>>590
当時のボクもドキドキで
――
人生初の告白経験……
これまでのモヤモヤとした気持ちがウソのように心の中が透き通って
自分の心の底まで見通せる感じ。
もちろん回答が「ごめんなさい」だったら、それはそれで落ち込むだろうけど
このスッキリした感覚は、残ってくれると思ったし。いや、そう願っただけかも。
ミドリは黙って俯いている。肩が細かく震えているのが分かった。
泣いているのか?
まさか笑っているんではないと思うが?
「△●※□■~~~」
飛び込んできた。泣きながら何か言っている。
(ユーサクのバカ~)と言っているように聞こえた。違うかもしれんが。
怒っているのか、悲しんでいるのかすら判断できない。
店中の注目が集まっているのを感じたけど、そんなことに構ってられる余裕はない。
「ユーサクはズルい……バカ……」
やっぱり怒っているのか?
ダメなら、ひと思いに殺ってくれと思いましたね。
「相談……ユーサクのことだったのに……」
「え”?」
>>596
きましたー
――
そういえば、あまりにも似通った状況だなとは思ってたですが、そんなの冷静に
分析できる状態じゃなかったですから……しまった。早まったか。
「でも、嬉しい」
ミドリが笑顔に変わります。そして……
「返事はもちろん、イエスだよ」
まだ睫毛が涙で濡れてましたけど、それが余計に可愛かったです。
もう修羅場はないよな??
一人・・?
>>598、600、601
ありがとうございます。
>>599、604
1の冒頭で“独り”と
>>602
ナイナイ(笑)
>>603
これから脱ぎます?
――
ボクとミドリは、これで正式に? 付き合うことになりました。
でもその後、彼女にはしょっちゅう、からかわれることになります。
「告白したのは、ユーサクなんだからねー
どーしても私と付き合いたいって言ったから
付き合ってあげたんだからねー(笑)」
何かある度にコレを言われるわけですよ。そう、ずっとね。
以上が、ボクとミドリが付き合うまでの紆余曲折でした。
次は、ちょっと進展した辺りを、短めに書いてみたいと思います。
おまけみたいなもんですが、基本的にデレデレなので、そういう系が
お嫌いな方は避けた方がいいと思います。
そこまでのハッピーエンドを期待してもいいと思うんだ
そこはオレも気になった
今に至るまでミドルとの関係とか聞いてみたい
>>606、607、609
死んだりしませんから、その点はご安心ください。
>>611、612
高校生ですからね(笑)
では、一気にいきます。
―― 第五部 進展 ――
告白から3ヶ月くらい経った頃の話です。
ちゃんと付き合うようになった二人ですが、友達期間が長かった
せいで、どうにも進展がなかったんです。
進みにくかった一因かもしれません。
>>614
ナイスです。
――
なぜなら、彼女は普通にボクの家に来て、ボクの母の作った夕食を一緒に
食べて、深夜までボクの部屋で試験勉強とかしてましたからね。
さすがに母の「ミドリちゃん、お風呂に入っていく?」には慌ててましたけど。
>>617
スポーツ健康体ですからね。
――
さて、そうこうしているうちに学園祭の“やきそば”イベントも終了し
年に一度の大イベント、クリスマスがやってくるわけです。
別にクリスチャンでもなんでもないんですけど。
>>618
これは気楽に見れますよ。
――
実は、学園祭も一緒に廻ってたんですが、何も起きなかったわけでして。
だから、クリスマスこそは関係を進展させるぞ、と心に誓うボクでした。
主よ、不順な心の我を許したまえ。
>>620
母は強しです。
――
「ねー、ユーサク。今年のクリスマスはバイト?」
いつものように並んで帰るミドリが聞いてきます。
「いや、去年はガッツリとシフトに入ったから
今年は勘弁してもらうつもりだし」
「えっ? 去年はシフトって?」
>>622
しばしお待ちを。
――
彼女が不思議そうな顔をして聞くので、ボクは状況を説明しました。
実はクリスマスも、バレンタインも、ホワイトデーもなかったことを。
というか、去年のクリスマスにコイツのDVDの貸し出し手続きをしたのは
ボクなんですけどね。あんなに大量に借りたのに覚えてねーのか?
ボクの説明を、ひと通り聞くと
「そういうことかー、ハハハ」
なんだか嬉しそうに笑います。
「おまえ……人の不幸を笑ってないか?」
「ごめんごめん。そうじゃなくって――」
彼女は慌てて説明します。
これまで家族以外とクリスマスを過ごしたことがなかったこと。
そして今年は初めて家族以外、それも好きな人と一緒に過ごせることが
嬉しいこと。
でも、去年のボクとマネージャーさんの二人のクリスマスを想像すると
ちょっと複雑な気持ちになっていたこと……
ボクは、ミドリでも元カノの存在とか気にするんだなあとか思いましたね。
元カノといってもマネージャーさんとは、あの事故のようなキス以外は
手すら握ってないんですが……いや、あれはノーコンテストだ。
というわけで、クリスマスはテーマパークに行くことになりました。
昼過ぎに待ち合わせをして遅い昼食。クリスマス用の飾りつけや
音楽の鳴る街中を色々と回って、夕方からテーマパークという元気な
10代らしい実にハードな設定。
今なら途中で集中力が切れてしまいますね。確実に。
街中が浮かれた雰囲気なので、こちらも何だか盛り上がります。
陽が落ちる頃からテーマパークです。
寒い冬の日没後にもかかわらず、人でいっぱいです。
わけですよ。
これが真夏だと苦しいかもしれませんが、寒い冬ならではの効果というモノが
ありましてね。
30分も並べばもう抱き合うような感じになりますよ。
その方が暖かいですし、周りがそうですから、ごく自然に。
お勧めです(笑)
体は密着状態で、お互いの腕は相手の背中に腰に、しっかり絡まってます。
ボクも身長が低い方ではないんですが、彼女の背が高いせいでお互いの顔が
スゴク近くなるわけです。
その距離は、もう10cmくらいでしょうか。
周りもそうですから……しつこいって(笑)
そして少しづつ列が動いて薄暗い建物に入ると……遂にやってしまいました。
これぞファーストキスですよ。正真正銘の。
さすがにガッツリとはいきませんが、軽くでも十分でしょう。破壊力抜群です。
もうなんか色んなことが、どーでもよくなって、わーぃわーぃという感じです。
表現力が乏しくバカっぽいですけど、これが正直な感想です。
その後も長い列に並ぶ度にボクの頭の中は「キスだ、キスだ」
しかないわけですからね。
実際その日は、調子に乗って何回キスしたか分からないくらいしましたよ。
テーマパークを後にして、ボクは非常に満足度高く家路につくわけです。
でも、彼女はなぜかずっと黙ってました。ボクの腕に顔を埋めながら……
そして家が見えてきた頃、やっと口を開くわけです。
「今日は楽しかったよ……ユーサク……でも……」
「でも、なに?」
>>636
生やしてください。
>>638
でも?
――
「私達って……今日のことで変わってしまうのかな……」
彼女の不安そうな顔がスゴク可愛かったことを鮮明に覚えています。
あの表情は一生忘れることができないでしょう。脳内アルバムには
今でもしっかりと残っていますからね。
「変わらないよ。ボクはボク、ミドリはミドリ
ボクはミドリが大好き、何か変わった?」
「……そーだよね。でも私は少し変わったよ……
ユーサクのことが、もっと好きになった!」
というが早いか、ボクの首に両手を絡めて本日最後のキス……
ちょっと、いや、かなり激しい。
途中で何度も息継ぎが必要なくらい長かったです。
ボクは、なんだか燃え上がってしまって、力任せにギューっと
抱きしめてしまいました。
「んもっ……ぃたぃ……」
そう言われてハッと我に返り、力を緩めたくらいです。
ミドリは力の抜けたボクの腕からスルリと抜け出して走っていきます。
「ユーサク、今日はありがとう! それから……大好きっ!!」
と大きく手を振ると玄関の中に消えていきました。
その姿を見つめながら、なんとも言えない幸福感でいっぱいなボクでした。
>>643
かわいいでしょ。
――
これでボクとミドリが、めでたく一人前のカップルになった次第です。
次は、現在に繋がる最終章となります。エピローグみたいなもんです。