「いいか落ち着けよ原田(俺)藤原は2年前にも同じようなパターンで
女酔わせてやったことがあるんだ、ちょっとまずいと思う。取り合えず私は
寮長にマスターキー貰って来るから、他の部屋調べとけ」
ちょっと間が空いて「原田何かある前に彩子ちゃん見つけろよ」
俺は静かにうなずくとちょっと酔っ払ってふらつく足を叩いて
下から順番に部屋を回って行った。
4階建ての寮でしたが、ほとんど入寮者がいないので
2階の半分ぐらいを今日の宿として提供してもらってました
全ての部屋を調べても全然いません
そのとき、雪ちゃんの声が聞こえました
「おらんのか?おかしいな~○○(寮長)さん藤原見なかったよね」
(寮長さんは入り口の部屋で、今日は当番をしていたので誰か出れば気がつくはず)
「ん~おかしいな~裏口は施錠されてるし・・・・」
「・・・・今日まだ帰ってない奴おるでしょ?その部屋何階?」と雪ちゃんが寮長さんに聞きました
「今帰ってないのは3人だけどみんな4階やな」聞くが早いか
俺に向かって鍵を渡し「なんかあったらすぐにいいや」と俺に言いました
そのとき雪ちゃんも寮長さんもひょっとしてと言うのを感じてたんでしょうね
俺一人で4階へと急ぎました
結構重い鍵束を持って、必死に階段登り終えると
さすがに酒が回ってちょっと階段でこけてしまった
打った右腕をさすりながら、取り合えず一人目の部屋のノブを回すと
鍵がかかってなかった「・・・・」俺はここで初めて心の準備を少しして
もしやられてたらどうするかと考えながら、取り合えず握りこぶしを作りながら
部屋へと入って行きました。
部屋の奥で誰かがいる気配がして、俺は身構えそっと扉を開けて
不意打ちで藤原を殴ることを考えていました。
そしてゆっくりと扉を開け部屋の様子を伺った時
俺は愕然とした
思い出したくも無い光景です
彩子は藤原の上にまたがり腰を振っていました
彩子のくぐもった声が聞こえてきました
「先輩、気持ちいいですか?私気持ちいです・・・」こんな感じの言葉が耳に入ってきます
「彩子最高だよ、段々やらしくなってくるね・・・」と藤原が言った
どう見ても恋人、しかも彩子の方が積極的に見えました
ぼ~っとする頭の中で怒りなのか悲しみなのか分からないそんな感じでした
扉をそっと閉めようとしたとき、彩子が絶頂を迎え
藤原にもたれかかるように顔をこちらに向けたとき
俺と彩子の目が合ってしまった・・・
いきなり正気に戻ったかのように立ち上がろうとした時
「何だよ、まだ足りないのか」と笑いながら藤原が言うのが聞こえました
俺はすぐに外に出てふらつく足で一階まで駆け下りようとした
後ろのほうで彩子の声が聞こえたようなきがします
酒をたらふく飲んだ後です
やはり足がもつれて2階ぐらいでこけてしまった。
その時雪ちゃんが下から上がってきた
「おい原田大丈夫か!○○(寮長)水と救急箱持ってきてくれ!おい原田・・・」
と俺に呼びかけていたのを思い出します。
このとき俺はもうどうでもよくなってきてた
寮長と雪ちゃんに支えられ、守衛室に連れて言ってもらった
雪ちゃんに水を貰いながら、酒のお陰もあって感情が高ぶってた俺は
雪ちゃんの前で情けなくも泣いてしまった。
ほんの数分ぐらい後だと思うが、俺にはこのとき長い時間に感じられた
藤原が守衛室に入ってきた
「藤原!」雪ちゃんが藤原を思いっきり引っ叩いた
いきなりのことに藤原も尻餅をついてしまった
そこに追い討ちを掛けるように近くにあったものを手に取り
殴りかかろうとする雪ちゃんを、寮長さんが必死に止めた
「雪!気持ちは分かるが取り合えず落ち着け!」
振り返った雪ちゃんは泣いていた
雪ちゃんは泣きながら
「藤原・・・・お前またこんなことするのかよ・・・彩子ちゃんはどうしたんだよ・・・・
酒に酔わせてやっちゃうなんて最低じゃないか・・・お前原田の気持ち考えたことあるのか?」
ちょっと落ち着いた雪ちゃんは座り込んで藤原に聞いた
「・・・・雪、お前には悪かったと思う。でも今回は違うんだ
・・・いやそういう気がなかったかといえば嘘だが・・」と藤原が言ったところで
彩子が入ってきた。
「龍ちゃん(俺)・・・・・・・・・・・・・大丈夫なの?」俺はさっきの藤原の言葉が
頭の中で回ってた「段々やらしくなってくるね」これは初めてじゃないって事だよね
藤原さんも今回は酔わしてやったわけじゃないって言ってたし
「彩子・・・・何か言いたいことはあるか?」少し強く言った俺を雪ちゃんが心配そうに見てた
「ごめん・・・・お酒飲んで気持ちよくなってつい・・・」雪ちゃんがフォローするように
「原田・・・辛いと思うが彩子ちゃんが悪いんじゃないよ、全部こいつが悪いんだ」と
藤原を指差して言いました