだよ
だから別に気にしてないって意味でいった。
あいつは俺以上にバカだったから理解出来なかったかな?
それとも皆にも理解出来ん?
土曜日は技術習得とスパーリング練習、ミット打ちとなった。
スパーリング中のおっさんは何気にフットワークが軽く、全然攻撃を与えられなかった。一発も当たらなかったし、何発もパンチを貰った。
まあ、軽くだけど
木に向かって助走つけて飛んで蹴るのか
技術もなにも無いような気がするんだが
木に蹴る事が多かったけど人がいなくて誰も見てない時は
相手が動いてる事も想像してブランコを揺らしてブランコの鎖に向かって蹴ったり、
でも鎖が足に引っかかって転んで痛い思いしたあとはやめた。
てか、その頃におっさん来てから練習方法変わった
なかなかグダグダで、傍からみれば高校生とおっさんがイチャイチャしてるように見えたと思う。
練習が終わればいつもおっさんの家に遊びに行った。
妻子持ちだった。中3の女の子はめっちゃ可愛かった。
この頃から飛び蹴りは実践性がない事に気づき始めた
そろそろ戦う準備が出来てきた頃
自分からは仕掛けないと決めていた
あっちが勝てると思い込んで喧嘩を売ってきてそれをボコボコにしてやったら
どんなにあいつは屈辱的になるだろうか、と思ったからだ。
奴は俺の事を馬鹿にしながらも喧嘩は売ってこなかった。
俺は明らかにマッチョになっていたし、怖くなったのかw
なんて考えていた。
しかし、この頃から事情が変わってきた。
ある自習の時間
いきなり、「テメェいいかげんにしろや!」って怒号が響いた途端、物凄い音がなった。
ヤンキーグループのトップ的な存在の奴がAをボコっていた。
怒号は近くのクラスにも聞こえ、すぐに先生が駆けつけて止められた。
そのヤンキーグループのトップ(B)は一週間ぐらい学校に来なかった。恐らく停学だろう。
そこからAはまた俺をボコる前の状態に戻った。
それだけなら良かったのだが、
最悪な事が起こった
それは、俺はBの彼女にアプローチしているというもの。
俺はまた呆れた。
まあ、そんなのBの彼女が否定するだろうしどうでも良かった。
まず、Bの彼女は誰か知らない。
しかし、Bは休み時間にBの彼女らしき人に確認していた。
「俺に付きまとわれてるってのはホントか?」
「え?俺君とメール?してるよ」
どういうことだ…?
俺は否定しにいった。
思えば女子と話かけたのは中学生以来。
「え?どういうこと?俺メールなんてしてないよ?」
「いやいやw隠さなくて良いからww別に俺君とメールするの嫌じゃないよwwでも、愛してる は正直引いたwwウチにはBがいるのに」
明らかにに隣のBが怒っている。
俺はとりあえずバックステップでかわす。
「絶対違うって!俺してないよ」
「マジで殺すぞオラ!」
聞く耳を持とうとしない。
俺は戦う決心を決めた。
パンチはおっさんに比べて大振りすぎたし、何よりワンパターンだった。
三発目ぐらいで相手の顔面が血だらけになった。
もう一発って所で胸倉を掴まれ、逃げられずもう片方の腕が襲いかかってきた。
俺もやり返したが力ではかなわず、足をかけたが体格差がでかいので転ばない。負けそうになっていた。
でも運良く途中で先生が来てから止められた。
俺は一週間の停学を食らった。
肘打ち軽すぎだろ?どんだけ体重差あんだよw
実際やってみればわかるけど肘は鋭利なんだよ。
だからスパッといける
Bは退学させられそうだったらしいが、土下座して許して貰ったらしい
そこまでするぐらいなら何故喧嘩したんだか。
ちょっと手が疲れてきた
違う違う、軽い、分かる?軽い
体重乗っけて打ったつもりだったけど効いてなかったかな?
ちょっと休ませて
皆の外見スペック
Bは武蔵みたいなタラコ唇身長170後半ぐらい
Aはヒョロいエイリアン
B彼女はブタ鼻だったなぁケツでかい
俺は身長161のチビオタク、今はVIPやりながらニート
おっさんは小太りで、174らしい。メールで聞いた