会社の近くのレコードショップをぶらぶらしていると、熱心にCDを見ている女性がいた
それが妻だった
「俺と似たような音楽聴くんだなあこの人」くらいにしか考えていなかった
そのたびに彼女の手にとっているCDが自分の趣向に近いものだったので嬉しくなり
ついに何度目かで彼女に話しかけることにした。ちなみにその時点では下心も恋心も全くない
俺「そのバンド良いですよね」
嫁「えっ?あ、はい」
俺「突然すみません。音楽の趣味が合いそうだったので」
嫁「いえ。あの、ときどき来られてる方ですよね?」
俺「ああ、バレてましたか」
そんな感じで軽い会話を交わした。それが初対面だ
>>5俺のパンツあげるから許して
俺「あの時間あれば食事にでも行きませんか?もっとあなたと話したいです」
嫁「えっ?あ、あの……」
俺「ダメですかね…?」
嫁「い、いえ…お願いします」
歯切れの悪い彼女を見て「まさか俺はデートの誘いをしてるようなものなんじゃないか?」と恥ずかしくなったのを覚えている
ちなみに後に妻から「男の人に誘われたりしたの初めてだったから恥ずかしかった」と言われた
その笑顔があまりに魅力的で、俺は彼女に恋をしてしまっていた
別れ際に次の約束をした。それから毎日が楽しくて仕方なかった
かわいかったかどうか
そのデート?も何度か重ね、ますます彼女への想いを募らせた俺は、次のデートの終わりに告白しようと決意する
しかしなんとその前に彼女の方から告白してきた。それはデートの最中、ピザに大量のタバスコをかけている時だった
>>19
愛嬌のある顔だと思う
俺「はい」
嫁「その…私と付き合ってください」
俺「へ?俺?」
嫁「はい。俺さんが好きなんです」
俺「俺もです!!!!!」
ビックリしてすごい大声で返事をしてしまった。妻は「ああよかった」と笑っていた
ちなみにピザはむせるほど辛かった
出会ったのが春、付き合いはじめたのが秋。それで翌年の秋に結婚した
妻の頑固な親父さんのパンチは凄まじく痛かった
ある意味では幸いにも、既に両親が他界していたため持ち家があった
社会人の兄と二人暮らしをしていたが、兄は俺たちのために一人暮らしをはじめて家を空けてくれた
というより妻と生まれてくる子どものために頑張らねばと思った
そしてその子どもは結婚のわずか3ヶ月後に授かった。ちなみに俺と妻は初めて同士の結婚だった
俺はよりいっそう仕事に励んだ。妻との関係も良好だったし、順風満帆だと思っていた
ただどうやら俺たちはすでに問題を抱えていたみたいだ
しかし俺は妻の料理がマズいとは思わなかったし、掃除だって妻が出来なければ俺がやればいいと思った
先述の通り兄との二人暮らしが長かった俺は家事もある程度できたので、料理も積極的に手伝った
ただそれがいけなかった