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どもー、スレ立てありがとうございます。
以降はこちらということで・・・。
かよさんは、携帯を俺達に預けて、心配そうに帰っていった。
しばらくして、入り口付近でスーツ姿の男がきょろきょろしていた。
晋作君が指差した。
晋「あれっぽいですね。」
言う終わらないうちに、その男が電話をかけると、机の上の携帯がぶるると震えた。
スカウトだ!
スカウトだよ!!
ついに来たよ!!
うわ~~~~~~!!!緊張してきたぁぁ・・・
あ、あれ?
なんか、イメージと違うぞ・・・。
晋作君が手で合図をした。
男は、ぺこりと頭を下げて、こちらに向かってきた。
スカウト「スカウトです・・・。あれ?かよさんは?」
晋「まぁ、座ってくださいよ、何か頼みますか?」
向こうに座る男を見てみると、
あれ?しょぼい?あれ?
身長、俺と同じくらいwwwそんでにっこにこしてるwww
電話で聞いた声は、静かだけど低くてさ、
にこやかな感じなんだけど威圧感があったんだけど。
すげーギャップだwww
スカウト「え~、かよさんは?」
晋「今日のところはちょっと俺達だけでお話したくて・・・」
スカウト、よく見ると、ニコニコしてるのに、目が全然、笑ってない。
こえぇwww
晋「名刺貰えますか?」
スカウト「あ、はいはい。」
スカウトの差し出した名刺はこんな感じ。
「株式会社○○ スカウト 芸能プロダクション 映像制作、IT、広告、企画」
なんだ、いろいろ業種をやってるんだなぁと思った。
しかし、全然、怖くないwww
もっと怖い顔の怖い人だと思ってたんだけど、これって油断なのかな?
晋「じゃあ、お話に入りましょか。」
スカウト「あなたがかよさんの彼氏さん?」
晋「いえ。こちらですけど。」
スカウトは笑わない目でじろじろ俺を見てきた。
俺は「彼氏です」ってな感じで、軽く会釈した。
でもよく考えたら・・・っていうか良く考えなくても、
俺ってかよさんの彼氏じゃないんだけどねwww
スカウト「ああ、あなたね、この前の電話の・・・」
晋「じゃぁ話を・・・」
スカウト「じゃあ、あなたはどちらさんなの?」
晋「この人の友人ですよ。」
スカウト「あれ?彼氏(俺のこと)さん?」
俺「はい?」
スカウト「この前、言いましたよね?これはかよさん本人の問題だって」
俺「はぁ・・・。」
スカウト「あのねぇ、あなたも基本的には他人でしょ?それでも、心配だろうからお話しをしようと思ってきたのに、こちらさん(晋)なんて完全に他人じゃないんですか?」
俺「い、いや・・・あの・・・こういう問題は詳しくないんで、友人に相談して来てもらったんです」
スカウト「あのね、遊びじゃないんですよ?分かります?結構なお金が動いてるんですよ?友達を呼んでどうこうって・・・。」
俺「いえ、あの、彼はこういう話し合いに詳しくて・・・」
スカウト「だから~、かよさんからしたら、彼氏のあなたは、まぁおいといても完全に他人でしょ?
ちょっと詳しいからって、かよさんの仕事に口を出す資格あるの?」
俺「た、他人かもしれないですけど、あの・・・、別に話し合いだし、詳しい人に同席してもらってもいいでしょ?別に困らないですよねっ?」
スカウト「いや、困るでしょう?まず私がいい気持ちしませんもの。あなたなら、いきなり知らない人が話し合いに入ってきても、平気なんですか?いい気持ちしませんよね?ですよね??」
俺「いえ・・・それは・・・そうですけど・・・」
スカウト「ですよね?いきなり呼び出されて来て見ればかよさんはいない、
見たこともない人はいる、それで話し合いって出来ないでしょ??」
俺「・・・いや、あの・・・ですけども」
スカウト「今日は帰らせてもらいますよ。だいたい、あなたと話すのだって、
こちらの好意なんですよ?かよさんの事情は知ってますよね?」
俺「・・・」
スカウト「じゃあ、帰りますからっ」
スカウトは、席を立とうとした。
そのとき、
晋「ちょっと待ってもらえますか?」
晋「スカウトさん、話す相手が違うっていいはってるんですか?」
スカウトは、立とうとした姿勢のままで、
スカウト「そうでしょ?だいたいかよさん本人もいないんですよ?」
晋「いえいえ、話す相手なら目の前にいまっせ?」
スカウト「はぁ?何を言ってるんですかぁ?」
俺は、ポケットから便箋を出して、机の上に置いた。
スカウトは???って顔で、座りなおして、便箋を読み始めた。
随分読んでるのに、まだ、????って顔のスカウトに、
晋「分かりました?この人は、かよさんの代理人としてここに居るんですわ。分かります?」
スカウト「え?あの?」
晋「つまり、この人がかよさんとあんたの仕事の話、全部聞くって言ってるんですわ。この人がうん、って言わへんかったら、かよさんは一ミリも動かせませんで?」
スカウト「え?」
晋「スカウトさん、委任状って知らんのですか?」
スカウト「いや・・・でも、もう、動き出してる企画もあるんですよ・・・そんな無茶な・・・」
晋「だから話し合いしましょうって言ってるんです。もし、それで、何かあったら、この人が責任とりますから。」
え?聞いてなかったぞ??
責任???
そのとき、晋作君の言葉を思い出した。
どんな修羅場も覚悟出来ますか?ってそういうことか・・・。
晋作君は、俺に一番、重いところを背負わせる気なんだな・・・。
でも、当たり前か・・・。そうじゃないと、意味がないもんな・・・。
スカウト「責任取るって・・・どう責任を取るって言うんですかっ!」
晋「だから、まず何がどうなってるかを話してくださいって言ってるんですよwww
そうじゃないと責任も取れないでしょ?どっちにしろ、スカウトさんは、もうかよさんと話す機会はないですよ?」
スカウト「はぁ?何言ってるの?」
晋「いや、もう、かよさんはスカウトさんとは会わないってはっきり言ってますから。どちらにしろ、こちらの俺さんと、話すしかないんですよwww」
スカウト「・・・。」
晋「ほら、話してくださいよ。もし、違約金とかが発生するなら払いますから、書類出してもらえます?ちゃんと責任を取りますから」
スカウト「・・・。」
晋「申し訳ないですけど、こちらの方はAV出演とかには絶対に「うん」って言いませんわ。でも、損害を発生させてたら、その分は払いますから。契約書とかあるんでしょ?」
そうなんだよねwwwかよさん、書類だけは一切、書いても捺印もしてないって言ってたwww
スカウト「・・・あのな、ガキの遊びと違うんだぞ?業界の慣習って言葉知ってるか?契約書がなくても、履行しなければならない場合もあるんだぞ?」
スカウト「素人がな、口を出してもロクなことがないんだぞ?なんだ?この紙切れ?こんなもの役に立つと思ってるのか?」
スカウトの雰囲気がガラッと変わったwww
こええよ、なんだ?こんなに背が低いのに、さっきまでニコニコしてたのに、
180cmのガリガリよりもすごく怖いwww
泣きそう・・・、なんだ、この怖さ・・・
今まで感じたことのない怖さ・・・
ケンカで怖いとかそういうんじゃないんだよ?
そうか、これが迫力っていう奴か・・・。
業界の慣習?履行?どういうこと?
さっきまで有利だったような気がしたのに、どういうこと?
晋「あほか。こんな労働条件に関して、出るとこでたら、業界の慣習よりも法律の方が上に決まってるやろwww」
スカウト「あぁ??」
でも、弱った!!
スカウトの「あぁ??」が弱いwww
恫喝というより、本当の疑問文っぽかったしwww
晋作君、あんたは何もんなのwww???
晋「っていうか、あんたの業界で労働条件に関する係争なんてそうそうでけへんやろ?あきらめろ」
スカウト「・・・お、お前、なんなんや?法律家か?」
晋「名刺、欲しいですかwww?」
晋作君は名刺を渡した。
俺もよく考えたら彼の名刺を見たことがなかった。
コンサルとか投資家とか、どういう名刺なんだろうと思ってたら、
「高杉晋作」
と名前と住所しかかいてない名刺だったwww
スカウト「これじゃ分からないだろ・・・」
晋「それやったら言うけどな、この件に関して、
こっちは、この俺さんが最終責任者やって言ったよな?
あんたの方はどうやの?あんたが最終責任者やの?
あんた個人を相手にしたほうがええの?
それとも、あんたの会社相手にしたほうがええの?」
スカウトの顔色が変わった。
スカウト「ええ?いや・・・それは・・・ですね」
晋「もし、あんたに最終決定権がなかったら、あんたこそ、なんやの?ってことちゃいまんの?」
スカウト「・・・」
晋「かよさんはおらんけど、こっちは最終決定権持ってる人間がいるんや。俺が何者でも問題ないやろ。分かる?今度はこっちが言うで?あんた、責任者やの?」
スカウト「・・・」
晋「あかんなぁ、らちあかんわ。あんたの会社に行って話しようか?」
後で晋作君に聞いたんだけど、こういう女優とかの契約って、
会社から、「現場の裁量」ということで、任されてるんだって。
つまり、その場で決めることが、
スカウト(この場合はマネージャーをしてるんだけどね。紛らわしいw)にも許されている。
でも、問題があった場合は、会社に責任を問われる。
マネージャーはそういうことをすごく嫌がる。
まぁ当然だろうけどwww
会社に自分のせいで、ごたごたを持ち込まれるのは誰だって嫌だ。
次に、個人的にスカウトがかよさんを動かそうとしていた場合は、
もう、話し合いも必要ないって。契約書もないわけだしwww
だから、スカウトはどちらにしろ、詰まるしかなかったんだって。