2月。
ようやく会長と夕食をご一緒する機会が出来た。
「そう!丸く収まったんだな!よくやった!めでたい!」
ハッハッハ、と笑って会長はワインを飲み干した。
私の手元には白桃で割ったシャンパン。
お酒が弱い私のために、白桃を強めに作ってくれたオリジナルシャンパン。
「それで紹介したい人には会ってくれるかな?」
ありがとうございます!
お嫁さんはどうでしょう・・・w
確かに、偽善じゃないか?と私も怖かったです。
最初は裏があるってずっと疑っていました。
今でも、どうしてあんなに自分に良くしてくれたのか解りません。
そんなことがあったんですね(;;)今、>>217さんが平穏に過ごせています様に。
二週間後、会長からチケットが送られてきた。
「会ってくれるかな?」
詳細を尋ねると、どうやら三十代半ばの女の人だということが分かった。
バックパッカーで、四か国語を話すらしい。
「会ってみたいです」
私とは縁遠いタイプの人だ。
きっと、この機会を逃せば二度と知り合えない。
「よしきた!その女性のアドレスと番号はこれね。向こうの了承済みだから。不安ならこれ、スカイプ?のアカウント?だそうだ。」
会長がそわそわしながら手帳を取り出す。一枚のメモに筆ペンでいろいろと書かれている。
会長の表情の変化は目まぐるしくて、見ていて面白い。
歳だとは思えないくらい、彼のペースは勢いがある。
「明日3月の休みを秘書に教えておいてね。チケットを送るから」
「…チケット?ですか?」
「そう。パスポートは持っているね?」
読んでくれて本当にありがとうございます。
行く機会がない割に、パスポートはちゃんと持っていた。
数年前に授業の関係で韓国に行くために作成しておいたものだった。
相手の人はエイミーと言うらしい。
出発までの一ヶ月弱は、通話やチャットを重ねた。
時差があるのでメールのやり取りが一番多かった。
手ぶらでいいよlol、なんてメールもエイミーさんから言われると説得力がある。
エイミーさんはそんな気さくな人だった。
バイトや家庭教師は正直に話して日程を調整してもらった。
A君とおじさまからは「楽しんでおいで」とまるで自分のことのように楽しみにしてくれた。
そして、その日はきた。