家に帰った俺は、自分がどーしたいのか、を考えた。
これまでの、かよさんにたいする「好き」っていう感情に対して、
壮絶なことがありすぎた。
そうそう、昨日から、あまりにいろんなことが起こったので、感覚が麻痺していた。
童貞の俺は、童貞のまま、男女の修羅場の世界の中心にいるようだったwww
50万あれば、かよさんは、風俗を辞められる・・・のか?生活費は?
かよさんは、借金を返済したら、お金を貯めて、もう一度学校に行きたいという。
かよさんがもう一度学校に通う学費はそんなに簡単に貯まるもんなのか?
そういやかよさんの親のことを聞かなかったな。やっぱなんかあるのかな。
・・・・俺がなんとか出来るのだろうか?
ただ、好きってだけの感情がすごい幼稚に思えてきた。
かよという娘を取り巻く事情が怖い。
よく考えると、風俗嬢を好きになるって単に嫉妬だけじゃなくて、
その女の子を取り巻く事情とも向かい合わなくてはならないことだよな?
あれ?でも、これは普通の娘でも同じか・・・。
なんか、これまでのことが夢のように思ってきた。
かよさんのことを思わなければ、普通の毎日がもどってくるじゃん。
なんか、「風俗に誘った男」ってのが怖すぎるんだよ。
いや、思いだせば、ガリガリも怖いよな。
俺はいじめられたり、ぼっちだったりしたけど、あそこまで悪い人間っていうのと
関わった覚えがないような気がする。
かよさん・・・かよさん・・・かよさん。
でも、彼女、一人ぼっちで風俗で働いて、借金を返して、それなのに、
俺にこんなに良くしてくれて・・・。
涙が出てきた。彼女はあの部屋で一人ぼっちで住んでるんだ。
一人ぼっちで。
あんなに食い物にされても、その借金を返そうとして頑張ってる。
アホだけど。一所懸命な娘なんだよ。
やっぱ好きだ。そんで幸せにしたい。
そうなんだ。
このとき、
「かよさんのことが好きで、かよさんの気持ちが気になる」
から、ジョブチェンジして
「かよさんのことが好きで、彼女を幸せにしたい」
という気持ちになった。
同じ、付き合いたいでも、全然違うような気がするんだよな。
あ、書き忘れてたけど、かよさんは陸上部だったそうだ。
長距離の練習のときに、過呼吸になる生徒がたまにいて、
そのときに過呼吸の対処法を覚えたらしい。
俺の気持ちはまぁ、ちょっと進歩したんだけど、
かよさんの気持ちはより分からなくなったwww
俺のことをどう思ってるんだろうか・・・。
いや、もともと、まだそこまでうぬぼれてなかったのに、
この日の事件でなんか、かよさんの気持ちも近くなったんじゃないかと
期待するようになった。
でもな~、かよさんは俺に好意はあるけど、男として見てくれているのか?
俺は、とにかく、かよさんに告白しようと決めた。
まずは、それからだ。問題が多すぎる。
後のことは後のことだろう。
一個一個整理しながら、ちゃんと進むなんて無理だもんな。
だけど、現実は甘くなかった。
例の「風俗に誘った男」が登場するんだよwww
対処法って…過呼吸になる人みんな抱きしめてたのか…
なんか、かよさんから聞いた話によると、
「大丈夫?」って聞いちゃなんねぇらしい。
「大丈夫だよ」って断言するべきらしい。
抱きしめるのも安心させるためだったらしいが、
陸上部ではどうかは知らんがな。
かよさんは、店に出てこなかった。
メールのやりとりはしたし、たまに電話もした。
でも、外に出る元気はないみたいだった。
俺は店に出ないのは嬉しいけれど、そうそう家に会いに行く勇気もなく、
そしてお金とかどうするんだろうとか、複雑な気分だった。
そしてある日、かよさんから電話があった。
相談したいことがあるから、会いたいって。
かなり深刻な声だったけど、かよさんの家に行けるということが
何よりうれしかった。
あれから、一週間ぶりくらいだったろうか。
「AVに出ないか?」
その男がかよさんに、言い出しているという。
そうすれば、借金も一気に返せるし、学校へ行く金も稼げるという。
タンタイケイヤク?というものらしい。よく分からんかったが。
まぁ、帰ってすぐに、ググったもんで、すぐに分かったがwww
実は彼女は、「その男」に、ガリガリのことを話したらしいんだ。
そして、「風俗を辞めたい」と言ったらしい。
俺のことも少し、話したらしい。
すると、次の日、その男は、電話で、AVの話を持ち出したらしい。
で、「その男」ってかよさんの何www?
なんか、かよさんの口ぶりだと、どうも、その男を少し、
頼りにしている雰囲気があるんだよな。
ガリガリに比べて、話すときの感じが違うんだよ。
かといって好きとかいう気持ちがある風でもない・・・。
何者なんだろう?本当にそのときは訳が分からんかった。
俺は驚いたwww
俺「AV?かよさんが出たら、ソッコー買うよ!」
なんて言うわけないwww
全力で反対したwww当たり前だろ?
風俗だけでも死にそうなのに、AVって!!
でも、俺、AV見まくってるよ?
あれ、おかしいな・・・。
所詮、エゴだよ!エゴ!!
かよさんは、AVには絶対出たくないと言った。
でも、その男はしつこく説得してくるらしいんだよね。
かよさんは、「絶対に出たくないのに、どうしよう?」と言う口ぶり。
俺に助けを求めているのか?
つか、このままほっておくと、
かよさんの断れない性格が炸裂するんじゃないかwww?
彼女には、借金のことがあるから、断りにくいのか?
俺「俺は絶対にイヤだ。かよさんがAVに出るのはイヤだ。」
と言った。理屈なんてないよ。だってお金のことも口に出せないし、
感情を言うしかないもんな。駄々っこでしかないよwww。
かよ「うん、うん。私、出ない。私、断るのが苦手で・・ごめんね、
止めて欲しかったのかも。」
そっか。感情論でもよかったのかwwwなんかうれしかった。
ところが、次の日、かよさんは、
かよ「君の問題だと言われた・・・。確かにその通りだし・・・
風俗はもういやなんだったら、短期間で済むAVの方がいいと言われた。
でも、イヤだ・・・。」
なんか前日よりも、様子が弱くなってるような気がしたんだよなwww
「その男」が借金の返済期限が過ぎた分を肩代わりしてくれているそうで、
かよさんは強く出られないらしいんだよ・・・・・・。
俺「でも、もともとかよさんの借金じゃないだろ?」
俺はその理不尽さにものすごい怒りを覚えたけど、
過去は変えられないし、どうしようもない。
どうなんの?どうするのこれ?
現実的にかよさんが風俗嬢でいるのと、AV嬢でいるのと、どっちがいいのwww?
バカモーン!分かる分けないwww
でも、かよさんが喘いでいるところをみんなに見られるのはイヤだ・・・!
つーか、感じるのか・・・。男優とか、客とかに触られて感じるのかな・・・。
はははっはは・・・・泣
ははは実は、寝取られ属性には自信があるんだ!!!
俺「俺が50万、用意する。」
本気で言った。
すると、
かよ「そんな迷惑は絶対にかけられない」
と、かよさんはすごい調子で断ってきた。
かよ「お金のことで他人に迷惑をかけるのは最低だから」
だと。
俺「なんでだよ(泣)」
打つ手がないじゃん(泣)
なんなんだよ、かよさんはよ~
でも、よく考えたら、かよさんは、俺が風俗で無駄金を使うのをすごく気にして、
そして、外で会おうとか言い出したんだよなぁ・・・。
受け取るわけないよ(泣)
もう、打つ手がないのかよ。
かよさんだと、流されそうな予感ありありなんですけどwww
かよさんと会った次の日の次の日。
仕事が終わって、おれはかよさんに、
「久しぶりに外で飲みましょう」とメールした。
外に出ないのも心と体の健康に悪いし、深刻な話ではなく、
たまには楽しい話も必要だろうと思ったし。
まぁ、居酒屋でそれなりに楽しくは過ごした。
これまでの俺たちの関係ではなくなっていたので、
帰りもすぐに帰らずに、近所の公園を二人で歩いた。
すげー幸せだったwww
かよさん、相変わらず、背が高かったwww
告白・・・でも、とりあえず、AVの件が終わらないと・・・それが
どういう結果であってもな、告白なんて出来ないよなぁ・・・。
切なかった。
かよさんは、あの事件があってからやはり近い存在になった気がする。
かよさんの笑顔は気を許してくれてるような気がしたからな。
そのとき、かよさんの電話に着信があった。
「ごめんね」と言って、かよさんが出た。
かよ「はい、はい。いえ・・・はい。」
なんか暗い。楽しい内容じゃないようだ・・・。
もしかして、「その男」かな?
俺は、かよさんに目配せをしてみた。
かよさんも姪で合図をしてきた。
どうやらそうらしい。
また説得の電話か?
俺「ちょっと変わってもらっていい?」
俺は覚悟を決めた。
俺が断ってやる。