タクシーに自分の金で乗るなんていつ以来だろう?
タクシーから降りた俺は、どこにでもあるような、ごく普通の5階建てのマンションを見上げた。
ここに、彼女が住んでるんだ。俺が来てもいいってことは、
つまり、一人で住んでるんだ。
エントランスに入って、彼女の部屋番号を押す。
「はい。」
以外に明るいかよさんの声がして、ドアが開いた。
俺は、かよさんの部屋に向かった。
部屋着って感じの服を来たかよさんが立っていた。
かよ「ごめんなさい。」
何故、謝るの、かよさん?
俺は部屋に招き入れられた。
廊下のようなところに、キッチンがついてる、
ワンルームマンションでベッドが置いてあると、もう部屋に居住空間がない。
ちゃぶ台みたいな机の前に俺は座った。
かよさんがコーヒーを入れてくれた。
そして、俺は我に返ったwww
(え~?女の子の部屋じゃん!)
もちろん、俺はこんなシチュエーションは初めてなので、緊張し始めたwww
「側にいたい、側にいてあげなきゃ」って目的を達してしまうと、
異常に手持ち無沙汰になり始めたんだなwww
即座に挙動不審モードに入った俺。
嘘だろ?ディスプレイじゃないし、抱き枕じゃないぜ?
1メートル・・・いや、70センチ先にその女の子がいる・・・。
なんという、現実。なんという違和感。なんという緊張感。
先に手を出したら、やられる!!
つーか、俺は、話を聞きにきたんだったwww
でも、目の前のかよさんは、思ったより明るい・・・。
目に少し、泣き腫らした跡があったけど。
なんか、さっきまでの「話を聞いてあげなきゃ」ってのが、発動しない雰囲気。
しかし、そんな中、男の形跡があるかどうかだけは
チェックしてしまうという悲しい習性www
あと、脱ぎっぱなしの下着とかはなかったなwww
なんだろう、俺もかよさんが落ち着いたのが分かった。
俺が来た意味があったんだ。
無理に話を聞かなくても、彼女は俺が来たことによって、明るくなった!
なんか、今日はそれでいいや、と思った。
小さな達成感と満足感があったし、かよさんが俺を少しは、そう、友人つーか、
客以上の人だとは思ってくれてるんだとも思った。
俺達はそれから、YOUTUBEを見たり、雑談をしたりして過ごした。
もう朝が近いよwww
そのとき、かよさんが、話し始めたんだ。
かよ「このまま起きて始発で帰ります?今日も仕事ですよね?」
職場は9時からだし、俺は職場には私服で行ってるから、
ここから直接向かっても30分くらいだから、8時過ぎにここを出れば十分だ
始発で帰ると、家につくのが6時前、少しせわしないが・・・
かよさんは始発で帰って欲しいのだろうか。
かよ「あの・・・。このままいると、多分、6時くらいに人が来るんです・・・。」
すごく言いにくそうにかよさんが言った・・・。
朝の六時に?それに、言い方からして、来るのは確実に『男』だった・・・。
もう、かよさんの雰囲気で分かってたんだけど、まあそれでも絶対に確かめるのが
男らしくないとこだキリッ。
聞きたくなかったけど、聞いた。
彼女は、こくんとうなづいた。
俺「ふーん。」
完全に俺はレイプ目になっていたwww
俺「どういうこと?」(レイプ目)
かよ「・・・・・。」
非常に言いにくいことなのか。
言いたくないのか・・・。
普段の俺なら、これ以上は他人の事情を聞こうとはしないのだけど、
もう、ここまで来た以上は聞くしかなかった。
俺「本当は来て欲しくない人ってどういうこと?」(レイプ目)
かよ「元彼なんですけど・・・」
元彼・・・!つまり、今の彼ではないということか。
そういえば、かよさんの言ったとおりだとすると、
こんな仕事をしている以上、恋人なんて作れないと言ってたんだよな。
え~、でも朝の六時にっていろいろと分かんないよね。
と言っても、深夜に来て、この部屋にいる俺もわかんないけど。
>>359
いや、レイプ目ってのは、レイプされた後の目のことで、レイプする奴の目じゃないよ。
俺「元彼なんだけど・・・どうしたの?」
かよ「来ないでっていっても来るんです。」
俺「つまり、簡単に言うとストーカー?・・・ぽくなってるってこと?」
仮にもかよさんの元彼をストーカーとは呼べないので
「ストーカーっぽい」と表現する俺www
かよ「週に何回か朝に来るんです。多分、昨日来なかったら、今日は来ると思います。」
いったいどういうことだろう・・・?
かよ「元彼は鍵を持ってるんです・・・。返してくれなくて。だから、マンションに入れるんです。」
俺「でも、チェーンキーがあるよね?ドアのチェーン」
かよ「あけるまでどんどんとドアを叩くんです。いつまでもしつこく・・・。」
俺「・・・・」
かよ「近所迷惑だし、最後は、開けるしかないんです。」
ん~、そして元かれは何をするのかなぁ?
すると、かよさんは、こくんとうなづいた。
俺は唾を飲み込んだ。
ごくんってけっこう大きく鳴ったのを今でも覚えてる。
もう、聞かなくても何が起こってるかは分かりそうなもんだが、
さすが童貞。きっちり聞いてしまうwww
俺「で、元彼は無理やり?」
かよさんはこくんとうなずいた。目からみるみる涙が溢れ始めた。
このときの俺の感情をどう例えようか。
はっきりと、「殺意」だ。
これまでだと、「嫉妬」もあったはずなのに、怒りからくる殺意しか湧かない。
俺がもたれているベッドで、かよさんは、元彼に無理やり・・・つまりレイプされているわけだ。
いきなり、めまいがしたwww
感情表現が上手くないから、受け止められないんだな。
俺は震える声でかよさんにたずねた。
俺「け、警察には?」
かよさんは黙って頭を振った。
彼女も言葉を出せないらしい。
元彼との問題を警察に言うのもいやだろうし、
第一、こういうことは、非常に難しいとネットで見たことがある。
さすが、俺、情強wwwってわろえない。
訴えたりしたら、周囲に知られるだろうし・・・。
流石に親とかには内緒なんじゃないかな、かよさんのこの仕事・・・。
全部ばれる可能性もあるわけだ。
そして、そいつが、あと少しで、この部屋に来る・・・。
かよさんは、嗚咽始めた。
どうすりゃいいんだ・・・。
もちろん、スケベな気持ちなんてこれっぽっちもなかった。
俺の人生で初めて女の子を抱いた瞬間だったんだけど。
しかし、かよさん、背が高いから、
抱きしめたつもりの俺はユーカリの木にしがみつくラッコみたいだったかも知れんwww
つまりは、かよさんの巨体を上手く抱きしめられず、変な格好になった。
しかし、こんなに背が高いのに、肩とか細いのな。女の子って。
鼻をすすりながらかよさんが泣き止んだ。
いや、まだ泣いてるけど、嗚咽じゃなくなった。しゃくりあげなくなった。
俺は、抱きしめていたかよさんを放した。
そして、俺の方をむいて泣きながら、いつものセリフを言った。
かよ「ごめんね・・・。」
追い返してやる。
かよさんは警察には言えない。
もし言うにしても、決心がいるだろうし、すぐじゃない。
しかし、元彼は、今すぐやってくるんだ。
だとしたら、俺しかかよさんを守れないじゃないか。
そして、俺は彼女に質問をした。
俺「も、ももと彼って、どんな人?ケンカ強い???」
ラッコ…?ラッコの貝殻みたいなって事か!!!
ラッコワロタwwww
まぁ、こまけぇこたぁいいんだよ!!
今回のような怒りではないけど、かっとなってなぐりかかったことがあるんだ。
どもり気味で感情をうまく表現できなかったりするとき、言葉で表現できない分、
そのストレスが爆発するんだろう。
子供の頃はどもりをからかわれてよくとっくみあいになった。
問題は、ほとんど勝ったことがないだけだ。
俺「ふーん(レイプ目)」
怒りは収まらないが、恐怖も湧いてきた。
でも、そのとき、
「俺は別にかよさんをおいて帰ることが出来る。そうすれば、元彼と対決せずに済む。それなのに恐怖を感じているということは、俺は対決するつもりなんだ」
そう分かったんだ。
第一、俺がいれば、どういう結果になっても、かよさんには手を出さない確率が上がるだろう。
そこまでけっこう、一瞬で覚悟が決まった。
つまり、「帰れ」ということか。
どうして「助けて」と言わないんだろう・・・。
でも、人って簡単に他人に助けを求められるものではない
ってことを俺だって身に沁みて知ってるはずなのに・・・と思ったけども。
が、そのときは、思わず俺は声を荒げた。
危機的状況に気が高ぶってた。
俺「でも、かよさん、どうして黙ってたの?」
問い詰めるような言い方・・・。
かよさんは、ビクッとして、固まった・・・。
かよ「ご、ごめん・・・。」
俺はかよさんの反応を見て、きつい言い方をしたことを謝った。
俺「ごめん」
かよ「ごめんなさいなさい・・・。」
なんで、こんな場面で二人して謝りあってんだろう・・・。
かよさんは、こくんと頷いた。
なんてこったい。
この娘は、元彼に無理やりやられていることを誰にも相談できずにいたんだ・・・。
東京はこんなに人がいるのに。
彼女はひとりぼっちじゃないか・・・。、
彼女の孤独を思うと、俺は胸がしめつけられた。
彼女をリア充と呼んでいいのか、それとも元リア充なのか、
それは難しいところだが、現実は彼女、ぼっちじゃん。
つらかったろう・・・。つらかったろう・・・。
俺のように二次元嫁もいないし、ネットもあんまやらないみたいだし・・・。
どんどんどん!!!
そんなやりとりをしていると、ドアを叩く音がした。
寝ないとやばいです、ごめんなさい。
続きはまた夜にさせてもらいたいです・・・。
ごめんなさい~。