分かった。ちょこっとだけ質問に答えるよ
ある夜の事だった
同部屋の奴も布団にはいったしおれもそろそろ寝ようとしてた
布団準備して、ギター磨いてしまって、電気のスイッチ押そうとした
そのときだったんだ
ドアの下から一枚の紙が差し込まれた
次いで走り去る音
紙には簡単に、 死 ね って書いてあった
それもいろんな色で、何回も書かれてた。
複数で書いたのだろうか、字体がばらばらだった。
見慣れた字体もあった
なんていうのかな、あの感覚は。
背筋がさむくなって吐き気がしてきて
でも涙は出ないんだ
限界だった
5分ぐらい紙を見ながら思考が止まった
顔を上げるとギターがあった
昔母に言ったあの言葉が頭ん中で響いた
逃げよう。
決意は揺らがなかった。
まずかばんに下着、上着、学校で使う地図帳、そしてこの紙を入れた
決意の証に。
冬の夜は寒いからジャージとスウェットを何枚も重ね着した
極稀に買い物に行ける時にこっそり貯め続けてきた金をポケットに入れる
総額6000円
食料として供養物のチロルチョコ3個をかばんの奥に入れた
蓮って良いイメージだけどタブーなのか
明蓮って尼さんがいたと記憶してる
先輩にも蓮っていたが 礼 に変わってた
そのとき、送ることのない手紙を思い出した
それをひっぱり出して中を読む
あらためて決意した
父さん、もうすぐ帰るよ。
丁寧にかばんにしまった。
同部屋の奴は俺がごそごそしてたから起きてたはず
でも、なんにも言わなかった
いい意味で。
エナメルバックもだしてきてタンスの服全部入れた
靴はなかったので下駄箱に合ったプーマを借りた
これぐらいは許されてもいいはずだ。
まず敷地内からでることが大変だった
全ての門には警備員がいる。
寮の周りは有刺鉄線が張られているので脱出不可能
というのは表向きの話。
偉大な先人達が脱走のために線の下に掘った穴を俺達は知っていた
ここは大人も知らない、伝統の抜け道なんだ。
外に出てとりあえず南向きに走る。
通学路以外知らないからどこにいるのかも分からなかった。
走って走って、走って逃げた。
だいぶ離れたところで立ち止まる。
このとき多分深夜12時ぐらい。
そして、空を見上げたんだ。
綺麗だった
俺は目が悪く星なんてぼやけてたが、
綺麗だった。
あんなに自由な空は今までも、そしてこれからも絶対に見ることはない
寒くて息は白くなって足は痛いけど、俺ちょっと笑ってた。
そしてまた走り出す
中1の頃の可愛がりと下校ダッシュで鍛えた体で。
スニーカーだったからか足の裏が痛かったがとにかく走った
多分2時間ぐらい走ったんだが、流石に疲れてきた。
寝るとこ探そう。そう思って歩いていると
廃車が積まれてる場所があった
人気もないしここならばれない。
我ながら妙案だった
しかし車内にいるとばれそう、ていうか怒られそう。
何故かそう考えた俺は車体の下に潜った
できれば落とさないでくれ。
ここまできたら最後まで書きたい。
頼む。
続き書く
疲れて眠すぎた俺はすぐ寝た
朝。
薄暗い中はいずり出てきた俺はとりあえず陰で着替えた
んでチョコを食べる。残り二個。
これが朝ご飯。
そしたらうんこしたくなった。
さてどうしようか、悩んだ俺は助手席にしといた
用もすませ歩き出す
どこかは分からんが大通りを黙って歩いた
時々地図帳を広げるがまったく分からん。
そりゃそうだ、教科書の地図帳なんて範囲広すぎて役に立たなかった
とりあえず南に向かうことにした。
いつかは海に出るはず。そしたらなんとかなる気がした
悲しい事に俺が寝た場所は駅のすぐ近くだったらしいが
俺は全然気が付かなかった
てゆうか南にも進んでなく若干南東にそれはじめてた
>>287
てめぇどこ行ってやがったんだ!!!
誰の許可を得た?
誰の判断で席を離れた?
話が一通り終わったらたっぷりと可愛がってやるから講堂裏にこいよな!!!
>>295
すまないがその言い方だとあんまり怖くない
ただ一言「おい」って言われて連れ去られてた
どんどんそれて気が付いたら山ん中の道をひたすら歩いてた
一応車が通るのでどっかに繋がってるはずだと思い
ただただ歩いた。
山を越えるとちっさい町があってそこを過ぎて
トンネルを抜けて川沿いを歩いて
大きい川にまでたどりつけた
遠くに海が見え、ちょっと嬉しかった
が。
急に横に車が止まったんだ
開いたドアから出てきたのは、家庭教師の先生だった
イメージは、そうだな、女でマツコデラックスに似てる先生な。
やっと見つけた!って言われて
何があったかは訊かないけどとりあえず車に乗りなさい。
マツコが降りて俺の腕をつかんだ
ものすごい握力でつかまれた
と、ここで思い出す。
ゲームもテレビもマンガもなかったあの寺で
本だけが唯一の情報源だった。
そこで読んだ本、 護 身 術 。
どうもつかまれた腕を相手の指先のほうにむけてえぐるように力を入れると
簡単に抜けられるらしい
ぬけれた。
マツコも意外だったそうで出遅れた
持ってたエナメルバックを捨てて走った。
車でこれないよう川沿いから路地裏に降りて逃げまくった
どうりで、山梨じゃなく静岡な訳だ
>>307
日蓮宗と日蓮正宗は別の宗教
そろそろパソコンが使えなくなるのでスマホから書き込みます
書き込めてる?
OK
支援
くそ、スマホ難しい
どうやらマツコはまいたようだ
しかし着替えを大幅に失ってしまった。
おまけに無駄な体力を使ってしまって腹がへった
チョコはカバンにいれといて正解だった。
食べた。残り二個。
それから警戒して路地裏を歩いた
気がついたら夕方になっていた
トボトボ歩いてさびれた商店街に着いた
地図を広げても全然分かんない
とりあえず近くのペンキ屋に聞いてみた
静岡駅を聞いたんだがものすごい遠いらしい
変な目で見られるので近くの駅だけ聞いた
そしたらなんと
マツコがいたんだ
駅にはいる時は気がつかなかった
どうやらトイレに潜んでいたみたいで気がついたら後ろにたってた
今みんな後ろにマツコが急に現れたと想像してくれ
あら蓮ちゃんこんにちは。
そういうマツコ
もう怖くて無言で走って逃げた
何故かマツコは追って来なくて楽に逃げれた
そこから30分ぐらい逃げただろうか
空腹と見知らぬ土地でさ迷うのはほんとに怖かった
とりあえず今日の寝床を探しはじめた
なかなか見つからず歩きながらふとおもった
なぜマツコは追ってこない?
俺が逃げる際のあの勝ち誇った顔はなんだったんだ
その答えはすぐに出た
すれ違う黒のワゴン車
俺は見たんだ
ワゴンの窓越しにHがこっちを見てた
見間違いかと思った
黒のワゴンは通りすぎて角を曲がった
しかしあのトランスポーター顔は絶対にH だ
とりあえず道を変えて路地裏に入った
もう走る体力も気力もなかった
しかしH は俺を逃がしてなかった
俺はまんまと罠にかかった
影からH が飛び出してきた
完全に不意をつかれて動けなかった
マツコは所詮女だった
トランスポーターの力にはかなわなかった
引きずり回されて車に乗せられかけた
俺の抵抗は全然きいてなかった
諦めかけた時、パトカーの音が聞こえた
どうやら引きずり回されてるのを見た近所の人が通報したらしい
パトカー三台に囲まれたときH は手を離した
余談だが通報内容は
「中学生がヤクザに殴られてる」
だって。
これは笑った
パトカーに乗せられ優しい顔したおっちゃんが話を聞いてくれた
しかし経験上初対面笑顔の人は信用してないので話すことはなかった
かろうじて言えたのは寺で先輩がきつかっただけだった
まぁ結局何もなく警察は帰り俺は黒ワゴンに乗った
ほんとケータイで2chは難しい
H は何も聞いてこなかった
俺もずっと窓の外見てた
なんか悔しくて悔しくて
富士山見ながら静かに泣いた
こうして俺の脱走事件は終わる
が、ここからさらにきつくなるんだ
寺に着いて俺は隔離された
皮肉にもそれは最初に円を組んだあの部屋だった
そして母と姉がきた
ビックリしたが、話を聞くとどうやら俺は一時帰宅するらしい
これはチャンスか