392:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)21:41:12 ID: ID:Unt
二ヶ月後、俺はまた月イチペースで『お預け』を喰らっていたが、
友人から『この前AとBが繁華街を歩いていたぞ。』とタレコミがあった。
その日はAが友人と買い物に行くと言っていた日だった。
ただ、その頃のBは馴れ馴れしさに嫌みを感じるようになってきて、
人を見下すようになってきていたのは気になっていた。
だが、根拠のないポジティブシンキングの俺は、
半月後の俺の誕生日のプレゼントでもBに相談していたのだろうと勝手に思いこみ、
何も知らない振りをしなくては…等と勘違いしていた当時の俺に小一時間説教したい。
友人から『この前AとBが繁華街を歩いていたぞ。』とタレコミがあった。
その日はAが友人と買い物に行くと言っていた日だった。
ただ、その頃のBは馴れ馴れしさに嫌みを感じるようになってきて、
人を見下すようになってきていたのは気になっていた。
だが、根拠のないポジティブシンキングの俺は、
半月後の俺の誕生日のプレゼントでもBに相談していたのだろうと勝手に思いこみ、
何も知らない振りをしなくては…等と勘違いしていた当時の俺に小一時間説教したい。
393:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)21:47:48 ID: ID:Unt
俺の誕生日が来週に迫っていた金曜日、部室にいた俺へポケベルで親から連絡が入った。
入院中の俺の祖母さんが亡くなった。旅費は振り込んでおいたからAちゃんと二人で帰ってこい。
そう聞いて部室に戻るとそこにはA・B・ビッチ他の面々が顔を揃えていた。
祖母さんが亡くなった事を伝え、Aに一緒に帰るぞと言ったところ、Aは俺にこう言った。「えっ、今週は彼と旅行があるから無理だよ。」その場の空気が固まった。
入院中の俺の祖母さんが亡くなった。旅費は振り込んでおいたからAちゃんと二人で帰ってこい。
そう聞いて部室に戻るとそこにはA・B・ビッチ他の面々が顔を揃えていた。
祖母さんが亡くなった事を伝え、Aに一緒に帰るぞと言ったところ、Aは俺にこう言った。「えっ、今週は彼と旅行があるから無理だよ。」その場の空気が固まった。
394:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)21:55:36 ID: ID:Unt
Aの彼氏は俺。でも俺は旅行の約束なんてしていない。
でもAは彼と旅行に行くと言っている。
俺は今週バイトで会えないとAから聞いている。
そんなこんなを考えてるうちに、何かがふと繋がったんだ。そして、俺はBに顔を向けた。
でもAは彼と旅行に行くと言っている。
俺は今週バイトで会えないとAから聞いている。
そんなこんなを考えてるうちに、何かがふと繋がったんだ。そして、俺はBに顔を向けた。
395:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)22:05:29 ID: ID:Unt
Bはバツの悪そうな顔をして俺を見た後、ニヤけ顔に変わり極めて明るい口調で喋り始めた。
「だめじゃ~ん、Aちゃん。こんな所でバラしちゃって。俺君も固まっちゃってるよ(笑)」
「やだな~。この空気感。学生の惚れた腫れたなんて日常茶飯事ですよ~。そう深く考えないでよ。
ね、俺君。俺君と俺の仲じゃない?たまたまだよ、たまたま。こんな事もあるって(笑)」俺は、動けなかった。喋れなかった。目の前にいるはずのBが別次元の生き物のような気がして、
Bが発しているはずの言葉がただの『音』としか認識されず、全く理解が出来なかった。
「だめじゃ~ん、Aちゃん。こんな所でバラしちゃって。俺君も固まっちゃってるよ(笑)」
「やだな~。この空気感。学生の惚れた腫れたなんて日常茶飯事ですよ~。そう深く考えないでよ。
ね、俺君。俺君と俺の仲じゃない?たまたまだよ、たまたま。こんな事もあるって(笑)」俺は、動けなかった。喋れなかった。目の前にいるはずのBが別次元の生き物のような気がして、
Bが発しているはずの言葉がただの『音』としか認識されず、全く理解が出来なかった。
396:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)22:18:45 ID: ID:Unt
同時に「Aちゃん、本当なの?」とビッチがAに問いかけていた。
自分の発言の意味をようやく理解できたAは「やだ…違うの…」などと
テンプレ通りの言葉を発していたが、突然
「ビッチちゃんだって一人しか知らないなんて勿体ないって言ってたなじゃん!」
とビッチに責任転嫁し始めた。ビッチは穏やかに、諭すようにAに話しかけた。
「あのね、Aちゃん。私は彼氏がいないときはいろんな人とHしてたけど、
彼氏が出来たらその人としかしないよ。他に好きな人が出来ても、ちゃんと彼氏と別れてから向かうし。」「彼氏がいるのに他の人とHするのは、世間では『浮気』って言うんだよ。」
自分の発言の意味をようやく理解できたAは「やだ…違うの…」などと
テンプレ通りの言葉を発していたが、突然
「ビッチちゃんだって一人しか知らないなんて勿体ないって言ってたなじゃん!」
とビッチに責任転嫁し始めた。ビッチは穏やかに、諭すようにAに話しかけた。
「あのね、Aちゃん。私は彼氏がいないときはいろんな人とHしてたけど、
彼氏が出来たらその人としかしないよ。他に好きな人が出来ても、ちゃんと彼氏と別れてから向かうし。」「彼氏がいるのに他の人とHするのは、世間では『浮気』って言うんだよ。」
397:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)22:27:14 ID: ID:Unt
「浮気…いやぁぁぁぁ」と絶叫に近い号泣をし始めたAを尻目に、俺はまだ固まっていた。
号泣しているA、未だに喋り続けるB、哀れみの目を向ける他の面々。
ビッチは俺の方に歩み寄りBを俺から引き離し、肩を掴んで振り向かせたと同時に話し始めた。
だが固まったままの俺を強烈な平手打ちが頬に響いた。
ようやく我に返った俺は状況を把握し始めた。
号泣しているA、未だに喋り続けるB、哀れみの目を向ける他の面々。
ビッチは俺の方に歩み寄りBを俺から引き離し、肩を掴んで振り向かせたと同時に話し始めた。
だが固まったままの俺を強烈な平手打ちが頬に響いた。
ようやく我に返った俺は状況を把握し始めた。
398:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)22:33:51 ID: ID:Unt
「俺君、Aちゃんもこんな状況だし、今回は一人で帰った方がいいと思う。
親御さんには学校の用事で都合付かなかったとでも言っておいてね。」
「後のことは私がある程度収めるよ。ちょっと責任感じちゃったし。
俺君には落ち着いて考える時間が必要だと思う。」
「あと、みなさん。このことは絶対に他言無用でお願いしますね。この場にいないサークルメンバーにもです。
もし、この事が他から聞こえた場合は一人頭一万円俺君に支払って貰いますからね。連帯責任です。」
誰もビッチの言葉に異を唱える者は居なかった。
俺は頬をさすりながら実家へと向かった。
ただ、『人の噂に戸は建てられない』とはよく言ったモノで、
後日A・Bを除いた人数×一万円が俺に支払われたよ。ビッチの分も含めて。俺は人生の中でこれ以上に貰って嬉しくなかった金を知らない。
親御さんには学校の用事で都合付かなかったとでも言っておいてね。」
「後のことは私がある程度収めるよ。ちょっと責任感じちゃったし。
俺君には落ち着いて考える時間が必要だと思う。」
「あと、みなさん。このことは絶対に他言無用でお願いしますね。この場にいないサークルメンバーにもです。
もし、この事が他から聞こえた場合は一人頭一万円俺君に支払って貰いますからね。連帯責任です。」
誰もビッチの言葉に異を唱える者は居なかった。
俺は頬をさすりながら実家へと向かった。
ただ、『人の噂に戸は建てられない』とはよく言ったモノで、
後日A・Bを除いた人数×一万円が俺に支払われたよ。ビッチの分も含めて。俺は人生の中でこれ以上に貰って嬉しくなかった金を知らない。
399:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)22:48:01 ID: ID:Unt
葬儀のゴタゴタもあり、華麗にスルーされた俺の誕生日を思い出したかのように母親に言われた日、ビッチから連絡が来た。
こちらへ戻ったら、一度当事者同士で話す機会を作るから来てとのことだった。
その際、どのような事になってもいいように覚悟はしておいた方が良いとも言われた。
俺は戻る日を伝え、ならばと日時と場所を指定された。
こちらへ戻ったら、一度当事者同士で話す機会を作るから来てとのことだった。
その際、どのような事になってもいいように覚悟はしておいた方が良いとも言われた。
俺は戻る日を伝え、ならばと日時と場所を指定された。
400:377◆ODFyGRN3ilW/ : 2017/04/05(水)22:56:37 ID: ID:Unt
指定されたのは大学近辺の大きい公園の東屋だった。
アパートに荷物を置きすぐに向かうと、既にA・B・ビッチが居て、
AとBが並んでビッチの向かいに座っていた。ビッチから缶コーヒーを渡されその隣へ座った。
Aは俯いて俺と目を合わせようとしなかったが、相変わらずBはニヤけた顔で俺を見ていた。
話し合いと言うより、ほぼビッチがこうなった経緯などを話し、
二人が相槌を打ち俺がちょこちょこ質問する形式で行われた。正直眉唾物だが、彼らの言い分はこうだった。
アパートに荷物を置きすぐに向かうと、既にA・B・ビッチが居て、
AとBが並んでビッチの向かいに座っていた。ビッチから缶コーヒーを渡されその隣へ座った。
Aは俯いて俺と目を合わせようとしなかったが、相変わらずBはニヤけた顔で俺を見ていた。
話し合いと言うより、ほぼビッチがこうなった経緯などを話し、
二人が相槌を打ち俺がちょこちょこ質問する形式で行われた。正直眉唾物だが、彼らの言い分はこうだった。