16:名無しさん@おーぷん : 2016/01/14(木)09:19:03 ID: ID:RUP
手術は無事に終わったが、祖父は「俺の体に何をした!!」と怒鳴っていた。
手術する前に「それは大変だ。先生俺の中から悪いの取ってくれ」みたいなこと行っていた人が、
麻酔から覚めると同時にお腹に違和感を覚えて、そう言うのだから怖い。この時、お腹の中に爆弾を入れられた。きっとあの怪しい奴のしわざだ、と言うようになった。
怪しい奴とは俺のことである。ただ祖父はもっとガリガリに痩せていった。
手術は無事成功とのことで、この痩せは「老化」なのだと言う。
5分怒鳴ったら、その日は疲れきって一日中寝ている状態だ。しょっちゅうイライラしていたので朝から寝込んでいることもあった。
手術する前に「それは大変だ。先生俺の中から悪いの取ってくれ」みたいなこと行っていた人が、
麻酔から覚めると同時にお腹に違和感を覚えて、そう言うのだから怖い。この時、お腹の中に爆弾を入れられた。きっとあの怪しい奴のしわざだ、と言うようになった。
怪しい奴とは俺のことである。ただ祖父はもっとガリガリに痩せていった。
手術は無事成功とのことで、この痩せは「老化」なのだと言う。
5分怒鳴ったら、その日は疲れきって一日中寝ている状態だ。しょっちゅうイライラしていたので朝から寝込んでいることもあった。
18:名無しさん@おーぷん : 2016/01/14(木)09:32:22 ID: ID:RUP
その後の数年は入退院を繰り返す日々だった。
看護師さんを殴ったり、医者と怒鳴り合いを繰り広げ、転院を5回もするハメになった。
行き着いた先の病院は警備員が警棒持って立ち、疲れきった表情の男性看護師さん、
病室の叫び声が廊下に響いている。
医者や看護師さんが力づくで患者を抑えこむ、普通の病院だった。最初こそ、そんな光景に多々ドン引きしたが、ここの先生や看護師さんは本当に人が良かった。
ちなみに看護師さん曰く「精神病棟……よりは……」と多々話を聞いた。
そこでも祖父は速攻BL入りしてしまう可哀想な人だったが、祖母も母も俺も「ここがあの人の最後になるだろうな」と思った。そして、とうとうその日が近づいて来た。
その日、祖父はおとなしかった。
祖母は寝ているだけだと思ったが、部屋の中が妙に鉄臭く祖父の元へ行ったらしい。
すると祖父は鼻血と吐血していたらしい。俺はその叫び声を聞いて飛び起き祖母の元へ向かうと、祖母が一所懸命祖父の名前を呼んでいた。
俺はすぐに119番し、祖父のその後を見守った。
胃と食道の内部の表面が何らかが原因して裂けたとの事だった。
唇を切るが胃と食道で起きたと思ってほしい。
日頃から怒鳴っていたんが災いした……というのも無きにしも非ず、とも言われた
そこから零れ出た血液が気管に詰まっていたそうだ。
幸い肺をキッチリ塞いでいなかったのは幸いだったらしい。祖父はこの日を境に、家に一切帰ってこれない。同時に余命も僅かでしょうと告げられた。
看護師さんを殴ったり、医者と怒鳴り合いを繰り広げ、転院を5回もするハメになった。
行き着いた先の病院は警備員が警棒持って立ち、疲れきった表情の男性看護師さん、
病室の叫び声が廊下に響いている。
医者や看護師さんが力づくで患者を抑えこむ、普通の病院だった。最初こそ、そんな光景に多々ドン引きしたが、ここの先生や看護師さんは本当に人が良かった。
ちなみに看護師さん曰く「精神病棟……よりは……」と多々話を聞いた。
そこでも祖父は速攻BL入りしてしまう可哀想な人だったが、祖母も母も俺も「ここがあの人の最後になるだろうな」と思った。そして、とうとうその日が近づいて来た。
その日、祖父はおとなしかった。
祖母は寝ているだけだと思ったが、部屋の中が妙に鉄臭く祖父の元へ行ったらしい。
すると祖父は鼻血と吐血していたらしい。俺はその叫び声を聞いて飛び起き祖母の元へ向かうと、祖母が一所懸命祖父の名前を呼んでいた。
俺はすぐに119番し、祖父のその後を見守った。
胃と食道の内部の表面が何らかが原因して裂けたとの事だった。
唇を切るが胃と食道で起きたと思ってほしい。
日頃から怒鳴っていたんが災いした……というのも無きにしも非ず、とも言われた
そこから零れ出た血液が気管に詰まっていたそうだ。
幸い肺をキッチリ塞いでいなかったのは幸いだったらしい。祖父はこの日を境に、家に一切帰ってこれない。同時に余命も僅かでしょうと告げられた。
20:名無しさん@おーぷん : 2016/01/14(木)09:41:49 ID: ID:RUP
医者として医学的に考えて余命を告知するには早かったそうだが、
先生の長年の経験から言って……との話だった。
この状態になってしまうと、体にどんな異常が起きてもおかしくないらしい。
また突然死に至るのも普通だとも、やんわりと伝えられた。だが、祖父は俺らの期待を裏切り無事に長生きを継続させてきた。
さすがの先生も「あの時のセリフ恥ずかしすぎる」と言うほど、祖父は元気に怒鳴っていた。
ボケは治らなかったし、うっかりして傷口を開いてしまったりする、早速の大迷惑を披露する祖父。長年付き合ってきたからか、それとも疲れすぎてなのか、または家に祖父が居ないからか。
祖母も母親も俺も「この調子じゃ後五年は生けそうだ。100歳超えるんじゃね?」と思っていた。ちょうど俺の仕事が立て込んでいた時に、血相を変えた祖母の声で急いで病院に行くと、
いつもの奇声が聞こえる病室ではなく、物静かな病室へと案内された。
なんで物静かな病室なのか。理由は簡単で、
この病室に居る人間は、本当の意味でいつ死んでもおかしくない人たちなのだ。
先生の長年の経験から言って……との話だった。
この状態になってしまうと、体にどんな異常が起きてもおかしくないらしい。
また突然死に至るのも普通だとも、やんわりと伝えられた。だが、祖父は俺らの期待を裏切り無事に長生きを継続させてきた。
さすがの先生も「あの時のセリフ恥ずかしすぎる」と言うほど、祖父は元気に怒鳴っていた。
ボケは治らなかったし、うっかりして傷口を開いてしまったりする、早速の大迷惑を披露する祖父。長年付き合ってきたからか、それとも疲れすぎてなのか、または家に祖父が居ないからか。
祖母も母親も俺も「この調子じゃ後五年は生けそうだ。100歳超えるんじゃね?」と思っていた。ちょうど俺の仕事が立て込んでいた時に、血相を変えた祖母の声で急いで病院に行くと、
いつもの奇声が聞こえる病室ではなく、物静かな病室へと案内された。
なんで物静かな病室なのか。理由は簡単で、
この病室に居る人間は、本当の意味でいつ死んでもおかしくない人たちなのだ。
21:名無しさん@おーぷん : 2016/01/14(木)09:50:06 ID: ID:RUP
「この病室に祖父がいるのか、ふーんっ。とうとう終わりか……」などと思っていたが、
他の患者さんが付き添いの人に手を握られていたり、黙って見守られていたりする光景を、3度ほど見て、
祖父がいるところに近づくにつれ、緊張していった。祖父のおうこの頃には見慣れてた人工呼吸器を装着した姿は、今までの比較にならないほど小さかった。
本当に「あ、この人、もうすぐ死ぬのだな」と子供でも分かるだろうッて言うほど弱々していた。
早朝から大人しかったそうで、警戒はしていたそうだ。
昼過ぎにハッキリと祖父が意識を失っているのが分かったらしい。
病室に居る「ウチのな、父親はな、立派な軍人でな」の三拍子が口癖の婆さんが、異変を看護師に伝えたそうだ。そんなのはどうでもいいと、小さくなった祖父を見つめていた。
何を考えていたんだろう。正直、何かを考えていたのか思い出せない。
早く死ねと思ったような気もするし、昔の祖父との思い出を思い返していたとも思う。……な感じでシンミリとしていた時、祖母の手を祖父が力強く握り返した。
しゃべることもせず、体の動きもそこだけだったが、しっかりと祖母の手を握っていた。
ちょっと張り詰めた空気が和らいだのはよく覚えている。
他の患者さんが付き添いの人に手を握られていたり、黙って見守られていたりする光景を、3度ほど見て、
祖父がいるところに近づくにつれ、緊張していった。祖父のおうこの頃には見慣れてた人工呼吸器を装着した姿は、今までの比較にならないほど小さかった。
本当に「あ、この人、もうすぐ死ぬのだな」と子供でも分かるだろうッて言うほど弱々していた。
早朝から大人しかったそうで、警戒はしていたそうだ。
昼過ぎにハッキリと祖父が意識を失っているのが分かったらしい。
病室に居る「ウチのな、父親はな、立派な軍人でな」の三拍子が口癖の婆さんが、異変を看護師に伝えたそうだ。そんなのはどうでもいいと、小さくなった祖父を見つめていた。
何を考えていたんだろう。正直、何かを考えていたのか思い出せない。
早く死ねと思ったような気もするし、昔の祖父との思い出を思い返していたとも思う。……な感じでシンミリとしていた時、祖母の手を祖父が力強く握り返した。
しゃべることもせず、体の動きもそこだけだったが、しっかりと祖母の手を握っていた。
ちょっと張り詰めた空気が和らいだのはよく覚えている。
22:名無しさん@おーぷん : 2016/01/14(木)09:59:19 ID: ID:RUP
それから一ヶ月後。
祖父は相変わらず寝たきりだった。
祖母は毎日祖父の病室へ通っていた。
あの特別な病室は長くて半年と言う話を聞いたと教えられた。
これは「半年以内に(沈黙)」とのことで、この話はこの病室に来る患者の親族全員に話すことらしい。
要するに「終活やっとけや!家で揉めるなよ!心の準備しておけ!」ってことらしい。ポストに入れられる「お葬式のご案内!」とか言うチラシも冗談で眺めることはなくなっていた。そんなある日、家に電話がかかってきた。
それも深夜だ。母親は「父からか……」と電話を取った光景をよく覚えている。母「はいもしもし、○○です。あ、先生……どうしたんですか?」
アイコンタクトで『向こうの様子がおかしい』と伝えてくる母俺は仕事終わりのビールをゆっくり飲んで溜まっていたドラマを見ていたが、
ちょっとカッコ付けて背広を着たと思う。飲んでいるので運転もできないのに。母「はい?え!?は、はい……?え!?父さん!?ええ!?お父さん!?」
ただ母親の様子が面白いぐらいおかしかった。
ものすごく電話しながら混乱していて、何故かコッチをチラチラ見て、本当に我を忘れている様子だった
祖父は相変わらず寝たきりだった。
祖母は毎日祖父の病室へ通っていた。
あの特別な病室は長くて半年と言う話を聞いたと教えられた。
これは「半年以内に(沈黙)」とのことで、この話はこの病室に来る患者の親族全員に話すことらしい。
要するに「終活やっとけや!家で揉めるなよ!心の準備しておけ!」ってことらしい。ポストに入れられる「お葬式のご案内!」とか言うチラシも冗談で眺めることはなくなっていた。そんなある日、家に電話がかかってきた。
それも深夜だ。母親は「父からか……」と電話を取った光景をよく覚えている。母「はいもしもし、○○です。あ、先生……どうしたんですか?」
アイコンタクトで『向こうの様子がおかしい』と伝えてくる母俺は仕事終わりのビールをゆっくり飲んで溜まっていたドラマを見ていたが、
ちょっとカッコ付けて背広を着たと思う。飲んでいるので運転もできないのに。母「はい?え!?は、はい……?え!?父さん!?ええ!?お父さん!?」
ただ母親の様子が面白いぐらいおかしかった。
ものすごく電話しながら混乱していて、何故かコッチをチラチラ見て、本当に我を忘れている様子だった
23:名無しさん@おーぷん : 2016/01/14(木)10:00:58 ID: ID:RUP
ごめん、10時なので少しお出かけしてくる。
祖母のお使いに付きそうだけだからすぐに帰ってこれると思う。駄文長文でスマヌ……。目が滑って理解できないことをあったら教えてくれ。
話終わったらレス返しします。
祖母のお使いに付きそうだけだからすぐに帰ってこれると思う。駄文長文でスマヌ……。目が滑って理解できないことをあったら教えてくれ。
話終わったらレス返しします。
46:名無しさん@おーぷん : 2016/01/15(金)08:17:28 ID: ID:X3u
すまない。お使いから帰ってきたらご飯食べに行こうとなって、
家をすぐに出て、その次に親戚の家に行き酒を飲んでしまい帰れなかった(車ゆえ
今年明けて1、2日以来の休みだし家を優先した次第。お許しをそして今は、若干二日酔い気味なのでなおやばい……
家をすぐに出て、その次に親戚の家に行き酒を飲んでしまい帰れなかった(車ゆえ
今年明けて1、2日以来の休みだし家を優先した次第。お許しをそして今は、若干二日酔い気味なのでなおやばい……
50:名無しさん@おーぷん : 2016/01/15(金)08:37:08 ID: ID:X3u
俺は不安に思ったので電話を変わろうとするが、
母親はコッチを見て顔をふるふると横に小さく振った。
それにしっかりと受話器を握っていた。何度も「お父さんなの!?」と言っていたのが、その時は不思議でならなかった。
一体電話相手は誰だと言うのか。
それに祖父はまだ死んでいる訳でもないのに幽霊のように驚いていて……、と言う具合に。母は「そう!?いいの!?いいの!?あちょっと!?電話切るよ!?」と大声で言った時、
母の受話器の向こうから「うるさい!はしゃぐんじゃねぇ!」と言う怒鳴り声が漏れてきた。
紛れもなく祖父の声だった。
ただ、そこで一旦電話は切れた。母がコッチを見て言った第一声「お父さんが電話かけてきた」
呆然とし訳もわからないと言った顔で。
母はそんな気抜けた顔のまま「明日、病院いこうね。会社には電話しておいて」と言った。
母は無理にとはとのことだったが、無理でもともお願いする感じであった。そのまま母は考え毎するかのようにトイレへ向かっていった。
俺は疑問が晴れないことにモヤモヤしていると、ちょうど病院からかけ直しがきた。
母親はコッチを見て顔をふるふると横に小さく振った。
それにしっかりと受話器を握っていた。何度も「お父さんなの!?」と言っていたのが、その時は不思議でならなかった。
一体電話相手は誰だと言うのか。
それに祖父はまだ死んでいる訳でもないのに幽霊のように驚いていて……、と言う具合に。母は「そう!?いいの!?いいの!?あちょっと!?電話切るよ!?」と大声で言った時、
母の受話器の向こうから「うるさい!はしゃぐんじゃねぇ!」と言う怒鳴り声が漏れてきた。
紛れもなく祖父の声だった。
ただ、そこで一旦電話は切れた。母がコッチを見て言った第一声「お父さんが電話かけてきた」
呆然とし訳もわからないと言った顔で。
母はそんな気抜けた顔のまま「明日、病院いこうね。会社には電話しておいて」と言った。
母は無理にとはとのことだったが、無理でもともお願いする感じであった。そのまま母は考え毎するかのようにトイレへ向かっていった。
俺は疑問が晴れないことにモヤモヤしていると、ちょうど病院からかけ直しがきた。
51:名無しさん@おーぷん : 2016/01/15(金)08:48:37 ID: ID:X3u
医者「もしもし?祖父さんが電話切っちゃいまして……
また重ねてすみません。祖父さんが大声を出したので咽てしまって……」その謝辞のあと、適当な挨拶から電話は始まった。
俺はまだ「いつものボケの影響か?迷惑かけたんだな」と思っていた。俺は事の経緯を聞くと。
医者は「ああ、お孫さんには伝わってませんでしたか」と言った。医者「祖父さんがですね……、なんと言えば良いのか。とにかく、『意識が戻りまして。』
それどころか『ハッキリしているんです。』それで家に電話しろと言い始めまして。
失礼ですが、最初はボケから混乱しているだけかと思っていました。
ですが、やけにちゃんと喋るもので、お電話を。
体の具合の方は、今まで通り油断ならないのですが、
意識だけはしっかりしていると言えるのではないでしょうか。
今できるのは問診と簡単な確認ぐらいですが、そうだと私は思います……
また重ねてすみません。祖父さんが大声を出したので咽てしまって……」その謝辞のあと、適当な挨拶から電話は始まった。
俺はまだ「いつものボケの影響か?迷惑かけたんだな」と思っていた。俺は事の経緯を聞くと。
医者は「ああ、お孫さんには伝わってませんでしたか」と言った。医者「祖父さんがですね……、なんと言えば良いのか。とにかく、『意識が戻りまして。』
それどころか『ハッキリしているんです。』それで家に電話しろと言い始めまして。
失礼ですが、最初はボケから混乱しているだけかと思っていました。
ですが、やけにちゃんと喋るもので、お電話を。
体の具合の方は、今まで通り油断ならないのですが、
意識だけはしっかりしていると言えるのではないでしょうか。
今できるのは問診と簡単な確認ぐらいですが、そうだと私は思います……
今は横になって静かにしているようお伝えしたのですが、
何も言わず横になり天井を見つめおとなしくしています。
どうやら私たちの言葉もすぐに理解できるようで……。
何を言っているか分からないかもしれませんが、私も詳しくは分かっていません。
経験上で言える事はあるのですが、それとはどうも違う様子で。
とにかく、本人の希望で『明日は来てほしい』とのことです。
今すぐにではなくていいそうです。」
俺も母親と同じポカーンと頭の中が真っ白になったと思う。