184: 2011/12/17(土) 15:30:08.69 ID:IcNJnKVuO
そんなある日、仕事中に携帯電話が鳴った
発信者は娘だった。何か嫌な予感がした
娘「お父さん!お母さんが手首切ったの!早く病院に来て……」
電話口の向こうから娘が激しく泣きじゃくるのが聞こえた。俺は急いで病院へと向かった
発信者は娘だった。何か嫌な予感がした
娘「お父さん!お母さんが手首切ったの!早く病院に来て……」
電話口の向こうから娘が激しく泣きじゃくるのが聞こえた。俺は急いで病院へと向かった
197: 2011/12/17(土) 15:36:05.31 ID:IcNJnKVuO
妻は無事だった。手首の傷は浅くはないようだったが発見が早かったため大事には至らなかった
ただ精神的に弱っているため少しの入院と退院後の継続的な通院が必要とのことだった
目覚めた妻のもとへ行くと、妻は「ごめんなさい」と繰り返して泣いていた
ただ精神的に弱っているため少しの入院と退院後の継続的な通院が必要とのことだった
目覚めた妻のもとへ行くと、妻は「ごめんなさい」と繰り返して泣いていた
203: 2011/12/17(土) 15:40:03.18 ID:IcNJnKVuO
退院後は常に妻の側にいた。皮肉にもそれは虚仮ではなく本当の夫婦の時間だった
妻は特に奇怪な行動をとったりはせず、家事なども自分でできるようだった
しかし俺は妻の側にいた。それはもちろん医師からの指示でもあったが、そうする必要があると思ったからだ
妻は特に奇怪な行動をとったりはせず、家事なども自分でできるようだった
しかし俺は妻の側にいた。それはもちろん医師からの指示でもあったが、そうする必要があると思ったからだ
212: 2011/12/17(土) 15:45:08.94 ID:IcNJnKVuO
ただ妻は俺に対して素っ気ない態度しかとらなかった
俺と関わるのを嫌がっているようだった。もちろん妻も思うことがあるのだろう
時々見せる、涙をこらえるような表情がたまらなく辛かった
どうしてこんな風になってしまったのか。妻の見えないところで子供のように泣きじゃくった
俺と関わるのを嫌がっているようだった。もちろん妻も思うことがあるのだろう
時々見せる、涙をこらえるような表情がたまらなく辛かった
どうしてこんな風になってしまったのか。妻の見えないところで子供のように泣きじゃくった
218: 2011/12/17(土) 15:50:16.74 ID:IcNJnKVuO
ある日俺は妻と出かけた。結婚前に良く通った大きな公園だ
なんと妻たっての希望だ。2人きりで出掛けるのなんて本当に久しぶりだった
懐かしさに耽りながら、等間隔に木が植えられた道を歩いた
いつの間にか自然と手を繋いでいた
なんと妻たっての希望だ。2人きりで出掛けるのなんて本当に久しぶりだった
懐かしさに耽りながら、等間隔に木が植えられた道を歩いた
いつの間にか自然と手を繋いでいた
220: 2011/12/17(土) 15:56:25.49 ID:IcNJnKVuO
しばらくするとベンチを見つけたので腰掛けた
ちらっと伺うように妻の顔を見ると微笑んでいるようで少し安心した
しばらくすると妻が口を開いた「色々とありがとうね」
その言葉を聞いてひどく息苦しくなった。何か気持ち悪い予感があった
「最後にここに来たかったんだ」
ちらっと伺うように妻の顔を見ると微笑んでいるようで少し安心した
しばらくすると妻が口を開いた「色々とありがとうね」
その言葉を聞いてひどく息苦しくなった。何か気持ち悪い予感があった
「最後にここに来たかったんだ」
227: 2011/12/17(土) 16:01:36.18 ID:IcNJnKVuO
「落ち着いたら出ていくからね。今までずっとごめんね」
俺は驚いて妻の顔を見た。妻は寂しそうな笑顔を浮かべていた
一瞬にして俺の頭には様々な言葉が踊っていた
俺は何を言うべきなんだ。引き止めるべきなのか。これこそ俺が望んでたことじゃないのか。俺は妻をどう思っているんだ
232: 2011/12/17(土) 16:04:41.45 ID:IcNJnKVuO
なぜか俺の心臓は、はちきれそうなほどに高鳴っていた
迷いに迷ったあげく妻に聞いた
「君はこれまでの人生どうだった」
妻は少し驚いているように見えた。おそるおそるといった感じで口を開く
「私は…幸せだったよ。あの子たちの成長も見れたし、あなたの側にいられた。だから幸せだったよ」
ボロボロと妻が泣き出した
迷いに迷ったあげく妻に聞いた
「君はこれまでの人生どうだった」
妻は少し驚いているように見えた。おそるおそるといった感じで口を開く
「私は…幸せだったよ。あの子たちの成長も見れたし、あなたの側にいられた。だから幸せだったよ」
ボロボロと妻が泣き出した
235: 2011/12/17(土) 16:07:37.83 ID:IcNJnKVuO
それを見て俺の中の何かがぶっ壊れた
涙が止まらなかった。いつかのように泣きじゃくった
「なあ妻…俺たち……やり直せないかなあ」
名前を呼ぶのは久しぶりだった
「!!…わたしがあなたを裏切ったのに…わたしがあなたを傷つけたのに!」
妻も叫ぶようにして泣き出していた
俺は妻の肩を強く抱きしめた
246: 2011/12/17(土) 16:13:01.21 ID:IcNJnKVuO
肩を抱いてしゃくりをあげながら俺は続けた
「君がいなかったら僕にはあの子たちを育てられなかった」
「やっぱり今でも君を愛してる。もう一度やり直そう」
二人で抱き合いながらずっと泣いていた
「君がいなかったら僕にはあの子たちを育てられなかった」
「やっぱり今でも君を愛してる。もう一度やり直そう」
二人で抱き合いながらずっと泣いていた
251: 2011/12/17(土) 16:15:56.72 ID:IcNJnKVuO
それから手を繋いで帰って、二人で夕飯を作って一緒のベッドで寝ました
妻から経緯を聞いた娘が「お父さんやるね」とからかってきたりしますが僕は元気です
ご静聴ありがとうございました