で、待ちに待った当日。もう、緊張して暗いうちから目覚めましたよ。
子供かってくらい。新聞すら届いていなかったです。
なぜか母は起きてましたよ。怪しいやつめ。尾行するつもりじゃねーだろーな。
待ち合わせは最寄り駅。ボクは、ひょっとして誰かに見られたら面白い
というか嬉しいというか、そういう妙な下心? みたいなものがありました。
他力本願的に噂になって既成事実化したら――その先の展開が――
とか思ってたんです。厨二病ですね。高二でしたけど。
ですが、映画の内容は全く覚えてません。
なぜならボクの頭の中は、勢いで買った巨大ポップコーンと、巨大コーラの
コンボを如何にして物語の終了までに、やっつけるかに集中していましたので。
>>323
感謝
――
そうして、ボクはミッションを無事完遂できたことに満足しながらシネコンを
後にしたわけです。
彼女は、映画の感動したシーンを楽しそうに話しているんですけど、ボクは
胸やけが酷くてそれどころではなかったのを覚えてます。
映画の内容は覚えてないのに。
>>324
ありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。
――
で、ショッピングモールをウロウロしてると、彼女が小さなアクセサリー
ショップを見つけて、そこに入りたいとか、なったわけです。
カワイイモノがイッパイの店で、お客さんも女子ばかりでしたから非常に
入りづらかったんですが、覚悟を決めて一緒に入ることにしました。
一大決心です。過呼吸になりそうでした。
そういう系の店は初めてだったんですが、印象としてはその光景よりも
とりあえず匂いでしょうか(笑)
なんたって女子がいっぱいですし、コスメっていうんですか、そういうモノも
売ってますし……それらの混じった香りにクラクラしたのを強烈に覚えてます。
寝れないじゃないか…
続けたまえ
>>328, 329
ありがとうございます。
――
実はボク、女性の香りにも弱いんですよ。
家族にも親類縁者にも年配の女性しかいないもんで、若い女性のシャンプーとか
化粧品系の匂いがすると、なんだか興奮してしまって(笑)
立派な変態ですね。
彼女は「これカワイイ!」「これもカワイイ!」と結構楽しんでたようでした。
ボクはドキドキしかしてませんでしたが。
そのうち、ショーケースに入ったモノを見て立ち止まり
ちょっと、はにかむように言うんです……
「これ買って!」
彼女が指をさしている先に何があるのか覗くと……うぉっ指輪だ。
その瞬間、アドレナリンが大量に放出されました。
だから体の痛みどころか、財布の痛みも感じません。完全無痛です。
彼女がどんなつもりだったのかは知りませんが、こうなったら買うしかないでしょう。
もう全力で貢いじゃいますよ。
たとえ財布が空になって徒歩で帰るハメになってもね。
いや、もう徒歩はイヤだな……
買うことになりました。
いくらだったかな? その場で払えたから、せいぜい数千円じゃなかったかと
思います。バイト代は、こういう時に使ってこそですよ。
彼女はスゴく喜んでくれて、店員さんに「今からつけていきますっ!」
と言うと、スッと自分の左手の薬指にそれをはめたんです。
そして一言。
「ありがとう! ずっと大切にするねっ!」
ボクは舞い上がりました……
もう鼻血が出そうなくらい、顔が熱くなるのを感じましたです。
その後は、二人で色んな店を廻ったり、いわゆるスイーツを食べたりして
楽しい時間を過ごしました。楽しかったなぁ~
さてこうなると、ボクとミドリが付き合うようになるかと思いますよね?
それがならなかったんですよ。
いい雰囲気まではいくんですが、最後の一歩が踏み出せない。
一言が言えない……
告白した瞬間にそれまでの関係が、いい方向、悪い方向にかかわらず変わるのが
怖いんですよ。
だから、ずっとこのままの関係が続けばいいな
とか思ってしまうわけでして……逃げですね。
それにブランクの一年間が、ボク(彼女も?)を
必要以上に臆病にしてたのかもしれません。
頑張れー
>>339
頑張ります! って、今のボクじゃないですね。
――
結局、二人には何の進展もないまま、高校二度目の夏休みへと突入します。
>>342
だといいんですけどね。高二でデート2回ですから……容姿は……
――
これで、第三部は終わりです。
書いてて思ったんですが、結構イライラする展開ですよね(笑)
シャキっとせい! と当時の自分に言いたくなりますわ。
実際、この時ボクがシャキっとしなかったせいで、この後
彼女が、とんでもないことになっていくわけです……
気持ちわかる気するわ
>>344
あの頃は楽しかったですよね。夢がありましたよ。
>>345
悪い奴ではないと思いますよ(笑)
>>346
机の人ですかね?
それでは、第四部、投下します。
ちょっと長いかも。