俺「あの、俺、かよさんに顔向けできないんじゃ・・・。正直言うと、10万も払ってもらって
晋作君には悪いけど、何もしなくていいと思ってたんだよね・・・。」
晋「・・・」
俺「でも、あおいちゃんって娘なんだけど、一所懸命サービスしてくれるし、
それが当たり前っていう空気に逆らえないというか、悪いな~って気持ちもあって」
晋「でも、気持ちも良かったでしょ?」
俺「それは否定できないな・・・。」
晋「でも、それでやっとかよさんと付き合う準備が出来たんと違います?」
俺「え?」
晋「かよさんの性格って分かってはります?」
俺「・・・」
晋「俺さん、恋愛もセックスもないんですよね。」
晋「かよさんが、どれだけ俺さんに引け目を感じてるか本当に分かってました?
今日の、俺さんの何倍くらい、引け目を感じてるか、分かってますの?」
晋「俺は思うとったんですわ。二人がくっついても絶対に長続きせんって」
俺「・・・」
晋「あのね、男女なんて付き合うより、続く方が、何倍も何倍も難しいんですよ?」
俺「・・・」
晋「俺さん、いつか、風俗やってたことで、かよさんのことを責めないって確信ありますか?
真正面から責めんでも、なんらかの形で責めてしまうこともありますよ?」
俺は、あおいちゃんにキスされたときも、かよさんが店でどれだけの男とキスを
したかと思って、へこんだし、あったばかりのときに、嫉妬と言うか、そういう
感情で吐いたことを思い出した。
晋「なんで、なんどもチャンスあったのに、かよさんを抱いてやらなかったんですか?」
俺「まぁ、童貞・・・は言い訳にならないな・・・、自信がなかったからだよ。」
晋「いえ、童貞ってのは、言い訳になりますよ。付き合いのある年配の社長さんに聞くとね、
昔は、そういう初体験をすませるような仕組みが社会にあったんですって。」
俺「へえ、そうなんだ。」
晋「それが俗にいう、『男になる』っていう奴ですわ。」
俺「なるほど。」
晋「あの子はね、恐ろしいほど一途なんですわ。それやのに、自分にまったく自信がなくて、
自分からは全然、よういかん。だから、ガリガリに無理やりされても、あれだけ尽くすんですよ」
俺「・・・・」
晋「あの娘を幸せにするためにはね、純情とか、プラトニックとか違いますんや。
ガリガリが浮気しまくっても、あの娘は、つくしとったんですよ?」
俺「確かにそうだなぁ・・・あんなヤリチンなのに、どうして別れなかったんだろ?
俺は浮気は、もう二度としないけどな。」
晋「風俗が浮気かどうかは別として、俺さんはほんまに浮気せえへん可能性がありますから、
そうすると、かよさんしか知らん男になるでしょ?それはかよさんに負担になるんですよ。」
俺「ええ?どういうこと?」
晋「俺の見たところね、かよさんは、アホっちゅうても、絶対に裏切らない
ホンマにええ女ですわ。でも、それには条件があるんです。」
俺「条件?」
晋「男も女もね、片方づつやったら、ええ男にもええ女にもなられへんのですわ。
俺さんが彼女をええ女にしなあきませんねん。」
俺「うん、それはなんとなく分かる。」
晋「彼女は進む方向を自分で決められませんねん。
下手すると、最悪な道でも尽くすため突っ走る娘ですよ?
だから、俺さんが決めてやらんといけません。
いわゆる「俺について来い!」ですわ。
その俺さんが、「かよさんが・・・かよさんが・・・」では、
絶対に続きません。」
俺「なるほどなぁwww」
晋「あれ?急に笑い出しましたねwww」
俺「つまり、俺が童貞のままかよさんと上手くいくには、
晋作君にどれだけ言われても、っていうか、縁を切っても、
吉原なんかについてこない男だったら良かったんだよね?」
晋「ま、まぁ・・・そう・・・ですね・・・wwwでも、ひどいなwww
つーか、さすが俺さんやな。俺が認めた男のことだけあるわ。」
俺「俺はかよさんを幸せにする、絶対にね。そんで、晋作君は親友だよ。
他には?」
晋「い、いや、もう、ええですわwww」
俺「うん、じゃあ寿司食べに行こう、いつもごちそうさま。この借りも絶対に返すからね。
だから、しばらくは気持ち良く奢られておくよwww」
晋「分かりましたwww」
このとき、やっと晋作君と対等になれたような気がしたんだ。
いや、もちろんまだまだまだまだ敵うわけもないんだけどねwww
晋作君はずっと後に、こんな俺のどこを認めてくれたか語ってくれた。
単なる司馬遼太郎ファンの交流じゃなかったんだよね。
恐ろしい奴だよ。本当に。
そして、最後のエピソードは明日以降です。
最終章「かよさんとのデート」
俺にとって晋作君ってやっぱ目標になってたんですよ。
この出来事を通して。
でも、絶対に敵わないと思ってたのが、
かよさんの為に、彼を切り捨てる・・・って考え方が浮かんだときに、
対等になれた気がしたんです。
それに比べたら、ガリガリやスカウトとの対決で得た成長なんかよりも
もっとすごいものがあったんです。
だから、人生変わったんですwww
「かよさんの為に、彼を切り捨てる」??????
これは後の話なんですが、自分の大切なものを守るために、
自分の敵わないものに挑むってのが、晋作君が俺を認めた一つなんですけども、
それが、場合によっては、晋作君にも挑むことにもなるって言う話をしたんですよ。
やっぱ、あの時点でソープに行くのは不本意でしたから。
でも、まぁ、俺が晋作君の提案に、今後、ノーということはないでしょうね。