243: 219 2001/08/21(火) 22:34
1週間の間、私は気が気ではありませんでした。
もう私が嫌になったのか・・・。
でも、それならそれで、きちんと意思表示をしてほしかった。
何も手につかず、それまで吸ったことのないタバコまで
吸いました。
食事はのどを通らず、ただただぼーっと過ごしていました。しかし1週間ほど経った頃、思わぬ進展が。知らない番号から携帯に電話がありました。
出てみると、見知らぬ女性の声。
「○○(私の名前)さんの携帯電話ですね?」
同じ年代くらいの女性のようでした。「そうですが?」
不審に思いながら私が答えると、電話の相手は
落ち着き払ったように次の質問をしました。
「○○さん(私の彼氏の名前)を知っていますね?」
もう私が嫌になったのか・・・。
でも、それならそれで、きちんと意思表示をしてほしかった。
何も手につかず、それまで吸ったことのないタバコまで
吸いました。
食事はのどを通らず、ただただぼーっと過ごしていました。しかし1週間ほど経った頃、思わぬ進展が。知らない番号から携帯に電話がありました。
出てみると、見知らぬ女性の声。
「○○(私の名前)さんの携帯電話ですね?」
同じ年代くらいの女性のようでした。「そうですが?」
不審に思いながら私が答えると、電話の相手は
落ち着き払ったように次の質問をしました。
「○○さん(私の彼氏の名前)を知っていますね?」
250: 219 2001/08/21(火) 22:47
私はしばらく何も言いませんでした。
いえ、言えませんでした。(何か、嫌なことが起ころうとしている・・・)もちろんその予感は的中です。
その女性は、自分は彼の婚約者だ、と言いました。
(仮に名前を貴子さんとしておきます)
そして、彼が私と付き合っているのも知っている、と
言いました。
ただ、何も知らないあなたがかわいそうだから電話を
した、と言うのです。今はこう冷静に文章を書いていますが、その時の私は
本当にパニックになってしまい、何が何だかわかりませんでした。
貴子さんが話していることが、どこか遠い異国の話の
ように聞こえました。
頭の後ろの部分が、氷でも押しつけられたかのように
キーンと冷えていくのがわかりました。
いえ、言えませんでした。(何か、嫌なことが起ころうとしている・・・)もちろんその予感は的中です。
その女性は、自分は彼の婚約者だ、と言いました。
(仮に名前を貴子さんとしておきます)
そして、彼が私と付き合っているのも知っている、と
言いました。
ただ、何も知らないあなたがかわいそうだから電話を
した、と言うのです。今はこう冷静に文章を書いていますが、その時の私は
本当にパニックになってしまい、何が何だかわかりませんでした。
貴子さんが話していることが、どこか遠い異国の話の
ように聞こえました。
頭の後ろの部分が、氷でも押しつけられたかのように
キーンと冷えていくのがわかりました。
262: 219 2001/08/21(火) 22:58
貴子さんは一度会って話したい、と言いました。
私は何か何だかよくわからないまま、貴子さんの
言いなりになっていました。
彼女とは、その次の日の夕方会うことになりました。”浮気、裏切り、二股・・・”色々な言葉が頭を駆け巡りました。
もともと恋愛経験がそれほどあったわけでもなく、そういった
ことは自分とは別世界の出来事だと思っていました。
それが、今自分の身に降りかかろうとしている。貴子さんとの電話を切った後、私はおかしくなるくらい
彼の携帯の番号を押しつづけました。
しかし、相変わらず彼の携帯はつながりません。
ずっとリダイヤルを押しつづけていたような気がします。
ちょっと私の精神状態もおかしくなっていたのでしょう。まるで交通事故にでもあったような、ぼんやりとした
気持ちで私は次の日を迎えました。
私は何か何だかよくわからないまま、貴子さんの
言いなりになっていました。
彼女とは、その次の日の夕方会うことになりました。”浮気、裏切り、二股・・・”色々な言葉が頭を駆け巡りました。
もともと恋愛経験がそれほどあったわけでもなく、そういった
ことは自分とは別世界の出来事だと思っていました。
それが、今自分の身に降りかかろうとしている。貴子さんとの電話を切った後、私はおかしくなるくらい
彼の携帯の番号を押しつづけました。
しかし、相変わらず彼の携帯はつながりません。
ずっとリダイヤルを押しつづけていたような気がします。
ちょっと私の精神状態もおかしくなっていたのでしょう。まるで交通事故にでもあったような、ぼんやりとした
気持ちで私は次の日を迎えました。
259: 恋人は名無しさん 2001/08/21(火) 22:56
むう・・貴子か。
常盤貴子を想像しておけばいいのか?
常盤貴子を想像しておけばいいのか?
263: 219 2001/08/21(火) 22:59
267: 219 2001/08/21(火) 23:07
私は、貴子さんと約束したファミレスへと向かいました。
約束時間よりはだいぶ早めに着きました。
わざとです。
何となく、自分で相手を見つけるよりは、相手に
見つけて欲しい、と思ったのです。約束の時間を5分ほど過ぎた頃でしょうか、
私の前に、一人の女性が座りました。
髪は長く、落ちついていて、清楚な感じのする女性でした。
私よりは、だいぶ年上に見えます。「○○さんでしょう。彼から写真を見せてもらって知ってるわ。
とってもきれいな人ね」そう言って、彼女はにっこりと微笑みました。
そう、ほんとににっこりと。
その表情だけ見ていたら、彼の二股の相手であることすら
忘れてしまいそうでした。
約束時間よりはだいぶ早めに着きました。
わざとです。
何となく、自分で相手を見つけるよりは、相手に
見つけて欲しい、と思ったのです。約束の時間を5分ほど過ぎた頃でしょうか、
私の前に、一人の女性が座りました。
髪は長く、落ちついていて、清楚な感じのする女性でした。
私よりは、だいぶ年上に見えます。「○○さんでしょう。彼から写真を見せてもらって知ってるわ。
とってもきれいな人ね」そう言って、彼女はにっこりと微笑みました。
そう、ほんとににっこりと。
その表情だけ見ていたら、彼の二股の相手であることすら
忘れてしまいそうでした。
273: 219 2001/08/21(火) 23:11
なぜ、私の携帯の番号を彼女が知っているのか。
なぜ、私の写真を彼女が知っているのか。私にはわからないことだらけでした。貴子さんにはたくさん聞きたいことがあったのに、興奮して
しまって全くうまくしゃべれませんでした。
そのかわりに、彼女がゆっくりと話し始めました。
なぜ、私の写真を彼女が知っているのか。私にはわからないことだらけでした。貴子さんにはたくさん聞きたいことがあったのに、興奮して
しまって全くうまくしゃべれませんでした。
そのかわりに、彼女がゆっくりと話し始めました。
285: 219 2001/08/21(火) 23:18
彼女は、彼と同じ職場の同僚ということでした。
電話の印象では同年代という印象を受けましたが、どうやら
彼よりも年上のようでした。付き合い始めたのは、彼が彼女の部署へと異動してきてからで、
この冬で(その頃はちょうどクリスマス前でした)2年になる
ということでした。そして、その付き合っている間に、彼は他の女の子とも
付き合ったことがある。
それでも、貴子さんはそれを許している。「あなたで2回目なのよ」
「前も同じことがあったのよ」
「でも、彼は私のところに戻ってくるの」
「なぜなら、私は彼と結婚するから」淡々とそれらのことを話す貴子さんを、私はそのとき怖いと
思いました。
終始笑顔なのです。
電話の印象では同年代という印象を受けましたが、どうやら
彼よりも年上のようでした。付き合い始めたのは、彼が彼女の部署へと異動してきてからで、
この冬で(その頃はちょうどクリスマス前でした)2年になる
ということでした。そして、その付き合っている間に、彼は他の女の子とも
付き合ったことがある。
それでも、貴子さんはそれを許している。「あなたで2回目なのよ」
「前も同じことがあったのよ」
「でも、彼は私のところに戻ってくるの」
「なぜなら、私は彼と結婚するから」淡々とそれらのことを話す貴子さんを、私はそのとき怖いと
思いました。
終始笑顔なのです。
302: 219 2001/08/21(火) 23:29
私と付き合い出したのも、貴子さんはすぐに気付いたそうです。
(それはそうです、私と彼はしょっちゅう会っていましたから)「でも、ほら、あなたとのは遊びだから」彼は、私とのことを全て貴子さんに話していたようでした。
写真も見せたようです。
携帯の番号は、彼の携帯を見て、知ったとのことでした。私は、何て言っていいのかわかりませんでした。
確かに、私はだまされていたのかもしれない。
でも、初めて会った女性に様々なことを聞かされ、
自分が信じていた人との恋愛を遊びだと言われ、
本当に違う国に来てしまったんじゃないか?と思いました。
何だか、彼と貴子さんの関係は、私の理解のキャパシティーを
超えているようでした。「あなたは何の為に、私に会って、こんなことを話すんですか?」
「だってあなた、知らなかったんでしょ?かわいそうじゃない」
(それはそうです、私と彼はしょっちゅう会っていましたから)「でも、ほら、あなたとのは遊びだから」彼は、私とのことを全て貴子さんに話していたようでした。
写真も見せたようです。
携帯の番号は、彼の携帯を見て、知ったとのことでした。私は、何て言っていいのかわかりませんでした。
確かに、私はだまされていたのかもしれない。
でも、初めて会った女性に様々なことを聞かされ、
自分が信じていた人との恋愛を遊びだと言われ、
本当に違う国に来てしまったんじゃないか?と思いました。
何だか、彼と貴子さんの関係は、私の理解のキャパシティーを
超えているようでした。「あなたは何の為に、私に会って、こんなことを話すんですか?」
「だってあなた、知らなかったんでしょ?かわいそうじゃない」
315: 219 2001/08/21(火) 23:40
私には、何が何だかわかりませんでした。
しかし、彼が会社の近くまで来たことをあんなに嫌がったのも
貴子さんに私の姿を見られたくないことが原因だったの
かもしれない。そう思うと、私は何も言い返せませんでした。「彼と話がしたいんですけど・・・」
私の口をやっとついて出た言葉はそれでした。
「最後になってもいいから、彼と話がしたいんです。
彼にそう伝えてくれませんか?」もし貴子さんの話していることが事実だとしたら、彼は私を
騙していたことになる。
それでも、私は彼と話がしたかったのです。
もしそれが事実だとしても、彼を好きだったのです。
しかし、彼が会社の近くまで来たことをあんなに嫌がったのも
貴子さんに私の姿を見られたくないことが原因だったの
かもしれない。そう思うと、私は何も言い返せませんでした。「彼と話がしたいんですけど・・・」
私の口をやっとついて出た言葉はそれでした。
「最後になってもいいから、彼と話がしたいんです。
彼にそう伝えてくれませんか?」もし貴子さんの話していることが事実だとしたら、彼は私を
騙していたことになる。
それでも、私は彼と話がしたかったのです。
もしそれが事実だとしても、彼を好きだったのです。
335: 219 2001/08/21(火) 23:49
貴子さんは、彼に伝えておく、と言いました。私はそのままファミレスを出て、家へと帰りました。
自分の分のコーヒー代を払ったかどうかさえ覚えていません。家に戻り、慣れ親しんだ自分の部屋へ入ると、
数時間前に起こったことは夢のように思えました。でも、夢ではありませんでした。
その日の夜遅く、真夜中近くに彼から電話があったのです。
自分の分のコーヒー代を払ったかどうかさえ覚えていません。家に戻り、慣れ親しんだ自分の部屋へ入ると、
数時間前に起こったことは夢のように思えました。でも、夢ではありませんでした。
その日の夜遅く、真夜中近くに彼から電話があったのです。