107: 僕男 ◆imiL/SUXf6 2007/10/10(水) 02:05:16 ID:627HL/o80
優美にはすぐに連絡できなかった。
「あーあ、やっちゃったな
あれだけやっちゃったんだから、きっと傷害罪で逮捕だろうな
退学かな?
そんなことになったら、また優美は責任感じちゃうだろうな」
「結局切れて全部滅茶苦茶にしちゃって
大学生になって、真面目ぶってるけど、
やっぱり荒っぽい父さんの子供で、兄さんたちの兄弟なんだな」
そんなことを考えながら、とりあえず自宅に向かった。
うちは、絵に書いたような低学歴&DQNの家だ。
そんな中で、僕だけが大学にまで進学できた。
兄は二人ともDQNのエリートコースだ。
僕が一度も停学にもならず高校を卒業し、一浪はしたけど大学に行ったことを、
父は、鳶が鷹を生んだって、すごく喜んでくれた。
僕が切れて暴れて大学を退学になったら、父はきっと怒るだろう。
まずはその父に、おそらくは傷害罪で逮捕されて、
大学も退学になるだろうということを謝ろうと思った。
と言っても父はあんまり家には帰ってくる人じゃない。
だから僕は、父の携帯に電話して
大事な話があるからすぐに会いたいと父に言った。
父は、今からすぐに家に向かうから、家で待ってろとのことだった。
家で待ってると父が帰ってきた。
リビングルームで僕は正座して父に事の顛末を話して、土下座して謝った。
「あーあ、やっちゃったな
あれだけやっちゃったんだから、きっと傷害罪で逮捕だろうな
退学かな?
そんなことになったら、また優美は責任感じちゃうだろうな」
「結局切れて全部滅茶苦茶にしちゃって
大学生になって、真面目ぶってるけど、
やっぱり荒っぽい父さんの子供で、兄さんたちの兄弟なんだな」
そんなことを考えながら、とりあえず自宅に向かった。
うちは、絵に書いたような低学歴&DQNの家だ。
そんな中で、僕だけが大学にまで進学できた。
兄は二人ともDQNのエリートコースだ。
僕が一度も停学にもならず高校を卒業し、一浪はしたけど大学に行ったことを、
父は、鳶が鷹を生んだって、すごく喜んでくれた。
僕が切れて暴れて大学を退学になったら、父はきっと怒るだろう。
まずはその父に、おそらくは傷害罪で逮捕されて、
大学も退学になるだろうということを謝ろうと思った。
と言っても父はあんまり家には帰ってくる人じゃない。
だから僕は、父の携帯に電話して
大事な話があるからすぐに会いたいと父に言った。
父は、今からすぐに家に向かうから、家で待ってろとのことだった。
家で待ってると父が帰ってきた。
リビングルームで僕は正座して父に事の顛末を話して、土下座して謝った。
108: 僕男 ◆imiL/SUXf6 2007/10/10(水) 02:05:56 ID:627HL/o80
ずいぶん後になってから父に土下座して謝った話を優美にしたら
「お父さんに土下座なんてするの?ふーん。変わった家庭だね」
と不思議そうだった。
父は堅気の人間ではないので、「筋を通す」ということにうるさい。
ちゃんと土下座して謝らないと、僕はタコ殴りにされてしまうだろう。
あの頃はもう大学生だったけど、それでも父にはよく殴られた。
僕から事の顛末を聞いた父は、怒りで手が震えてた。
父はよく怒りに任せて無関係な人も殴るから
近くにいた僕が殴られるんじゃないかと思ってビクビクした。
「僕男、おまえは何にも悪くない。
後は俺がなんとかするから、お前は心配しないで待ってろ」
父はそう言った。
その後、ドキュ男の住所を僕に聞いてきたので
僕がサークル名簿の載ってるドキュ男の住所教えた。
住所を聞いた父は「クソガキが」と言いながら
ソファ近くの小さなテーブル思いっきり蹴飛ばした。
ガラス製のテーブルは窓まで飛んでいって、窓ガラスに当たって粉々に砕けた。
うちの窓ガラスは防弾なので、窓ガラスは無事だった。
父は支度を整えながら若い衆に電話し、あわただしく家を飛び出して行った。
うーん。標準語で書くと全く迫力ないな(;´Д`)
実際には方言バリバリで、威圧感ありまくりの父の話し方だけど
地域特定回避のために標準語にしてます。
ちなみに、僕の話し方もずいぶん変えてます。
「お父さんに土下座なんてするの?ふーん。変わった家庭だね」
と不思議そうだった。
父は堅気の人間ではないので、「筋を通す」ということにうるさい。
ちゃんと土下座して謝らないと、僕はタコ殴りにされてしまうだろう。
あの頃はもう大学生だったけど、それでも父にはよく殴られた。
僕から事の顛末を聞いた父は、怒りで手が震えてた。
父はよく怒りに任せて無関係な人も殴るから
近くにいた僕が殴られるんじゃないかと思ってビクビクした。
「僕男、おまえは何にも悪くない。
後は俺がなんとかするから、お前は心配しないで待ってろ」
父はそう言った。
その後、ドキュ男の住所を僕に聞いてきたので
僕がサークル名簿の載ってるドキュ男の住所教えた。
住所を聞いた父は「クソガキが」と言いながら
ソファ近くの小さなテーブル思いっきり蹴飛ばした。
ガラス製のテーブルは窓まで飛んでいって、窓ガラスに当たって粉々に砕けた。
うちの窓ガラスは防弾なので、窓ガラスは無事だった。
父は支度を整えながら若い衆に電話し、あわただしく家を飛び出して行った。
うーん。標準語で書くと全く迫力ないな(;´Д`)
実際には方言バリバリで、威圧感ありまくりの父の話し方だけど
地域特定回避のために標準語にしてます。
ちなみに、僕の話し方もずいぶん変えてます。
110: 僕男 ◆imiL/SUXf6 2007/10/10(水) 02:06:35 ID:627HL/o80
父に謝って筋は通したので、その後は優美の元に向かった。
一応、破けた服や泥だらけのジーンズは新しいものに着替えたけど
顔はボコボコに腫れてて、Tシャツから見える腕は傷だらけ、あざだらけだった。
優美は、ボロボロの僕を見るなり、玄関先で泣き出してしまった。
「ドキュ男はボコボコにしたから。携帯もへし折って川に投げたよ。
もう大丈夫」
優美には、それだけ言って玄関先で抱きしめた。
これから逮捕されるかもしれないってことは、そのときは言えなかった。
せめて今日だけは、
優美と二人っきりで穏やかな時間を過ごそうと、僕は考えてた。
そのためには、余計な心配事は邪魔だと思った。
優美は、いつもの元気な優美に戻ってくれた。
その日の僕らは、食事もテレビ見るのも、ずっとべったりくっつきながらで
いつも以上にラブラブだった。
優美と部屋でくっついてゴロゴロしてたら、父から電話があった。
「全部手は打った。
おまえが逮捕されることはもうない。安心しろ」
という内容だった。
父が何をしたのか少し不安を感じたけど、
父の言葉を聞いて、とにかくほっとした。
父さんが大丈夫だと言ったんだから、きっと大丈夫なんだろう。
父の言葉には妙な安心感があった。
一応、破けた服や泥だらけのジーンズは新しいものに着替えたけど
顔はボコボコに腫れてて、Tシャツから見える腕は傷だらけ、あざだらけだった。
優美は、ボロボロの僕を見るなり、玄関先で泣き出してしまった。
「ドキュ男はボコボコにしたから。携帯もへし折って川に投げたよ。
もう大丈夫」
優美には、それだけ言って玄関先で抱きしめた。
これから逮捕されるかもしれないってことは、そのときは言えなかった。
せめて今日だけは、
優美と二人っきりで穏やかな時間を過ごそうと、僕は考えてた。
そのためには、余計な心配事は邪魔だと思った。
優美は、いつもの元気な優美に戻ってくれた。
その日の僕らは、食事もテレビ見るのも、ずっとべったりくっつきながらで
いつも以上にラブラブだった。
優美と部屋でくっついてゴロゴロしてたら、父から電話があった。
「全部手は打った。
おまえが逮捕されることはもうない。安心しろ」
という内容だった。
父が何をしたのか少し不安を感じたけど、
父の言葉を聞いて、とにかくほっとした。
父さんが大丈夫だと言ったんだから、きっと大丈夫なんだろう。
父の言葉には妙な安心感があった。
111: 僕男 ◆imiL/SUXf6 2007/10/10(水) 02:07:00 ID:627HL/o80
3日後か4日後ぐらいに、父の組の若い衆から電話があった。
ドキュ男が謝りたいと言ってるから、
優美と二人でドキュ男の家に来てほしいということだった。
僕は家でゲームしてたけど、優美はちょうどバイト中だった。
若い衆に電話して、優美のバイトが終わるまで待っててほしいと言った。
若い衆は了解してくれ、
優美のバイト先と僕の自宅に送迎の車向かわせると言った。
でも、優美はごく普通のサラリーマン家庭で育った女の子だし、
さすがにパンチパーマの男が運転する車に一人で乗るのは嫌だろうと思った。
だから僕は、僕は優美のバイト先に行って優美のバイトが終わるのを待ってるから、
送迎は優美のバイト先だけでいいと伝えた。
優美にメールした。
ドキュ男の件で決着をつけるから、バイト終わったら僕と一緒に来てほしいと伝えた。
優美は会うのを酷く怖がったけど、僕が一緒で、安全な場所で会うなら
という条件でOKしてくれた。
バイトが終わった優美と待ち合わせして、
送迎のベンツの前まで連れてったとき、優美は固まってた。
後部座席のドアを開けてくれたパンチパーマの男は、
手首、足首まで刺青が入ってたけど、
Tシャツ短パン姿だったため刺青が見え放題だった。
僕と優美は後部座席に並んで座った
ベンツの中の優美は、まるで借りてきた猫みたいに無口でおとなしかった。
無理もない。
今まで、うちの家族の黒い部分なんて、一度も優美に見せたことなかったし。
僕は、不安そうな優美の手をギュッと握った。
優美は、僕の手を強く握り返した。
ドキュ男が謝りたいと言ってるから、
優美と二人でドキュ男の家に来てほしいということだった。
僕は家でゲームしてたけど、優美はちょうどバイト中だった。
若い衆に電話して、優美のバイトが終わるまで待っててほしいと言った。
若い衆は了解してくれ、
優美のバイト先と僕の自宅に送迎の車向かわせると言った。
でも、優美はごく普通のサラリーマン家庭で育った女の子だし、
さすがにパンチパーマの男が運転する車に一人で乗るのは嫌だろうと思った。
だから僕は、僕は優美のバイト先に行って優美のバイトが終わるのを待ってるから、
送迎は優美のバイト先だけでいいと伝えた。
優美にメールした。
ドキュ男の件で決着をつけるから、バイト終わったら僕と一緒に来てほしいと伝えた。
優美は会うのを酷く怖がったけど、僕が一緒で、安全な場所で会うなら
という条件でOKしてくれた。
バイトが終わった優美と待ち合わせして、
送迎のベンツの前まで連れてったとき、優美は固まってた。
後部座席のドアを開けてくれたパンチパーマの男は、
手首、足首まで刺青が入ってたけど、
Tシャツ短パン姿だったため刺青が見え放題だった。
僕と優美は後部座席に並んで座った
ベンツの中の優美は、まるで借りてきた猫みたいに無口でおとなしかった。
無理もない。
今まで、うちの家族の黒い部分なんて、一度も優美に見せたことなかったし。
僕は、不安そうな優美の手をギュッと握った。
優美は、僕の手を強く握り返した。