俺の職種は機構科の偵察だったんだ
機甲科ってのは戦車と偵察に分かれてるんだ
自衛隊の新隊員は前期教育と後期教育があって、前期で自衛官の基本
後期でそれぞれ専門教育に分かれていくんだ、陸の場合はね
で、後期の機甲科は偵察も戦車も一緒になって戦車の方の訓練をうけるんだ
機甲科隊員は戦車、偵察隊両方できるようにね
んで偵察隊員はバイクの免許が必須なんだ
もともと2輪免許もってる奴はいいとして
免許ない奴は税金で無料で取れるわけだね
それで後期教育終わって部隊に配属されてから
2輪免許ない奴は免許とるための教育隊にいくわけだ
そこで体験した話
みんな無料で免許取れていいなあと思うかもしれないが違うんだな
その時の俺たち新米偵察隊員の任務は教習者の免許資格を持つ自衛官による自衛隊の施設で操縦訓練をした後
民間の施設で試験をうけて習得するというものだった
それでわざわざ自衛隊が保有している教習場近くの駐屯地まで移動して
その駐屯地の隊舎から教習所まで通うという形をとっていた
人いないから体験した事詳しく書いてるけどはしょったほうがいいか?
もっと面白くないっていうかこわくもないけど
んで俺たち新米はホームからはなれて免許とるため合宿見たいな感じで他の駐屯地に来ていた
その俺たちが泊まる隊舎は年季のはいった旧軍時代から使われる木造建築の二階にある30人部屋だった
すでに糞のような環境に慣れていたので特に疑問はなかったが
同期のリア充やりチン野郎が、部屋に入った瞬間
「この部屋おるわ・・・」
といいだした
二段ベットがずらりと並び
俺たちは全部で20人弱いたのでそんな窮屈でもなかった
教官は同じ建物内の別の部屋に泊まる
大部屋なので、「おるわ・・・」と言われても別に気にしてなかった
んで怖い話に関係ないけどバイク免許とる為の訓練が始まった
ちなみに機甲課隊員は後期教育課程で全員が戦車の操縦免許を取る
指導員の免許を持つ教官によって戦車を使っての実技がある
車やバイクの免許を持っていない俺は学科のテストの勉強もしなければならなかった
一日千問以上の問題をやらされたし模擬テストでは95点以上の点数をとらなければならなかった
むろん学科試験は免許センターでやるあの試験で、すでに車の免許とか持ってる奴は免除
すでに免許持ってて学科なしの奴はひたすら操縦訓練する
話しそれたけど、そんなわけで機甲の隊員は全員免許はあるので
バイク取得も実技だけでおっけーね
んで、2輪の取得に入るんだがこれがきつかったんだ、俺にとっては
戦車ってトルクがすごいからクラッチとかあるんだけどほぼオートマみたいで余裕だった
しかしバイクはそうはいかない、すぐエンストしたり、2輪なのでこける
他の奴は車の免許持ってたり、免許なくともバイク好きで乗ってる奴が多いから
すいすいのってた
一方俺はトルクすごくてエンストしない戦車と、自転車しか乗った事なかったから
ハンクラとか言われても感覚が全然わからなくて怒られまくった
コースのポイントごとに教官が竹刀持って立ってるんだ、ミスしたらようしゃなく竹刀と罵声が飛んでくる
74式限定で出来るよ
教官からも「てめえら国税つかって取らせてもらってんだ・・・落ちたらわかってんだろうな・・・」
見たいに言われて追い込まれていた
他にも精神的、肉体的に色々あったけどはしょる
俺は自腹でいいから民間の学校で取らせてくださいと心底思った
反応ほぼ無いからホラーに関係無い事長々書いたけどここから
俺は隊の中で一番操縦がへたくそで、ちょっと精神的にもそんな強くないので
憂鬱だった。鬱では全然ないけどな、悩んで眠れなかったりしたんだ
夜は悶々として不安になったり何度もねがえりをうったりして寝付けなかった
そしたら部屋からギシッギシッと音がした、木造の床にありがちの、人が歩く音ね
俺たちの泊まってる隊舎に便所はないので、トイレに行きたいときは外に隣接してる
現代人からは想像を絶する古くて不潔なトイレ(一応掃除されてるけど)か、その駐屯地の
新しい隊舎までいって(ここは清潔で水洗)するしかなかった
んで、20人弱も同じ部屋にいるんだし
だれかトイレにいくのかなと思ってなんとなく目を開けた
俺たちの泊まってる室内は電灯つけなくて、部屋の外の階段周辺だけ小さい明かりがついてたんだ
過去にそこでまっくらなまま非常呼集かけたときに足ふみはずして死んだ隊員がいたかららしいけどな
(ちなみに新隊員のときに真っ暗闇でもフル装備に着替える訓練はやる)
誰も便所にいく気配も姿も無いんだ、でもギイッギイッって歩く音がする
でも建物が音出すのってよくあるだろ?空気や湿度の関係とかで
ましてや木造の古い建物だし、誰かが寝返りをうつたびにきしむ音するしな
寝返りやなんかじゃねえなって思ってさ、眠れなかったし
俺は二段ベットの下の段にいたんだけど気になって起きたんだ
ベッドから上半身だけ起こすかんじであたりをきょろきょろみてたんだ
そのあいだも規則的に室内を歩く音がしてるんだけど
誰もあるいてないんだな、これが
でも周りにいっぱい教育受けてる同期は寝てるし廊下からの明かりで室内はぼんやりみえる
けど誰も動かないし、なんなんだろうってすごい集中して音のする方向うかがったよ
誰も動いてないのにさ、明らかにそこを歩いてる軋み音がするんだよね
怖くはなかったな、みんないるし
ただもう明らかにそこを人が歩いてる軋み音がしてるのに何もいないから
変な感じだった
朝になってから、「ここおるわ・・・」っていった奴に話したらさ
「だからいうたやんおるって、あいつは毎晩一つ一つベッド除いて回ってるよ」って言ったんだ
そいつは大阪出身ね
飯食ってくる
残ってたら続き書く