初めての街で初めての夜。
何もかもが新鮮だった。
コンビニでお菓子やジュースを買ったり、深夜に「おなか空いたー!」って言って近くの松屋に食べに行ったりw
2人でたばこをふかしながら次の日になった。
今までの流れからすればちょっと軽いかもしれないが、俺は真奈美に告白した。
「付き合って欲しい」と。
でも答えはNoだった。
まだ俺も若かったが、Noの意味が分からなかった。
セクロスもし、家にも泊まり、お互い彼氏&彼女がいない二人が何故付き合えないのか理解が出来なかった。
真奈美に理由を聞いても「もういいよ」と機嫌が悪くなる様子。
しつこく聞くのはあまり好きじゃなかったから、それ以上詮索しなかったが、なんか納得がいかない自分がいた。
けど、ふられても別に「もう会わない」とか言われるのではなく、その日もそのまま街に繰り出し、お茶したり買い物したり、プリクラを撮ったりして、いつものように笑顔で別れた。
9月に入った。
大学の長い夏休みも明け、講義が始まった。
一度だけ真奈美を大学のキャンパスの授業にもぐりで招待した。
それから何となく真奈美との距離が遠くなった。
俺がメールしてもスルーされたり、遊びに誘っても乗ってこなくなった。
俺もキャンパスライフをエンジョイしてたし、他の女の子とも仲良くしていたりっていうのがあったので、そこまで気にしなかった。
何となくそっけない雰囲気が続き、だんだんと距離が遠くなった。
相手にされてない感じ。
そりゃそうだ。相手は普通に可愛い年上のお姉さん。
俺みたいなのと遊んでくれていたあの夏の日々が奇跡みたいなもんだったんだ。
そう考えるようになっていた。
そして、いつのまにか時は12月。
大学生の12月なんていうのは当然、誰とどうやって過ごすかで持ちきりだ。
12月の中旬だったかな。久々に何となく真奈美にメールを送ったら、普通に帰ってきた。
ただ正直、真奈美はもはや自分にとって高嶺の花みたいな存在って思ってたから、クリスマスの相手とかそんな風にはまったく考えなかった。
もう今年のクリスマスは何もないなって、自分で答えを決めていた。
んで俺は23日に大学の友達とのスノーボードの約束をし、24日は夜までバイトの予定を入れた。
んで23日。俺は友達と約束どおりスノーボードへ。
バスツアーで長野のほうへ行ったんだ。
新雪で凄く楽しかった記憶がある。
で、その帰り道、真奈美からメールが来た。
「明日は何してるの?」と。
夜までバイトが入ってたからその旨を伝えると
「そっか。イブの夜一人で過ごすの嫌だったから、ちょっと連絡してみた」って帰ってきた。
俺のバイトは22時頃で終わりだったので、その後ならいいよと返事をした。
クリスマスイブの夜に思いもよらず約束が出来た。
12月24日
前日のスノーボードで疲れ果てた体でバイト。
本当だったらちょっと残業とかがあるんだけど、その日は店長が気を利かせて定時にちゃんと返してくれた。
俺は一度家に帰り、車で真奈美の家へと向かった。
車ではglobeとか、クリスマス系のクラブサウンドとかをかけながら向かった。
いつも通っているはずなのに、クリスマスイブの国道はいつにも増して賑やかな感じがした。
そして真奈美の家へ到着。
久々の真奈美だった。
9月に会って以来。あの笑顔は変わらずだった。
とりあえずどこか行こうということになり、定番だけど真奈美の家から割りと近い夜景スポットへ。
クリスマスイブの夜って事で、たくさんカップルがいた。
俺は真奈美にホットコーヒーを奢り、一緒に夜景を見た。
お互い周りのカップルについては言及しなかった。
冬の澄んだ空気の中で見た夜景は本当にキレイだった。
素直に来てよかったと思った。
特にやることもなかったので、今度はカラオケへ行くことに。
カラオケは交互に淡々と歌った。
GLAYのホワイトロードとか、キックザカンクルーのクリスマスイブRAPとか。
真奈美は松田聖子とかモー娘とか歌ってた。
カラオケも普通に楽しんだ。
で、お互いが曲を入れないタイミング(間合い?)みたいなのカラオケってあるじゃん?
その時に真奈美が話しかけてきた。
ちょっとシャワー浴びてきます。