じゃあとりあえず小話は後にして続き書きます
自分で振っといてごめんね
先に言っておきますが一応オチはあるけど別に面白くないからね!
ただの思い出話です
俺「あれ…?おっさん…?」
それは突然だった
いつものように昼過ぎに空き地へ行くと
その時間だとだいたい土管から出てきて
何かと用事をしているはずのおっさんが居なかった
まぁ今日は特に暑いしまだ寝てるのかもと
土管の中を覗いてもやっぱり居ない
居ないどころかおっさんの家財道具一式無くなっていたのだ
最初は驚かせるためにどこかに隠れてるのだろうと
ゴミの山を探してみたものの結果は同じ
俺は土管に座り夕方まで途方に暮れた
探すにも探しに行く当てもなかった
おっさんとは空き地以外で会ったことはなかったし
昔からぼっちだった俺は外で遊ぶことなどほとんど無く、
自宅付近と登下校以外には土地勘0だったのだ
俺はひたすら待った
持ってきた飯にも手を付けずに
三角座りをしながらただおっさんを待ち続けた
なぜおっさんは居なくなったのか?
家に帰った?
事故?病気?
それとも俺のことが嫌いになった?
正直、おっさんが死ぬよりも嫌われることのほうがよっぽど怖かった
想像しただけで涙が出そうだった
だけど日頃のぼっちのおかげで泣くのを我慢するのは得意だった俺は
夕日が落ちてもただただおっさんを待ち続けた
そして腕につけていた安物のデジタル時計が7時を表示する頃、おっさんは普通に帰ってきた
俺は思わず駆け寄っておっさんの汚いシャツを掴み勢いよく引っ張った
俺「おっさんのアホ!!どこ行ってたん!?」
おっさん「なんやなんや、心配してくれとったんか?すまんなぁ」
俺「すまんなぁじゃなくて!!何しててん!?」
おっさん「それがなぁ、ちょっと面倒臭いことなってもうたんやわー」
苦笑いするおっさんと俺はとりあえず土管に座ることにした
おっさんの話はこうだった
おっさんは普段、俺を帰した後は朝方の公園で風呂と洗濯物をしてたんだけど
その一部始終見てしまった近所の人が通報して、
公園から帰ろとしたところに警察がやってきたんだそうな
でもおっさんは警察が自分に向かって歩いてくるのをいち早く察知して
事もあろうかその場から猛ダッシュで逃げたのだ
そして寝所を知られては終わりだと
念には念を入れて一日中街をうろついてたらしい
俺「ほんならもういけるん?」
おっさん「いやー…微妙やなぁ」
俺「えっ?逃げれたんやろ?」
おっさん「せやけどこんなちっちゃい町や。ここがバレんのも時間の問題やろなぁ」
俺「嘘やん…どないしよ…」
おっさん「どないしたもんかなぁー」
深刻な俺とは逆におっさんは呑気なもんだった
俺が手をつけずに残していた飯を食いながら、
今日は歩き疲れたわとか言って早々に土管へ潜り寝てしまったのだ
俺は腑に落ちないまま仕方なく家へ帰り、
珍しく家に居た母に何時だと思ってるんだとガミガミ怒られてしまった
次の日まだ不安が残っていたのでいつもより早目に空き地へ行くと
おっさんが下手くそな歌を唄いながらラジオ体操をしていて
すこし安心したのも束の間、
その日の夕方晩飯を一緒に食っていると
明日からバイトをするから昼間は来るなと言われてしまった
俺はまたおっさんが黙ってどこかに行くのではないかと
また不安になったけど夕方なら来ていいと言われたのでそれ以上は深く考えなかった
しかし別れは着実に近付いていたのだった
そして昼間は家で時間を持て余し、夕方に空き地へ行くようになった
相変わらずおっさんはおっさんのままで
飯を食いながらくだらない話ばかりしてた
と思ったらおっさんが唐突に言った
おっさん「明日遊びに行こかー」
あまりに突然過ぎて俺はびっくりしてしまった
と同時に嬉しかった
おっさんと出掛けたことなんてなかったし
何より夏休みの絵日記が真っ白だったから
それが埋まるのが最高に嬉しかった
おっさん「ほんでどこ行きたいねん」
俺「遊園地!」
即答だったと思う
ベタかもしれないけど、休みの日に遊園地へ行ったという同級生の話が
実はすごく羨ましかったのだ
おっさん「そうかーほんなら明日遊園地行こか」
俺「約束やからな!やっぱめんどいとか無しやからな!」
おっさん「どうやろなぁー」
俺「えーっ!!!!」
おっさん「ハイハイ嘘やて」
そんなこんなで翌日、空き地に集合して遊園地へ行くことになった
その日の夜はよく興奮して眠れなかった
学校の遠足なんかじゃこれっぽっちも楽しみじゃなかったのに
おっさんと遊園地へ行くためにリュックサックを用意し、
お小遣で買ったお菓子やらを詰めるのは
それだけでワクワクしたのだった
翌日、朝早く起きた俺は張り切って弁当を作りリュックに入れて
水筒を肩から斜めにかけると浮足立つのを抑えながら空き地へ向かった
いつもの場所でいつもの格好で土管に座るおっさん…
とは少し違っていた
具体的に言うとまず無精髭が綺麗さっぱり無くなってて
髪もボサボサだったのがある程度切って整えられていた
顔も何だかサッパリしてて、まるで風呂に入れた後の野良犬のようだった
まぁ入れたことないから知らんけど
とにかく見違えるようなニュータイプに変貌していたのだ
服以外は
俺「おはよー…あれ?おっさん何か綺麗になってない?」
おっさん「おはよーさん。せやろ?ちょっと格好つけてみたんや。ええやろー」
俺「まぁ汚いよりはいいけど」
おっさん「お前は愛想無いやっちゃなぁ」
俺「服があかんわ」
おっさん「さすがにそこまで手回らんかってん。でもこれかて昨日洗濯したやつやねんで?」
俺「え~…」
実際は別にどうでもよかった
そもそもおっさんが小綺麗にしてくるなんて予想外だし
それはそれでもう慣れてたので周りの目も気にならなかったけど
せっかくここまで綺麗にしたのにと勿体ない気持ちが生まれたのだ
そして俺はまたしても妙案を思いついた
俺「ちょお待ってて!」
空き地からすぐそばにある自宅まで俺は猛ダッシュした
そして家へ入り、母が寝ている横を音を立てないように忍び足で通りタンスを開けた
そして少し悩んだ末に目的の物を持って、また猛ダッシュで空き地へ戻った
おっさん「なんやねん、忘れモンかぁ?」
俺「ちゃうわ!これ取りに行っててん。おっさんサイズ合うかな?」
おっさん「え?何やコレ、こんなデカいサイズの服どないしたんや?」
俺「それおとんのやつやねん。おかんがタンスにずっと仕舞ってたのん思い出してさぁ」
おっさん「はあぁ?返してこんかい。そんなん勝手に持ってくんなアホ」
俺「ええねんって。もう誰も着られへんし、勿体ないやんか」
そうして渡した服はおっさんにはちょっと小さかった
すいません…
睡魔が限界なので少しだけ寝ようと思います
あともうちょっとなんですけど
思い出深いとこなんでちゃんと書きたいなぁと
もしスレが残ってればスレに、落ちてたらまたスレ立てれれば書こうと思います
無言で寝落ちてしまう前に一言お知らせを
付き合っていただいたのにすみません
今起きました!
落ちてると思ってたのでびっくり
保守ありがとうございます
では相変わらず遅いですが
のんびりお付き合いください