父親が死んだ時に姉が言ったあの言葉
「高校卒業するまでは見守りたいんだけどだめかな?」
つまり、俺が高校卒業したらどうなるのかってこと
就職は決まっていたし、金銭的なことを考えても一人やってくことは可能
ただあの時は強がって俺に縛られなくてもいいなんて言ったけど
今は姉との生活が終わるなんて想像できない
姉に聞いたら姉はきっと「何馬鹿なこといってんの?」って笑ってくれる
姉の態度に変わったところもないし、これからも一緒に生活して行くつもりだった
>>303
覚えてなかったって言ってた
その頃の写真は残ってるけどね
姉の態度に変わったところもない・・・?
俺ってつくづく鈍感だなと
姉の何をみてきたのかと
実は姉は休みの日に『ひとりで』出かけることが増えてたんだよね
俺は考えがまとまらないまま数日間姉とほとんど口を聞かなかった
姉が心配して声を掛けてくれたんだけど生返事ばっかりで
そんな俺の態度にしびれを切らしたのかある晩に俺の部屋に入ってきた
俺は気持ちの整理がつかないまま自分の気持ちをぶつけることにした
「おねーさぁ、彼氏できたの?」
俺が聞くと姉はこう答えた
「んー彼氏ってわけじゃないけど気になってる男の子がいていいかんじかな」
「それって好きな人ができたってことなの?」
俺は間髪入れず聞いた
冷静に振り返るとすごく恥ずかしいんだけど姉に好きな人がいても不思議じゃないよね
独占欲丸出し状態www
姉「好きといえば好きかな、でも相手もなんていうかはっきりしないしよくわかんないw」
俺「・・・あのさ、父さん死んだ時におねーが俺に言った言葉覚えてる?」
姉「・・・なんだっけ?」
俺「おねーが俺と一緒に暮らしてくれるって、高校卒業するまでは見守りたいって」
姉「うん、言ったね 思い出した」
俺「高校卒業したらおねーと俺は別々に生活することになるの?」
姉「しばらくは一緒だよ、だって〇〇くん仕事しはじめてすぐに別の生活なんてできないでしょ」
俺「・・・俺あの時は強がってたけどおねーが見守ってくれるって言ってくれてほんとは嬉しかったんだ」
こんな会話だったと思うけど思い出すだけで恥ずかしいなこれ・・・
しばらく無言が続いた
正直その場から逃げ出したかった
なんだかおねーに見捨てられるんじゃないかって気持ちでいっぱいになっていつの間にか泣いてた
おねーが俺の心を理解したのかわからないけど沈黙を破った
「〇〇くん わたしはあなたのお姉ちゃんになれたことを嬉しく思う」
「お父さんが私を引きとってくれたおかげで今の私があるの」
「私は◯◯くんを見捨てたりはしないから ね?」
高三にもなって泣いてた俺はほんと子供だよなw
俺はその言語を聞いて、その場の勢いというか今まで我慢してきた感情を姉にぶつけた
「俺さ、ずっとおねーのこと好きだった」
姉がどんな顔をしてたかわからないけど「ありがとう、わたしも〇〇くんのこと好きだよ」って言ってくれた
ただその「好き」は恋愛の「好き」ではないことは確かだった
俺は布団の中で朝まで泣いてた
そして翌朝、姉は黙って仕事に出かけて行った
姉が仕事に出かけて行くまでは起きてたんだけど泣きつかれたせいか間にか眠っていた
昼に目が覚めて昨晩のこと思い出してまた泣きそうになった
でも人間不思議なもんで落ち着くとお腹がすくんだよね
台所に行くと食事が用意してあって姉からの伝言が置いてあった
「大切な〇〇くんへ
昨日はびっくりしたけど好きって言ってくれて嬉しかったよ ありがとう
ちゃんとご飯食べてね
おねーより」
俺はおねーの作ってくれたご飯を食べてお腹がいっぱいになったところで決心した
もう一度ちゃんとおねーに告白しよう・・・
俺の気持ちをちゃんと伝えよう・・・
たとえおねーと一緒になれなかったとしても・・・
風呂に入りよそ行きの服に着替えてそして姉の帰りを待った
そして夜
おねーが帰ってきた
彼氏を連れて
姉「〇〇くんただいま」
俺「おかえり、昨日はごめn・・・ん?」
男「〇〇くんこんばんわ」
俺「・・・」
おいおねー!誰だよそいつは!!!
姉「昨日言ってた『友達』の◯?さん」
男「はじめまして、◯?です」
俺「・・・・おねー、ちょっと」
姉「ちょっと何?あっ◯?くんちょっとまっtくぁwせdrfじこlp;」
姉を別の部屋に連れてきて聞いた
「どういうこと?なんで家に連れてきたのさ!」
姉は真面目な顔をして言った
「昨日、◯◯くんの気持ちを知ってこのままではダメだと思った」
「ダメってどういうことだよ?」
俺はまた泣きそうになっていた
姉は俺を諭すようにやさしくこう言った
「わたしも〇〇くんが好きだよ、でもそれはわたしの弟としてだから」
完全に玉砕した
俺は立ち直れないかもしれない・・・
そこへ姉の彼氏が心配そうに顔を出してきた
男「ごめん〇〇くん、少し話しできるかな?」
俺はもうどうでもよくなってた
姉は心配そうに見ていたけど俺にこう言った
「落ち着いて話できる?」
俺はほんと顔面にパンチ食らったくらいの衝撃の中静かに頷いた
彼氏はゆっくり話しかけてきた
「事情はおねーさん(名前でよんでる)から聞いてるよ」
「おねーさんのことがほんとに好きなんだね」
「実はさ・・・僕はおねーさんの『まだ』彼氏じゃないんだ」
そこで姉がびっくりして割って入った
「ちょっと◯×さん・・・話が・・・」
俺は二人が何を話してるのか全く理解できてない
彼氏が姉を制止して俺に話しかける
「実はさ、おねーさんに彼氏の振りして君にあってほしいって言って頼まれた」
「おねーさんは君を心配しててこのままだとダメになっちゃうって思ったって」
なんて説明したらいいかわかんないけど要するに俺が姉に恋愛感情を含めて依存して
自立できないんじゃないかってことが言いたかったみたい
男に彼氏のフリをして俺と話して説得させようとしたわけです ハイ
俺自身はじめは信じられなかった
でも冷静になって話を聞くうちになんとなく納得してしまったw
姉が休みの日に『ひとりで』出かけたのはその男のことが気になってたのはあるが、
俺の気持ちをわかっていてどうしていいかわからないから相談していた
そして昨晩あった出来事で姉はどうしていいかわからなくなって彼氏のフリをして
俺と話して欲しいとお願いした
こういうことだったらしい
男「今日はこれで帰るね、でもおねーさんには彼氏のフリじゃなくてちゃんと付き合って欲しいな」
「あとは二人で話しなよ、じゃあまた」
どさくさにまぎれてなんか言いやがったw
俺はまだ気持ちの整理がつかなかった
二人になってしばらく沈黙が続いたけど姉が先に口を開いた
姉「ごめんね、なんか無茶苦茶なことしちゃったね」
俺「・・・」
姉「◯◯くんはやっぱり弟として大好きだよ」
俺「うん、俺フラレたんだな」
姉「ごめんね」
姉はそう言うと俺を抱きしめてくれた
色々あったけどやっぱり俺は姉が好きなんだなぁって思った
何日間だったかは姉とまともに話もできなかったけど
姉ともう一度ちゃんと話をしようと思った
何がきっかけかわからないけど気持ちがフッと切り替わった瞬間をいまでも憶えている