625:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:00:14 ID: ID:Vsk
B子が学校を休んだ。1週間位来なかった。
しばらくぶりに学校に来たB子は普段以上に暗く、俯き気味だった。
そしてB子が学校に来始めたくらいにある噂が流れた。それは「B子が一人の時に家に不審者が入った」というものだった。
628:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:07:10 ID: ID:Vsk
何か家に悪さをして帰っていったのか…くらいに捉えていた。男子は「不審者ってどんな奴?」「何か盗まれたの??」と面白がって聞いていた。
女子は「先生から鍵は首にかけるなって言われてたじゃん!」と責められていた。(B子は家の鍵をペンダント状にして首にかけてた)
B子は俯いたまま、あまり答えず、その様子を見たA子はすごい剣幕で「面白がらないでよ!そういうこと言わないで!!」とB子を庇い、怒っていた。家に帰っておふくろにこのことを話すと、怖い顔で「絶対そのことでB子をからかってはいけない」と言われた。今思うとこんな話が子供の間で広がるのもおかしな話だと思う。
大人になってからおふくろから聞いたんだが、この件について保護者に向けて学校からの説明が特になかったらしく、
保護者の間で学校への不信感が募っていったし、情報共有もうまくいかなかったらしい。
多分子供にこんな話が漏れたのはそのせいなのではないかと。そして犯人が捕まることがなかったとも。
629:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:27:18 ID: ID:Vsk
俺は最初風邪か何かだと思っていたのだけど、
A子の取り巻きが俯いて席に座っているB子を遠巻きに睨み付けながら何やら話をしていた。曰く、A子が学校に来なくなったのはB子の母が原因だという。
A子が学校に来なくなった前日、A子は他の女子たちと自宅の庭で遊んでいたらしい。
すると通りがかったB子の母が庭に入ってきてA子を詰ったという。
要約すると
「どうして今まで仲良くしてくれてたのにB子を突き放したのか。どうしてB子をA子宅においてくれなかったのか。
もし今までみたいに一緒にいてくれたらあんな事件にB子が遭うことはなかったのに!」と。
そう言われたA子は泣きだしてしまい、B子の母親はそのまま立ち去ったという。
その後、A子は自室に籠ってしまい、他の女子たちも帰らざる負えなくなったらしい。女子たちは「A子ちゃんは何も悪くないのに…」とB子に聞こえるように文句を言い合っていた。
B子は聞こえているのか聞こえていないのか、ただただ、俯いて席に座っていた。
俺は何も言えなかった。
631:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:38:29 ID: ID:Vsk
それは「今週末の授業を最後にB子が両親のお仕事の関係で急遽転校することになった。」というものだった。
朝、朝礼でB子は担任に呼ばれて壇上に上がり、担任の発表の後、皆に一礼した。
これには皆驚いた。あまりにも突然だったから。今考えれば理由はよく分かる。こんな事件があった土地で、こんなに噂が立ってしまって
この先B子が平穏に暮らせるわけはないのだから。この発表のあと、手のひらを返すように皆、B子に優しくなった。
「もっと早く言えよ」「どこに引っ越すんだ?」「新しい住所教えて、手紙出すから」など等。
普段B子をからかったり、嫌味を言ってた男子女子がB子をちやほやしだした。
B子は硬い表情ながらも、久しぶりに笑顔を見せていた。そんなとき、割と発言力の強い女子たちが
「B子ちゃんのお別れ会をやろう!!」と言い始めた。
ちょっと照れながら困惑しているB子をよそに、女子たちはあれこれお別れ会
について盛り上がり始めていた。お菓子を持ち寄ろうとか、皆でお金を出し合ってケーキを買おうとか。
お別れ会はB子が最後に学校に来る土曜日の放課後に行われることになった。
隣のクラスの女子も一部誘われるらしく、男の俺には当然声が掛かることはなかった。
でも、B子が最後に主役になれるみたいで良かったと思っていた。
土曜日、HRでB子は皆に別れの挨拶をした。皆と長い時間過ごせて楽しかったと。
皆もB子に拍手をした。A子はまだ学校を休んでいたけれど…。
俺は帰り際、B子に「じゃあな、お別れ会楽しめよ。」といって去った。
それがB子を見た最後だった。
632:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:40:55 ID: ID:Vsk
A子は地元の私立のお嬢様学校に進み、俺は普通に地元の公立に進んだ。
胸糞悪い話はここから。
635:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:48:22 ID: ID:Vsk
同じ部活で、ゲームや漫画の趣味が近くてよく話すようになった。
実はC子とは小学校も同じだったのだか、一度も同じクラスになることはなく、
当時はほとんど面識はなかった。ある日、何気なく小学校の時の話になって、B子の話が出てきた。
もうこの頃は俺は、あの事件がどんなものか分かってた。
「B子元気かな」「うん、ちょっと気が弱いけど上手くやれてるといいね、あの子」
「でも、最後に女子がお別れ会開いてあげてたんだろ。あいつうれしそうだよな」俺がそういった瞬間、C子は暗い顔をした。そして言った。
「…お別れ会、やってないんだよ」と。
636:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:51:50 ID: ID:Vsk
当時、C子はB子と時々遊ぶ間柄だったが、隣のクラスだったしお別れ会の中心となっている女子たちとあまり仲が良くなく、
お別れ会に誘われることはなかった。
お別れ会が開かれる当日、C子は学校に帰ってから、一人で家でゲームをしていたらしい。
すると、誰かが家の呼び鈴を鳴らした。
扉を開けてみるとそこにいたのはB子だった。
637:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)16:57:16 ID: ID:Vsk
あわてて家に入れて、C子はB子に「お別れ会は?」と聞いた。
当初、女子たちはB子のお別れ会をしようと計画を立てていた。
しかし、誰かが「A子のお見舞いをしたい」と言い出したらしい。
それで「B子のお別れ会とA子のお見舞い」を一緒にしようという話になった。
だが、途中で「A子が学校に来れなくなったのはB子のお母さんが原因だから、B子が行くのはよくないんじゃないか」
と当初の主旨がねじ曲がっていってしまったらしい。
俺は絶句した。何故なら、確かにあの日、近くのスーパーから楽しそうにお菓子をもって出てくる女子たちを見ていたから。
639:名無しさん@おーぷん : 2015/07/27(月)17:06:58 ID: ID:Vsk
あれはB子の為じゃなかったんだ。
B子から事情を聞いたC子とC子母は戸惑いながらも、お菓子を出した。
でもB子は泣くこともなく淡々と事情を話、いつものようにお喋りをしたり、少しゲームをして帰っていったらしい。
別れ際、C子は「なにか欲しいものはないか」と聞いたらしい。
B子は遠慮したらしいが、C子が強く「お別れだから」というと、カービーのゲームソフトを持って行ったらしい。
「…なんかひどくない?だから私××達(当時のA子の取り巻きの女子達)嫌いなの」
以上です。いまだに時々思い出してなんとも言えない気分になる。
なんというか、そこまでする必要ないじゃないか。彼女が何をしたんだろうって。
スレ汚しすみませんでした。