274:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:15:55.13 ID: ID:6B/Q6dyG0
ただいま
本当に遅くなってすまない
まだ書きため途中だが、もうすぐ終わりそうなので、
ゆっくり投下してく
276:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:17:06.79 ID: ID:6B/Q6dyG0
俺は意を決して、吉木さんに電話した。
しかし吉木さんは電話には出てくれず、仕方なくメールで告白することになった。返事はこうだった
吉木「今までいっぱい迷惑かけてつらい思いさせてばかりで本当にごめんね。
でも、私が俺くんと付き合うことは、たぶんないと思う」
277:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:17:40.83 ID: ID:6B/Q6dyG0
ああ、そっか、俺が松岡に勝てないんじゃなくて、最初っから俺は土俵に立ててはいいなかったのだと。
勝負になんてなっていなかった、彼女の恋人候補圏内にハナっから入っていなかったのだと。
吉木さんは俺だから付き合えないんだと。
俺みたいなキモヲタがなに勘違いしてあんな高嶺の花に手を出そうとしていたんだろうか。
さすがにここまで言われて、忘れられないほうがおかしい。
今度こそ、吉木さんとは縁を切った。俺からすっぱりと。
279:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:21:21.03 ID: ID:6B/Q6dyG0
菜緒ちゃんはまだ俺のことが好きだったみたいで、
俺も菜緒ちゃんが一番の心のよりどころとなりつつあった。
9月を終えたころには、俺たちはまた恋人関係へと戻っていた。
お互い部活も終わっていたので、ふつうの高校生のように一緒に下校したり、休日にはデートしたり
するようになった。
やがてキス以上のことも多少するような関係になり始めた。古い言い方だけど、ABCでいったらBまで。
菜緒ちゃんは、本気で俺のことを愛してくれていたと思う。
菜緒ちゃんのことは確かに好きだった。本当にいい子で、こんないい彼女が持てて幸せだって何度も思った。
だけど、やっぱり俺は違ったのかもしれない。
心の中のどこかで、ずっとずっと吉木さんの影を追ってて、
学校で吉木さんとすれ違いざまに目が合うと、「ああ、もう気軽に話しかけられないんだな」
なんてズキズキ心が痛んだ。
吉木さんは俺の中で大きくなりすぎていたんだ。
280:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:25:37.74 ID: ID:6B/Q6dyG0
俺はというと10月にAOで受験が終わっていたので、彼女に会えずさみしい想いをつのらせていた。
きっかけは本当に些細なことだった
自分でもバカだなって思う。
ある日、夢を見たんだ。
10年後だか20年後だかわからないけど、俺にも吉木さんにも奥さんと旦那さんがいて。
二人は喫茶店かどこかで再開するんだけど、
吉木さんの姿はやつれててものすごく変わり果てていて、ズタボロだった。
そんで、お互い「今、しあわせ?」って聞きあうんだ。
吉木さんは、死んだ目を無理やり引きつらせて笑顔を作りながら
「とってもしあわせ」って答えるんだ。
281:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:26:27.20 ID: ID:6B/Q6dyG0
たかが夢だろって思うかもしれないけど、その夢をみた翌日
俺はずっと考え続けた。絶対俺は吉木さんに手が届くことはない。
だけど、どうしようもなくもどかしかった。
なんでもいいから、卒業までに、もう一度彼女に想いを告げようと思った。
たとえその時、菜緒ちゃんが俺の彼女だったとしても。
283:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:31:13.33 ID: ID:6B/Q6dyG0
あ、さすがにもう二人ともスマホになってたわw
吉木さんはやっぱり優しくてずるい。
「俺くんと話せないのいつもつらかったんです」
そう言われた。
284:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:31:49.45 ID: ID:6B/Q6dyG0
時間はかからなかった。
来る日も来る日も、俺は吉木さんのオンライン表示を待つようになっていった。
学校がある日も、授業の合間に一日中ラインをし続けた。
さすがに3度目の復縁で、お互いに本当にバカみたいに求めあってたように思う。
菜緒ちゃんの電話よりも、吉木さんの電話を優先して出るようになるころには、
俺の家でゲームして遊ぶような仲になっていた。
俺たちは本気で友達として電話したり遊んだりしていたんだ。
傍から見たらただの浮気だろうけど、他の誰もわからない、ぬるま湯みたいで秘密な関係だった。
287:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:34:31.10 ID: ID:6B/Q6dyG0
俺「ここ出るらしいよ」
吉木「ホントそういうのやめてください!」
俺「うわああ!!でたあ!!」俺氏走る
吉木「ひゃあああ!!待って行かないで!」ギュっ
俺「ご、ごめん・・・冗談だってば」
吉木「俺くんのばかぁ・・・・」
吉木さんに軽く抱きつかれてしまった。
彼女特有の甘い香りが、鼻の奥をかすめた。懐かしい匂いだった。
289:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:38:52.05 ID: ID:6B/Q6dyG0
何度もそう言い聞かせた。
けど、吉木さんが隣にいるだけで、世界はまるで違く見えたんだ。
ただ一緒に道を歩いているだけで、バカみたいに笑いあってるだけで、それだけで楽しかった。
吉木さんの表情、仕草、匂い、声、全部が全部違ったんだ。
他の女の子とは違うって、そう思ってしまった。
ほかの女の子にはこんな感情は抱けないと思った。
290:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:41:30.55 ID: ID:6B/Q6dyG0
もう12月に入っていて、外はすっかり冬の寒さだというのに、
吉木さんはその時とても薄着だった。
辺りはもう真っ暗だった。
バカだったなと、今でも思う。
俺の隣に腰かけている吉木さんは寒さでガチガチに震えていた。
さすがに寒さで震えている女の子を、見過ごすわけにはいかなかった。
俺は、コートを脱いで、二人で密着してくるまった。
吉木さんの抵抗はなかった。
顔と顔の距離はお互いの吐息がかかるほどで、ただとにかく友達だと、これは友達として
やっているんだと
俺は頭の中で何度もそう復唱した。
291:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:45:15.48 ID: ID:6B/Q6dyG0
寒さのせいだったかなぜだかは分からない。
次第に二人は、頭を撫であったり、頬を触りあったりしていた。
吉木さんの頭を撫でたのはこれで何回目だろうか。
彼女の髪は真っ黒でつやつやで、いつもの甘い香りがした。
髪を撫でていた指が耳に触れた時、彼女は「ひゃん」と小さく悲鳴を上げた。
何だろうなと思って、耳を撫でてみると、ビクンビクンと彼女の身体は小さく跳ねて
「耳、ダメです・・・」とか「いじわるぅ・・・」とか
小さく言っていた。
彼女の反応が可愛くて、彼女の初めて見たその表情がまた見たくて、
俺は吉木さんの耳を触ったり、吐息をかけたり、少しなめてみたりした
完全に調子に乗ってた
やがて吉木さんの吐息が熱を帯びてきて、頬が熱く赤くなってきて、「さすがにやりすぎたな」
って思った時に、俺は吉木さんに押し倒された。
292:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:45:50.39 ID: ID:6B/Q6dyG0
吉木「嫌いに・・・・ならないでぇ・・・」
俺「吉木さん・・・?」
吉木「捨てないで・・・」
吉木「お願いだから捨てないで・・・」
こんな感じのことを馬乗りになった吉木さんに言われた。
吉木さんは過呼吸になるほど、おお泣きした。
俺はなんとなく、松岡が吉木さんに何をしてきたか見えた気がした。
295:名も無き被検体774号+ : 2014/02/13(木) 21:50:45.14 ID: ID:6B/Q6dyG0
全部違う、全然違うって。
吉木さんと菜緒ちゃんに対する気持ちはまるで違う。
菜緒ちゃんのことは好きだ。本当に大好きだ。
それはきっと青春の1ページとしての好きで、結婚するような好きではないということ。
俺は今、目の前の女の子を一生かけて守り抜きたいと思っているということ。
この子が、やっぱりほしいと思った。本能的に。
それに俺は気づいてしまった。
そのあと吉木さんは泣き出してしまい、それを何とか慰めてから
ものすごく謝罪されながら二人で駅まで帰った。