その日の夕方に俺は間男にTELして直接あって話したいと伝え、夜には二人だけで会って
話しました。
はじめ俺がその日の午前中に彼女に会ってきたことを話すと、間男は一瞬絶句した後でこ
れまで俺の前では見せたことのない怒りを顕わにして言いました“・・・君には関係ない
ことだろう!何をするつもりなんだ?彼女になにを言った?!“と。
俺が全てを説明すると彼はしばらく沈黙した上でおもむろに話始めました。
やっとすべてを。
自分の結婚生活や、嫁に対する気持ち、そして彼女に対する気持ちを。
そして彼女への思いを話初めて以降彼はどうにも耐え切れなくなったようで、涙が幾筋か
彼の頬を伝っていました。
俺には彼と間嫁さんの結婚生活がどんなものだったのかはわかりません。
それでも、先日間嫁さんがおっしゃていたとおり愛のない寂しいしい毎日だったことだけ
は理解できました。
“愛されたいと願っていた、だからしゃにむに頑張った、仕事一筋に、それでも時間が経
つほどにますます私たちの心は離れていった、いったい私たち夫婦はどこで間違ってしま
ったのだろう?”そういった時の彼はただただ悲しそうでした。
俺は彼の思いを聞いたことで、彼のことが全て許せたわけではありません。
ただそれでも、彼もまたやっと見つけた愛を失って彷徨い悲しむ一人の男にしかすぎない
ことだけは解りました。
彼は彼女を失って以降、なんとか彼女の心を取り戻そうとこれまでに何度も連絡を取り会
って話したいと懇願したようですが、彼女は頑としてうけいれずどうしても会ってくれな
かったそうです。
俺は言いました“もう一度連絡をおとりになってはどうですか?はっきりしたことは判り
ませんが今なら彼女は会ってくれるような気がします”彼は期待と不信の入り混じった複
雑な表情で曖昧に返事をしていましたが、絶対に彼女に連絡するはずです。
間男は最後まで俺の真意を測りかねていたと思います。
でも俺の話を聞いた後からなんだかそわそわしていた様子に、今現在でさえもどうにも抑
えられらない彼女への思いが垣間見えました。
40過ぎの男がまるで母を慕う幼子のように見え、その瞬間になんだかあの女性の魅力の正
体がちょっとだけわかりました。
それは彼女が身に纏うある種の強い母性を感じさせるオーラのようなものが原因だと思い
ます。
俺の嫁のそれが、闘争と警戒、であるのに対して彼女のそれは、安らぎと安心、そんな差
だと感じました。
離婚に突然応じ、そしてその日の内についに家を出ることを聞きました。
間男はやはり全てを捨てて本命の女性と一緒になるつもりなのだそうです。
間嫁さんは彼のその選択と決断に大いに納得しているようです。
俺の嫁の長い年月を費やした企みは失敗して、彼女は再び本命の女性に敗れ去りました。
一瞬にして。
間嫁さんが使っている興信所の調査で新たな事実が発覚しました。
俺の嫁の高校の卒業アルバムの中に間嫁さんを嵌めたと思われる、彼女の不倫相手の男が
写っていたそうです。
全く違う名前で、しかし同級生達の証言でもその男と嫁が当時付き合っていたとか、特別
に親しかったというような証言は今のところ出てきてはいなくて、あの件が嫁が仕組んだ
ことだという確証などはまだないようですが、それでも間嫁さんは絶対に俺の嫁の企みだ
と確信しています。
前に初めてその話を聞いた時にもはっきりとは間嫁さんは言いませんでしたが、おそらく
彼女はその若い男性のことを愛していたのでしょう。
だからこそどうしても真相をしりたいのでしょうし、自分の真剣な気持ちをおもちゃにさ
れたことがどうしても許せないんだと思います。
今の間嫁さんは自分の離婚の問題や、間男のことなどどうでもいいような感じで、言って
しまえば嫁への復讐に取りつかれた修羅のようです。
俺や間男、そして本命の彼女などの関係者が全て去った後で最後に間嫁さんと、おれの嫁
の女二人の激闘が繰り広げられるのでしょう。
本命の彼女とついに再び会うことが出来、二人でやり直すことになったそうです。
まあ、前日に間嫁さんから聞いていたので知っていましたが。
本命の女性も自分から身を引いたとはいえ、当然に気持ちも残っていたでしょうし、なに
よりもボロボロになり全てを失ってもそれでも自分をひたすら愛し続ける間男を見捨てる
ことができなかったのでしょう。
彼は“あなたにとんでもなく酷い仕打ちをしてしまった私が、結局あなたに救われました。
どんなにお詫びしても足りませんし、またどんなにお礼を言ってもたりません。
本当に申し訳ありませんでした、そして心からありがとう“そう言いました。
しかし俺は彼を救うためにやったのでも、嫁に復讐するためにやったわけでもありません。
ただ俺は、自分なりにこの問題にけじめをつけたかっただけです。
まあ結果は俺の予想通りになりましたが・・・
うで、そのためにも俺とは早急に示談を成立させたいので俺の要求どおり1500万の慰謝料
を払ってくれるそうです。
ただ、間嫁さんとの離婚に伴う財産分与でかなりの財産を与えたことと(彼が相続した
財産は実際相続税の支払いやらなんやらでもともとかなり減っていて20憶なんてのには程
遠いそうです。)財産分与って分与したがわが税金払うのですか?なんかそんなこと言って
ましてそれにもかなりかかること、あと俺の嫁に彼はすでに別れを告げたそうですが、や
はり嫁にもかなりの金銭を支払うつもりであるらしく、とてもそれら全てを払う現金は持
っていないので、自分に残った不動産の処分を早急にした上で支払うのでしばらく時間的
な猶予が欲しいと言っていました。
なにか残った土地は市街化調整区域の農業振興地域なんかが多いらしく、処分に時間がか
かるようです。
俺としては、もともと金なんてどうでもよかったので全然かまいませんよと返事して、こ
の瞬間に俺と彼との間に示談が成立しました。
すべての支払をした後でも、彼女と二人で残りの人生を静かに過ごせるぐらいの金銭は残
るようですが、それにしても彼は仕事も財産も名誉も文字通りすべてを失いました。
そのかわり最愛の女性を手に入れることが出来たわけです。
彼にとっては自らの地位や名誉や財産その全てよりもたった一人の女性のほうが遥かに価
値のある物だったのでしょう。
これまで何度か彼に会いましたが、これまでの様子とは全く違って明るく生き生きとした
彼の様子に、俺はもはや何の憎しみも感じませんでした。
心から彼女と二人で静かに幸せに生きていけることを願います。
こうして俺の「嫁のバッグの中から飛びっ子が!なんじゃこりゃ~!」で始まった人生最
大の試練は幕を閉じました。
ほんの1か月ちょっとの間の出来事でしたが、おれには何年にも感じられる長い長い戦い
でした。
俺は2000万円の現金と引き換えに、平凡な自分の人生の中で唯一非凡な最愛の妻を失いま
した。
それは誰かに取られたといったことではなくて、俺が愛した妻など実は最初からどこにも
存在していなかったことを思い知らされるかたちで。
過去の妻との思い出も全てまるでパソコンでデータを消去するように。
今は普通の離婚なんかとは違い、思い出まですべて失ってしまったことが、ただただ寂し
いです。
それでも俺はもうこのことは忘れて、明日から前向きに生きて行こうと思います。
美容院へ行って髪型を変えて、オシャレな洋服を買ってwそうそう車も買おうかな?
そして出会いを求めてスポーツクラブや英会話やら色々なことを初めてみようと思います。
嫁はすこし酔っているようで、明るく華やいだ調子で話していましたが、なんとなくです
が泣いていることがわかってしまいました。
“元気にしてた?私ね振られちゃったんだ、あいつさ前の女とよりを戻すんだって。
今更ふざけるなよね、ほんとにさ・・・“無理矢理明るく話していても彼女がとても深く傷ついていて、どうしようもないほど悲しいのが手に取るように理解できました。
しばらくの間二人でとりとめの無い話をしていましたが、最後に彼女が言いました。
“もうあなたとお話する機会はほとんどないと思うから、どうして私があなたと結婚した
のか教えてあげるね、あなたといると安心できたから、全然警戒する必要もなくて、心を
許せるのはあなただけだったから。
だから結婚したの、だれでもよかったわけじゃ全然無いから、私はね、あなたをえらんだの。“
そして笑いながらこう付け足しました。“私ほどの女に選ばれたんだからあなた自信持っていいのよ”って。
この後、彼女には復讐の鬼と化した間嫁さんとの長く激しい戦いが待っています。
それがいったいどんな戦いでどうなるのか俺には予想も付きません。
でも俺はこの舞台の出演者の1人として、たとえ自分の役目は終わったとしても最後の結末だけは見届けたいと思います。
そしておつき合いくださった皆さんにも必ずご報告したいと思います。
いつになるかわかりませんが、また同窓会にでも書き込みます。
こんな俺を暖かく励まして、親身になって応援してくださった多くの方に心から感謝いたします。
ほんとうに有り難う御座いました、またお会い出来る日を楽しみにしています。
>>567
御免なさい、それだけは書き忘れですね。
あれだけ用心深い嫁はそもそも日常的に使っているパソコンに重要なデータなんて保存してなかったんです。
別の俺が一切その存在を知らなかったもう一台のパソコンに保存していたようです。(俺の予想です)
俺に自分のことを諦めさせるためにわざとあのデータをインストールして俺に晒したんです。
掟破りすみません、これが最後です。
独立して自分で会社を始めて2ヶ月近く経ちました、諸先輩方に助けられながらこれまでに3件契約まとめました。
まだまだ自分一人がやっと生活出来る程度ですが、希望は見えますので毎日結構充実しています。
彼女ができました、2歳になる娘がいるシングルマザーの女性なのですが、心の綺麗なとても優しい女です。
まだ付き合い出して日が浅いので、言い出せませんが俺はその娘と結婚してその娘の子供を一緒に育てていきたいと思っています。
そのためにも一日でも早く妻子を養っていけるぐらいは稼げるようになりたいです、頑張ります。
元嫁からも間嫁さんからも連絡はありませんが、きっとどろどろした激闘を繰り広げていることと思います。
ああ、それから元嫁はこの街では結構有名なセレクトショップで働き始めたそうです。
どうやらノウハウを学んでいずれは自分でブティックを経営したいようです。
まあ、今となっては俺には関係ありませんが。
ともかく、おかげさまで今俺は結構幸せにやっています。
文面に充実してる感が出てるなあ…
乙。
>心の綺麗なとても優しい女です
↑なのにバツ1?
どんな隠し球持ってるかわからんぞ、慎重に慎重にwww
×1ではありません、交際中に妊娠したため結婚することになったそうですが、以前から1~2度暴力をふるわれたことがあったのですが、
妊娠中にまで暴力をふるわれて、我慢できずに式を2ヶ月後に控えながら婚約を破棄したのです。
ですが、どうしても子供を中絶することが出来ずに自分一人で育てる決心をして出産して、今は親と一緒に子供と4人で暮らしています。
「心の綺麗なとても優しい女」としてもな
そうですね、確かにしっかりなんてしていません。
まだ26歳の女性ですから、毎日娘の将来のことや、自分の人生のことなんかで不安で一杯みたいです。
俺と一緒にいるときにも時々必死で我慢しながらも耐えきれずに泣いています。
>>飛びたん
2歳の娘の父になる覚悟があって、その子がお父さんと認めてくれるが大事だ
あせらずにゆっくりと時間をかけて行こうと思っています。
まだ2歳ですから、大切に大切に信頼関係を築いて行きたいと思います。
母親とも娘とも。
転載元
https://human7.5ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1202223278/
https://human7.5ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1202631665/
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