17:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)12:51:07.502 ID: RTyIx0C60.net
男宅男「聞いてくれよ」
妹「?」
男「今日さ!」
男「聞いてくれよ!」
妹「いや聞いてるよ」
男「うひょー」
妹「え?」
男「とりあえず聞いてくれよ!」
妹「浮かれてるのはわかったって」
男「なんと!」
男「今日!」
男「初めて!」
男「告白されました!」
妹「(あ、罰ゲームか)」
19:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)12:54:12.272 ID: RTyIx0C60.net
妹「ふーん」男「なんだその反応は」
妹「だって…」
男「?」
妹「(まぁいいか)」
妹「どんな人なの?」
男「かわいくてーかわいくてー」
妹「写メは?」
男「いや、ないよ」
妹「え?」
男「そーいや連絡先も交換してないな」
妹「どやって告白されたの?」
男「今まで話したことなかったんだけど」
男「放課後に付き合ってくれって言われた」
妹「(あちゃー)」
20:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)12:57:19.457 ID: RTyIx0C60.net
妹「…………んで?」男「動揺しつつも平静装って華麗にOKした」
妹「(嘘だな。慌てまくって噛みまくったに違いない)」
妹「よかったね」パチパチ
男「やる気ない拍手だな」
妹「(程度の低いイタズラする人もいるのね)」
妹「(ってか罰ゲームで告白ってなんか古いし…)」
妹「…………」
妹「(まさか本当に奥ゆかしい子が告白したとか…)」
男「俺の想いが届いたんだな」
男「今日はご馳走つくってやるぜ」
男「ふひひ」
妹「…………」
妹「(ないな)」
妹「ありがと。私も手伝うよ」
21:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:00:54.003 ID: RTyIx0C60.net
一時間後男「いやーうまかった」
妹「そだね。ごったま」
男「…………」
妹「…………」
男「なぁ」
妹「…………」
男「妹もおかしいと思う?」
妹「……………………」
妹「……………………」コクン
男「やっぱそーか。そりゃそうだよなー」
妹「……あー、あのさ、なんて言っていいか分かんないけど」
妹「もう全部忘れちゃってもいいんじゃない?」
男「俺さ、好きだったんだよ」
妹「(うわぁ、きっついパターン)」
25:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:04:24.234 ID: RTyIx0C60.net
男「過去形なのは言葉の綾というか」男「今も好きなんだけど」
妹「…………」
男「しんみりさせて悪いな」
妹「恥ずかしいかもだけど、泣いていいよ」
男「はは、さすがにそれは…」
妹「ほんとに」
男「……ちょっと洗い物する」
妹「私も手伝おうか?」
男「どんだけ泣いてるとこ見たいんだ」
妹「うそうそ。私がやっとくから部屋戻りなよ」
男「……助かる」
男「明日には、引くほど元気になってるから安心してくれ」
妹「(兄さんの性格を考えると、多分……)」
26:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:08:17.424 ID: RTyIx0C60.net
翌朝 男宅 (火) (6/30)男「……」ガチャ
妹「……んかえり」ゴシゴシ
男「ここで寝てたのか?」
妹「まぁそんな感じ」
男「どうしたんだよ」
男「罰ゲームで告白されて落ち込んでるのか?」
妹「それは兄者でしょうが」
男「そうだった」
妹「……もう平気なの?」
男「自虐できるくらいには」
妹「うんうん、一安心」
男「……んで、相談なんだけど」
妹「好きになってもらいたい、と」
男「さすが妹」
28:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:12:08.836 ID: RTyIx0C60.net
妹「じゃあ無駄じゃなかったってことだよね」男「何が?」
妹「こうやって朝まで作戦練ってたんだから」
男「え、まじで?」
妹「まじで。たぶん惚れさせたいとかふざけた事、言うと思ったから」
妹「どうやって攻略しようかと考えてたわけ」
妹「……途中で寝ちゃってたみたいだし」
妹「現段階じゃ余りに情報が少なすぎて」
妹「作戦なんて具体的には立てられなかったんだけど」
男「気持ちだけでうれしいよ」
妹「感謝するのは全部終わってからじゃない?」
30:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:15:34.155 ID: RTyIx0C60.net
男「…………」妹「んで、疲れてるとこ悪いんだけど」
妹「聞きたいことあるんだよね」
男「何?」
妹「その人って、兄上が好きなこと知ってるの?」
男「女さんには知られてないと思う」
妹「(女さんね、ふむふむ)」
妹「結構重要なとこなんだけどね」
妹「これで、罰の意味合いが大きく変わってくるし」
男「たしかにそうだな」
妹「(知られてないってことは本当に偶然か……周りからの差し込みか……)」
妹「まぁいいや。知らないってことで仮定しよう」
妹「その女さんって人は金髪ツインテの高飛車系ツンデレお嬢様みたいな人?」
男「……そんな人いないよ」
妹「なんてこったい」
31:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:19:00.091 ID: RTyIx0C60.net
男「どうした」妹「そういう系統なら」
妹「テンプレ通りに攻略しようと思ってたんだけど」
男「そんな感じではないな」
妹「……兄上はより険しい道を歩まざるを得なくなったぞ」
男「(読んだんだな)」
妹「てか罰ゲームって気づいてたんなら、家帰ってきた時のあの演技は何だったのよ」
男「一応告白されたんだから喜んどこうと思って」
妹「(切ねぇ…)」
男「罰ゲームだろうがなんだろうが告白なんてこれからされるとは思わないし」
妹「ほえー。モテないのか」
男「暗いし冴えないし」
妹「生理的に無理でもある、と」
男「いやまさかそこまで……」
妹「…………」
34:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:22:21.628 ID: RTyIx0C60.net
男「ありえるな」妹「分かんないけどね」
男「妹の前だと普通の状態でいられるんだけど」
妹「(……着ぐるみ作戦が使えるな)」
妹「なるほど」
妹「たった二人の家族だもんねー」
男「そうだな」
妹「あ、そうだ。ひとつ約束してほしいことがあるんだよね」
男「?」
妹「お小遣いは月15000円のままだから」
男「当然だよな」
妹「もちろん」
妹「大切なバイト代は大切に使っていかないと」
男「ですよね」
36:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:25:42.160 ID: RTyIx0C60.net
男「でもこういうのって美容院行ってかっこよくなって」男「イメチェンしてかっこよくなって」
男「実は妹も俺にドキドキなんかしたりして」
妹「…………」
男「三角関係から生まれる泥沼の…」
妹「…………」
男「沈黙が怖いんですが」
妹「今月の15000円は脳みその治療費に消ゆ、と」
男「病院代もお小遣いからですか。ってか今のはジョークです」
妹「……ジョークも冴えない、と」
男「…………」
男「まぁたしかに、家計を圧迫しても得なんてないか」
妹「全部が無駄とは思わないんだけどね」
妹「上限は決めとかないとさ」
38:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:29:08.569 ID: RTyIx0C60.net
男「金銭感覚も俺よりよっぽどしっかりしてるな」妹「どもども」
男「いい奥さんになれるよ」
妹「…………」
男「?」
妹「(フィクションじゃないんだから、こんな言葉でリアル妹は堕とせないけど…)」
妹「(天然ジゴロの才があるのかも…?)」
妹「(でもわざわざ伝えても良い結果にはならないだろうし)」
妹「(でもでも女さんの前で披露してくれないと意味ないし…)」
妹「ってかどうでもいいけど死語だよね」
男「?」
妹「たぶん罰ゲームならデートとかも誘ってくると思うの」
妹「錯覚使って好感度上げてこ」
39:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:32:36.519 ID: RTyIx0C60.net
男「錯覚て」妹「なんでも使ってかなきゃ攻略できないの」
男「……」
妹「落ち込むな。私がいる」
男「頼もしい」
妹「チャレンジャー号に乗った気分でいてよ」
男「え、それ爆発したやつじゃ…」
妹「空中分解じゃなかったっけ?」
男「…………」
妹「はい、これ貸してあげる」スッ
男「万札?」
妹「何があるか分かんないからね。足りなくなるのは一番避けたいところ」
41:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:36:04.159 ID: RTyIx0C60.net
男「ありがとう」妹「いやいや、こっちがありがとうだよ」
男「え?」
妹「30倍返しだから」
男「遠慮しておきます」スッ
妹「うそうそ。いつか返してくれりゃいいから」
男「……ありがとう」
男「好きになってもらえるように全力で努力する」
妹「まずは臆せず話せるようになるところからだけどね」
男「そうだな」
妹「ま、私に任せんしゃい」
44:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします : 2015/10/31(土)13:39:57.775 ID: RTyIx0C60.net
妹「……モテる男には2種類いる」男「急にどしたの」
妹「ノってんだから遮らないでよ」プンスコ
男「すんません」
妹「……モテる男には2種類いる」
男「(そっからやるんだ)」
妹「何もしなくても天性だけでモテる奴と…」
妹「努力して努力して努力してモテる奴よ」
妹「後者になればいいの」
男「……なるほど」
妹「人は熱意で堕とせる」
男「そんな、カワイイはつくれるみたいな言い方…」